米12月雇用統計
米雇用統計 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
就業者数 | 48.3万人 | 37.9万人 | 64.8万人 | 24.9万人 | 19.9万人 |
失業率 | 5.2% | 4.8% | 4.6% | 4.2% | 3.9% |
時間給賃金(前月比) | 0.4% | 0.6% | 0.4% | 0.4% | 0.6% |
時間給賃金(前月比) | 4.0% | 4.6% | 4.8% | 5.1% | 4.7% |
8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | |
製造業 | 5.4万人増 | 6.5万人増 | 10.0万人増 | 7.2万人増 | 5.4万人増 |
サービス業 | 45万人増 | 35.9万人増 | 61.4万人増 | 19.8万人増 | 15.7万人増 |
政府系 | 2.1万人減 | 4.5万人減 | 6.6万人減 | 2.1万人減 | 1.2万人減 |
- ※出所:SBIリクイディティ・マーケット
先週末発表の米12月雇用統計では、就業者数は前月比19.9万人増と予想を大きく下回った一方、10月と11月の就業者数は合わせて14.1万人上方修正されたほか、失業率も2020年2月以来の3.9%まで低下しました。
2021年通年で就業者数は約640万人増加するなどワクチン接種の効果もあり、過去最大の増加幅となりました。失業率が感染拡大前の水準を回復した一方、就業者数は依然として感染拡大前の水準を360万人ほど下回った状況が続いています。
就業者数の伸びは市場予想を下回ったとはいえ、時間給賃金は、前月比+0.6%、前年比でも+4.7%上昇。こうした賃金の力強い伸びにより求人が埋まりにくいこともあり、賃金上昇圧力は定着しつつあるなど、すぐに反転する可能性は低いと見られています。
さらに、このような動きがインフレ圧力の継続を示している可能性があり、FRBの金融政策への影響も大きいと見られます。加えて、昨日コンファレンスボードが発表した12月の雇用動向指数は、11月の115.64(改定値)から116.63に上昇。労働市場の伸びが続いていることが確認されたほか、年内に雇用が力強く伸びる可能性を示唆する結果となりました。
先週公表された12月FOMC議事要旨では債券購入プログラムの縮小ペースを加速し、終了時期を6月ではなく3月に前倒しする計画を承認していることが明らかになったほか、労働市場が「極めて逼迫」しているとの言及が2ヵ所確認され、景気過熱を防ぐために利上げが必要であるとの確信が強まっていることを示す材料として注目されています。
米金利先物は3月利上げを概ね9割程度織り込む水準まで上昇しているほか、本日のパウエルFRB議長の再任指名公聴会での発言テキストでも、昨年12月FOMCの会見で示した「最大雇用に向けて急速に進展している」との発言を踏襲する内容となりました。
1)「米経済が速いペースで拡大、労働市場は力強い」
2)「FRBは高インフレが定着するのを阻止するだろう」
3)「FRBの政策は幅広く将来を見据える必要」
4)「経済と力強い労働市場を支えるために手段活用」
上記のような内容が既に示されており、米10年債利回りは一時1.80%台へ上昇する一因となりました。
1月4日に発表された米12月ISM製造業景況指数の入荷遅延指数の低下が進んでいることが明らかになるなど、サプライチェーンの復旧が進み、インフレ上昇のピークアウトを裏付ける一つとして注目される一方、サプライチェーンの目詰まりや自動車業界の部品不足が解消された後でも、需要の拡大が賃金や家賃などの上昇につながる可能性に関する見通しが変化していることを反映しているのかもしれません。
旺盛な需要により、インフレは高水準に達しているほか、FRBが重視する11月の個人消費支出(PCE)価格指数は、食品とエネルギーを除いたコア指数が前年比+4.7%まで上昇し、FRBが目標とする2%を大きく上回っていることに加え、労働市場の回復も意識されているだけに、今月25〜26日のFOMCで、利上げを開始した後に保有資産を縮小する時期やペースについての議論が注目されます。
前回の正常化局面((1)2014年1月のテーパリング開始(2)利上げ開始は2015年12月(3)バランスシートの縮小は2017年10月)に比べ、かなり速いペースで実施される見通しが示唆され、賃金と物価のスパイラル的上昇を招くことになれば、11月の中間選挙を前に景気後退を引き起こす懸念も表面化する可能性があるだけに、市場との対話を如何に慎重に行うか注目されます。
USD/JPY
- ※出所:SBIリクイディティ・マーケット
米10年債利回りの上昇もドル円の上昇にはつながらず、金利上昇を受けた株安に加え、ウクライナ情勢を巡って地政学リスクの高まりが意識されたこともあり、昨日のNY市場でドル円は一時115円05銭まで下落しております。
下値メドとして以下の水準が注目されます。
1)日足・基準線(114円74銭)
2)昨年9月22日の安値(109円12銭)と11月30日の安値(112円53銭)を結んだライン(1)
(現状:114円52銭)
3)昨年11月24日の高値(115円52銭)から11月30日の安値(112円53銭)までの下落に対するフィボナッチ
38.2%水準にあたる114円38銭、50%水準にあたる114円03銭
4)日足・雲の上限(114円01銭)
一方、上値メドとして以下の水準が注目されます。
1)日足・転換線(115円63銭)
2)先週末1月7日の高値(116円05銭)
3)1月4日の高値(116円35銭)
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