前営業日トピックス
東京市場では、年明けで新規材料に乏しい中、実需筋のドル買いを背景に、小動きながらドル/円は堅調な動きとなった。しかし、中国の経済指標が悪化したことに端を発し、アジア市場の株価が軒並み下落すると、リスク回避の円買いからドル円・クロス円は軟調な動きが続いた。海外市場では、米国の経済指標が悪化したこともあり、ドル/円は一時上値の重い動きが見られたものの、アジア市場の下落も一服し、119.50台まで値を戻す動きとなった。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)実需勢のドル買い・円売りの動きから、仲値公示近辺までドル/円は小動きながら堅調な動きとなった。
(2)12月の中国製造業PMI指数が市場予想を下回り、9月以来の低水準に悪化したことから、中国株が大きく下落した。また、日経平均株価も下げ幅を拡大する動きとなり、リスク回避の円買いの動きが優勢となった。ドル/円は、昨年10/15以来の安値を付けた。
(3)海外市場では、アジア市場の下落が一服し、米国の経済指標が悪化したものの、ドル/円は値を戻す動きとなった。
本日のトピックス
東京市場では、世界的な株価下落が鎮静化するのかどうかに注目したい。引き続き株価が軟調な動きとなる場合には、投資家のリスク回避の動きも継続し、比較的安全な資産とされる円を買う動きが強まる可能性も想定しておきたい。また、中東情勢の緊迫化もリスク回避を加速させる可能性があると考えられることから、中東情勢にも注目したい。米国市場では、主要な経済指標の発表がないことから、新規材料に乏しく、株価や原油相場の動き次第で方向性が変わる可能性も考えられる。そのため、株式市場や商品市場の動きにも注目したい。
本日のトレードポイント
※出所:FX総合分析チャート1時間足
ポンド/円は、トレンドラインを上抜けたものの、下げ途中の小休止持ち合いパターンで、5波動目の下げを形成中と見ることもできる。このことから、持ち合い下抜けとなる場合には一段の下げに注意したい。
気まぐれ投資コラム
長期チャートによるサイクル分析(ドル/円)
ドル/円は、長期的チャートで16.5年サイクルを見ることができる。この16.5年サイクルの中には、3つの5.5年サイクルが存在する。直近では、2011年11月にボトムを付けて、新たな16.5年サイクルが始まったと考えられる。そして、16.5年サイクル上の高値は、最初の5.5年サイクル内に付けるのがパターンである。このことから、現行の16.5年サイクルの高値は、2016年5月までにつけると予測できる。
ここで、以下2つの時期に注目したい。
・過去2回はボトムから平均3年8ヵ月でトップを付けている
・平均8年1ヵ月サイクルでトップを付けている
これら2つの時期を照らし合わせると、平均サイクルとトップを付けた時期がほぼ一致する。
・前回ボトムを付けた2011年11月から3年7ヵ月目にあたる2015年6月に125.86で直近のトップを付けている
・前回トップを付けた2007年6月から8年0ヵ月目にあたる2015年6月に125.86で直近のトップを付けている
このことから、16.5年サイクルのトップは2015年6月に付けた125.86であるとも考えられる。
そして、1982年11月に16.5年サイクルのトップを付けてから1年後にはトップから16.2%下落しており、その次の16.5年サイクルのトップを付けた1998年から1年後には21.6%の下落となっている。この平均を、2015年6月がトップだった場合に当てはめると、1年後の2016年6月には102.07となる。なお、次の16.5年サイクルのボトムは、2027年5月(±6ヵ月)と予測できる。