前営業日トピックス
東京市場では、新規材料に乏しい中、前日の米国市場の流れを受けて、序盤は小動きの展開となった。そして、日経平均株価が上昇して始まったことを受けて、堅調な動きとなった。しかし、資金決済が集中する五十日(ごとおび)であることから実需のドル売りに押され、仲値公示にかけてドル/円は軟調な動きとなる場面もあった。その後、麻生財務相が改めて円売り介入に踏み切る可能性に言及したことから、円売りが優勢となった。また、日経平均株価が上げ幅を拡大する動きとなったことや、欧州主要株価が堅調な動きとなったことも押し上げ要因となった。米国市場では、やや上昇一服感から、序盤は下げる場面もあった。しかし、ダウ平均株価が大きく上昇したことや、原油価格が反発したことも加わり、堅調な動きとなった。終盤にかけては、上値の重い動きが続いた。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)麻生財務相が、円売りの為替介入に踏み切る可能性に関して言及したことを受けて、円が売られる動きとなった。また、日経平均株価が大きく上昇したことも影響した。ただ、資金決済の集中する五十日(ごとおび)であることから、上昇したところでは、実需の円買い戻しの動きも見られた。また、中国の経済指標結果を受けて、中国経済の先行きに対する懸念がやや後退したとの見方が広がったことも、安全資産とされる円売りの要因となった。
(2)アジア株の上昇や、ギリシャ金融支援を巡る動きが進展しているとの見方が支援材料となり、欧州株が堅調な動きとなったことから、投資家のリスク志向も強まり、円売りが加速した。
(3)米国市場では、やや材料に乏しい中、一服感から反落する場面もあった。しかし、原油価格や米株価が大きく上昇したことを受けて、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。
本日のトピックス
週明けから、ドル/円が2円以上上昇するなど、クロス円も大きく上昇しており、特にアジア市場での上昇幅が大きくなっている。週央となり、堅調な流れが一服するのか、又は一段の上昇となるのか見極めたい。特に、昨日は日経平均株価をはじめ、欧米の株価も上昇しており、これも円売りの要因となった。そのため、前日大きく上昇した日経平均株価の動きに注目したい。米国市場では、主要な経済指標の発表がないことから、原油価格や株価の動向に注目したい。特に、米石油在庫の発表が予定されており、結果を受けて原油価格が大きく動く場合には、為替市場への影響も考えられる。また、指標発表もなく材料が少ない中、米10年債の入札が予定されており、こちらの結果にも注目したい。
5/11の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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翌2:00 | 米国 |
米10年債入札 |
- | - |
米長期金利の指標となる10年債の入札利回りが、市場で推移する利回りと乖離する場合には、市場の利回りが入札利回りにサヤ寄せするケースもある。どちらに乖離するかで利回りも動き、ドル相場にも影響するケースも多いことから、入札結果に注目したい。 |
本日のトレードポイント
※出所:FX総合分析チャート1時間足
ユーロ/円は、先週末の安値から続くトレンドラインを下抜けており、ここから一段の下げとなるのか、又は再び直近のレジスタンスを上抜けて一段の上昇となるのか見極めたい。オシレーターのMACDでは、両線の乖離幅が小さく見極め難いが、ここから乖離幅が拡大するか注目したい。下値のポイントは、一目均衡表の基準線、サポートの123.69が重要なポイントとなる。特に基準線は、現状の横ばいから上昇となることから、下抜けに注目したい。上値のポイントは、レジスタンスの124.43で、ここを上抜ける場合には、一段の上昇も考えられ、その場合の上値は125.47が計算上の目標となる。
気まぐれ投資コラム
ドル/円の13週サイクルは継続、さらに続くのか?
ドル/円は、週足ベースでトップとボトムの13週サイクルが続いており、先週が前回から13週目でした。前回(2/8の週)がボトムであったことから、次はトップとなる可能性が考えられましたが、前回のボトムである110.96(重要な下値サポート)を完全に下抜けたことから下げが加速し、今回のボトムとなる105.54まで下落する動きとなりました。そして、週が明けて反転しており、ここが一旦のボトムであったことが確認できます。昨年5月から6月には、13週目のトップを上抜けて次の13週目もトップを形成したケースと同様の結果となりました(ボトムとトップの違いはありますが・・・)。
この13週サイクルが継続する場合、次は7月25日の週が13週目となります。現時点では、次はトップとなる可能性が考えられ、その場合の上値目標は113.31 〜 115.69 (2015年6月高値125.85から直近安値105.54まで下げに対する38.2%戻し 〜 50.0%戻し)と予測できます。 ただ、重要サポートとなる105.54を下抜ける場合には、再びボトムとなる可能性も考えられます。その場合には、100.12(前回、前々回の下げと同等の下げ) 〜 100.76(2011年10月安値75.67から2015年6月高値125.85までの上昇の50.0%押し)となります。
※出所:FX総合分析チャート 週足