前営業日トピックス
東京市場では、前週末の海外市場の流れを引き継ぎ、序盤はやや軟調な動きとなった。日経平均株価は堅調な動きとなり、前週末比200円以上の上昇となったことを受けて、ドル円・クロス円も堅調な動きとなった。しかし、その後株価が下落に転じ、上昇幅の大半を帳消しにする動きとなったことから、ドル円・クロス円も一転して下落に転じた。欧州市場では、堅調な動きも見られたが、米国市場では序盤に発表された米経済指標が予想外の悪化となったことから、再び下落する場面もあった。ただ、原油価格が半年ぶりの高値を付けたことや、株価が大きく上昇したことを受けて、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)序盤は、前週末の流れを受けて軟調な動きとなった。その後、日経平均株価が堅調な動きとなったことを受けて、ドル円・クロス円も堅調な動きとなった。
(2)午後に入り、日経平均株価が下落に転じ、上げ幅の大半を帳消しにする動きとなったことから、一転して軟調な動きとなった。
(3)原油価格が堅調な動きとなったことや、下落して始まった欧州株価が下げ幅を縮小する動きとなったことを受けて、堅調な動きとなった。
(4)NY連銀指数が予想外のマイナスとなったことを受けて、ドルが主要通貨に対して下落となった。しかし、原油価格が2015年11月25日以来の高値を付ける動きとなったことや、米ダウ平均株価が前週末比200ドル以上の上昇となったことが好感され、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。ただ、終盤はやや上値の重い動きとなった。
本日のトピックス
東京市場では、日本の金融政策の行方を予想する上で、18日に発表される日本のGDPの結果を見極めようと、様子見ムードも強まりつつあり、やや限定的な動きが予想される。ただ、株価などの動きに反応する可能性もあることから、株価の動きには注目したい。米国市場では、主要な経済指標の発表が予定されており、事前の予想ではいずれも改善が予想されている。予想通りの結果となるようなら、先週末の米当局者の発言などで高まった追加利上げに対する期待を後押しする可能性も考えられる。ただ、前日発表された経済指標では、予想外の悪化となったことから、本日発表の指標においても予想外の悪化となる可能性も一応想定しておきたい。
5/17の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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21:30 | 米国 |
4月消費者物価指数(前月比)
消費者を対象とした小売やサービスの価格動向を示した指数である。特に、食品とエネルギーを除いたコア指数が重要視されている。そして、米国の金融政策を決定する上で重要な経済指標であり、為替市場への影響も非常に大きい。
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0.3% | 0.1% |
前回は、マイナスから2ヵ月ぶりのプラスに改善。特に、エネルギーが4ヵ月ぶりにプラスとなったことが寄与した。4月は原油価格が一段と上昇していることもあり、このことが押し上げ要因となる可能性も考えられる。 | ||||
21:30 | 米国 |
4月住宅着工件数
建設が着工された民間住宅の着工件数を集計した経済指標で、家電製品などの個人消費との相関性も高いことから、景気動向を見る上で重要な指標である。また、天候の影響を受けやすいという面もある。
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112.5万件 | 108.9万件 |
前回は、市場予想を大きく下回り、5ヵ月ぶりの低水準となった。今回は、前回からの改善が予想されているが、先行指標となる建設許可件数が横ばいを含み4ヵ月連続の低下となっていることもあり、予想を下回る結果も想定しておきたい。 | ||||
22:15 | 米国 |
4月鉱工業生産(前月比)
鉱工業関連の生産動向を指数化したものであり、2002年を100として数値が算出され前月比で発表される。GDPに占める鉱工業部門の割合が約20%程度であることから重要な経済指標である。
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0.3% | -0.6% |
前回は、市場予想を大幅に下回り、昨年11月以来の大幅マイナスとなった。今回は、3ヵ月ぶりのプラス改善が予想されている。原油価格の上昇や、ドル下落が影響していると考えられる。 |
本日のトレードポイント
※出所:FX総合分析チャート1時間足
NZドル/円は、一目均衡表の雲の中の動きとなっており、雲上限ラインを上抜けるのか、雲下限ラインに沿って軟調な動きとなるのか注目したい。オシレーターのMACDでは、両線がクロスすれば軟調な動きを示すシグナルとなることから、注目したい。雲上限を上抜ければ、一段の上昇となり、レジスタンスの74.21抜けを試す可能性も考えられる。一方、雲下限を下抜けるようなら一段の下げとなる可能性が考えられる。