前営業日トピックス
東京タイムでは、連日の人民元の引き下げを受けて注目が集まっていたが、中国人民銀行が、人民元の対ドル基準値を前日の基準値よりも高めに設定したため 、投資家に安心感が広がり、比較的安全資産とされる円が売り進められる場面もあった。NYタイムでは、序盤に発表された経済指標が予想を上回る結果となり、一部で9月の利上げが意識され、ドルが主要通貨に対して上昇する動きとなった。しかし、その後の指標が悪化したことや、堅調な展開で始まった株価が下落したこと、 また米長期債利回りが低下したことからドルが売られる動きとなった。一方、ユーロは、ギリシャ議会が金融支援を受けるために必要な財政再建策関連法案を可決したことから、欧州タイムでは堅調な動きとなったが、臨時のユーロ圏財務相会合が開かれており、新たなギリシャ向け金融支援の実行を正式に決定するかどうか結果を見極めたいとの思惑から、NYタイムでは主要通貨に対して軟調な展開が続いた。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)中国人民銀行が、人民元取引の対ドル基準値を前日の基準値よりも元高に設定したことから、安心感が広がり円を売る動きが優勢となる。
(2)新規材料に乏しく、夏季休暇シーズンであることから積極的な売買が手控えられ、軟調な動きとなった。
(3)米生産者物価指数、鉱工業生産が市場予想を上回る結果となり、ドルが主要通貨に対して堅調な動きとなる。
(4)ミシガン大学消費者信頼感指数が予想を下回る結果となったことや、株価下落などを円が主要通貨に対して買われる動きとなる。
(5)午後には薄商いとなり、小動きの展開が続く。
本日のトピックス
今週は、米経済の回復を先導する住宅関連の指標が続くことから、結果によって利上げ時期に関する思惑が交錯する可能性も考えられる。週明けでやや小動きの展開が予想されているものの、経済指標の結果はもちろんのこと、株価動向や米長期債利回りの動きに為替相場が左右されることが多いことから、他市場の動きも注目したい。
8/17の注目材料
時間 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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21:30 |
8月ニューヨーク連銀製造業景気指数
NY州の製造業の景況感などを指数化した経済指標である。製造業に関連した新規受注・雇用・在庫など、指数化された数値が発表される。数値はゼロが景況の判断の基準となる。
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4.80 | 3.86 |
2013年1月以来の低水準となった6月の結果から2ヵ月連続で上昇しているものの、構成指数の中心となる新規受注は2ヵ月連続でマイナス、雇用者数は2013年12月以来の低水準となるなど、前回も中身に懸念が残る結果となっている。このことから、景況指数はもちろんのこと、新規受注、雇用者数の結果にも注目したい。 | |||
23:00 |
8月NAHB住宅市場指数
全米住宅建築業者協会(NAHB)が加盟業者を対象にした一戸建て住宅の販売状況調査を基にした指数。50が判断の基準となり、50を下回ると住宅建設業者の多くが現況を「悪い」とみていることを示すことから、住宅市場の先行指標となる。
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61 | 60 |
前回は横ばいの結果となり、2005年11月以来の高水準を維持した。今回は前回を上回る61が予想されている。また、半年先の見通しは、前回2005年10月以来高水準まで上昇しており、今後の動向を見極める上では、こちらの数値にも注目したい。 |
本日のトレードポイント
※出所:FX総合分析チャート1時間足
ユーロ/ドルは、一目均衡表の雲下限近辺でやや底固い動きが続いている。ここを完全に下放れる場合には、一段の下げとなる可能性が考えられる。その際、1.1080が重要なポイントとなる。ここを下抜けた場合の下値目標の計算値は1.1055、さらに一段の下げとなる場合には1.0947が計算値となる。そして、オシレーターのMACDが両線ゼロポイント後下抜けとなっていることから、下げ継続のシグナルとなる形状であることから、こちらの動きも確認したい。両線の乖離幅が拡大傾向にある場合には下げ継続、縮小する場合には反転となる可能性も想定しておきたい。 一方、上値のポイントは雲上限近辺、ここを上抜ける場合には1.1188がポイントとなる。