2020/4/14
提供:三菱UFJ国際投信
「投資環境ウィークリー」4月13日号より抜粋
企業に待ち受ける次の試練
■ 流動性(フロー)の危機はひとまず収束か
しかし、資産(ストック)の危機はこれからか
先週の世界の株式市場は力強く上昇、米FRB(連邦準備理事会)は条件付きながら投機的等級企業の社債購入を可能にするなど一歩踏み込んだ流動性支援策を講じ、金融市場に安心感を与えました。資金繰りに苦しむ企業の緊張感も相当緩和するとみられます。また、市場参加者の間でも「(キャッシュ)フローの危機は終焉へ」と評価は概ね上々、株式などのリスク資産市場では、ひとまず買い安心感が広がり易くなるのではとみています。
但し、企業の試練はまだ終わっていないとみています。「資産(ストック)」が傷つくのはこれからとみられるためです。経済活動の停滞等により資産の減損や除却等を今後強いられバランスシートの質が低下、格下げリスクに直面する企業も増えるだろうとみています(上図)。
米国を皮切りに今週以降本格化する1-3月期企業決算、収益と共に経営者の声には特に注目しています。多くは語らないでしょうが、先を見据え減損等身を削る決断をする体力ある企業と、そうでない企業との間で選別が進み、株価や社債価格に反映されるとみているためです。
そして、今週はIMF(国際通貨基金)が世界経済見通しを発表(14日)、2020年の世界経済成長率は小幅マイナスになるとみています。注目は、IMFは世界景気の底入れ時期をいつとみているか?早期底入れとの見方を示せば、バランスシート政策に悩む経営者、そしてリスク資産市場にとっても朗報になるとみています。(徳岡)
今週の主要経済指標と政治スケジュール
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4/17(金) |
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注)(日)日本、(米)米国、(独)ドイツ、
(中)中国、を指します。
日程および内容は変更される可能性があります。
出所) 各種情報、Bloombergより当社経済調査室作成
注)MSCI WORLD、MSCI EM、S&P先進国REIT指数は米ドルベース。
原油は1バレル当たり、金は1オンス当たりの価格。
騰落幅、騰落率ともに2020年4月3日対比。
米欧など一部海外の株式・リート・10年国債利回りの直近値は
2020年4月9日時点。
出所) MSCI、Bloombergより当社経済調査室作成
注)上記3図の直近値は2020年4月10日時点。
米国・ドイツの株式・10年国債利回りは同年4月9日時点。
出所)Bloombergより当社経済調査室作成
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