前営業日トピックス
東京市場では、新規材料に乏しく、仲値公示まで比較的堅調な動きとなった。ただ、中国人民元がドルなどに対して下落したことをきっかけに、中国経済の減速懸念が広がり、投資家のリスク回避の動きが強まった。また、北朝鮮が水爆実験の実施を発表したこともあり、比較的安全な資産とされる 円を買う動きが加速した。米国市場では、やや下げも一服し、米雇用関連や貿易収支の改善を受けて、堅調な動きも見られた。ただ、FOMC議事録公開を控えて、やや上値は限定的となった。そして、FOMCの議事録では、物価の低迷に懸念が多かったことが明らかとなり、ドルは軟調な動きとなった。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)中国人民元が対米ドルなどで急落したことで、中国経済の減速懸念が広がり、リスク回避の円買いが優勢となった。また、北朝鮮でM5.1の地震との報道を受けて、核実験を実施したとの思惑も円買いの動きを加速させた。
(2)その後、値を戻す場面もあったが、中東情勢の緊迫もあり、ドル/円は118.20台まで下落し、10/15以来の安値を付けた。
(3)米国市場では、株価が大きく下落したものの、下げ一服感が広がったことや、ADP雇用統計や米貿易収支の改善を受けて、ドル/円は堅調な動きも見られた。
(4)FOMC議事録公表では、利上げ決定も物価低迷に懸念が多かったことが明らかとなり、やや上値の重い動きとなった。
本日のトピックス
昨日は、引き続き中国経済の不透明感が相場を動かす要因となった。そして、昨晩公表された世界銀行の半年次の経済見通しで、2016年の中国の成長率予想が下方修正されたこともあり、本日も影響が残る可能性が考えられる。特に、昨日上昇していた中国株の動向には注目したい。一方、FOMC議事録では、物価低迷に対する懸念が示されたこともあり、ドルの動きも上値が抑えられる可能性もあるだろう。米国市場では、米国の雇用関連の指標発表が予定されているが、反応は限定的だろう。そして、週末の雇用統計までは、引き続き中国経済への懸念や、中東情勢の緊迫化が材料の中心となるだろう。
1/7の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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22:30 | 米国 |
新規失業保険申請件数
労働省が失業保険を申請した人(失業者)の数を毎週発表する経済指標。毎週(木曜日)発表されるため、雇用情勢の速報性に優れており、雇用統計の先行指標として注目されている。ただ、米国の祝祭日や天候などの影響を受けやすいという点もある。
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27.5万件 | 28.7万件 |
年末商戦の影響で比較的堅調な結果が続いたが、前週はやや増加となった。今回の市場予想は再び27万件台が予想されており、26万件台から28万件台が2ヵ月以上続いていることから、このレンジの結果ならマーケットの反応は限定的だろう。 |
本日のトレードポイント
※出所:FX総合分析チャート1時間足
ユーロ/ドルは、レジスタンスを上抜けて雲の中の動きとなっている。オシレーターのMACDでは、両線が上向き継続中だが、先行するラインが失速しており、両線の乖離幅も縮小している。目先は、一度上抜けたレジスタンス(サポートに転換)を下抜けて雲下限ラインも下抜ける動きとなるのか、直近のトレンドラインを抜けて雲上限近辺を目指すのか注目したい。