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2022-05-26 02:03:45

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中国経済:4-6月期のGDP成長率は2%台に鈍化?!

2022/5/11
投資情報部 李 燕

上海ロックダウンの延長で2022年の中国GDP成長率予想に対し、下方修正が目立っています。中国人民銀行調査統計司の元司長である盛松成氏は4-6月期のGDP成長率は2%台に鈍化すると予想しています。今回は、中国経済の見通しと株式市場の反応、過去の経験などをご紹介します。

図表1 主な言及銘柄

銘柄 株価(5/10) 52週高値 52週安値
iS MSCIチャイナ(02801) 20.12香港ドル 35.84香港ドル 18.36香港ドル
ハンセンH株指数(02828) 67.36香港ドル 112.25香港ドル 61.32香港ドル
Tracker Fund香港(02800) 19.72香港ドル 29.82香港ドル 18.44香港ドル
iS FTSE A50(02823) 14.43香港ドル 21.60香港ドル 14.02香港ドル
iS CSI300(02846) 29.72香港ドル 43.00香港ドル 29.00香港ドル
  • ※BloombergデータをもとにSBI証券が作成

1 上海ロックダウンの延長で、中国のGDP成長率の下方修正が目立つ

上海ロックダウンの延長、ウクライナ危機の長期化、米国のインフレ高進などを背景に、中国および世界経済の減速懸念が高まっています。5/9に発表された中国の貿易統計はその懸念を強めるものとなりました。

4月の中国の輸出は前年同月比3.9%増となり、市場予想の2.7%増を小幅に上回ったものの、3月の同14.7%増からは大幅な落ち込みとなりました。外需の鈍化に加え、上海ロックダウンによるコンテナ物流の混乱が響いた可能性があります。他方、内需も上海ロックダウンによる影響が示唆されました。4月の輸入は前年同月比でほぼ横ばいとなり、市場予想の同3.0%減を上回ったものの、低迷が続きました。年初来の推移を確認してみると、輸出入ともに伸び率が鈍化しました。

図表2 中国の輸出入の推移(前年同月比、%)

※BloombergデータをもとにSBI証券が作成

5/9に中国の貿易統計が発表されてから、エコノミストによる2022年の中国GDP成長率予想は下方修正されました(図表3)。下方修正自体は、ロシアがウクライナへの侵攻を開始してから続いています。ウクライナ危機の長期化による欧州および世界経済への影響に加え、米中対立に対する懸念も背景にあると思われます。4月に入ってから一段と下方修正が進んだ要因は、タイミングを鑑みると上海ロックダウンの延長と中国の利下げ見送りが考えられます。

図表3 2022年の中国GDP成長率:市場予想と中国政府の目標水準(前年比、%)

※Bloombergおよび各種資料をもとにSBI証券が作成

ウクライナ危機の長期化による世界経済見通し(中国にとっては外需)に不透明感が増すなか、内需が景気の下支え役として期待されています。しかし、中国当局は内需の抑制につながるロックダウンを堅持しています。他方、2022年のGDP成長率目標を前年比5.5%前後と設定しています。それに対し、5/10時点の市場予想は4.82%となっています。したがって、現状のままだと5.5%の目標達成は不可能とみているエコノミストが多いです。

それに対し中国当局はどうみているでしょうか。おおむね中国当局に近い見解として、中国人民銀行調査統計司の元司長である盛松成氏の予想をご紹介します。同氏はロックダウンの影響に関し、主に4-6月期の中国経済に大きな影響を与えるとみています。メインシナリオとして、4-6月期の中国GDP成長率は前年同期比2.1%前後になると予想しています。ただし、7-12月期は1-6月期から回復するだろうとしました。新型コロナの感染者数が少ない地域で政策(景気支援策)を先に実施することが可能だとしました。また、積極的な財政政策とそれに合わせた金融政策を実施することを、下期の景気回復の前提条件に挙げました。

このようにみると、中国当局は4-6月期の景気鈍化は「覚悟」しているようです。ただし、下期の景気回復に向けて支援策を打ち出す可能性があります。事実、3月中旬と4月末に中国当局の関連部門が相次いで経済支援を表明しました。

2 過去の経験と株式市場の反応

過去の経済からすると、ある程度の景気鈍化が続いた場合、中国当局は財政支援策と金融緩和を実施しました(図表4)。たとえば、直近ですと2020年3月に新型コロナの感染急拡大を受け、武漢を中心にロックダウンが実施された時です。もう少し遡ると、2015-2016年に中国経済が急速に鈍化した時期です。当時は中国不動産バブルの崩壊やハードランディングに対する議論がさかんに行われました。習近平・国家主席が「中国経済はニューノーマル(新常態)に入った、ハードランディングはない」との見解を示したほどでした。それよりさらに遡ると、2008年の世界金融危機の時となります。当時中国は4兆元の大規模な景気対策を打ち出しました。輸出入の動向を確認してみると、景気支援策は貿易の回復につながったといえそうです。

図表4 中国の輸出入の推移(前年同月比、%)と主な出来事

※Bloombergおよび各種資料をもとにSBI証券が作成

先進国を筆頭に世界主要株価指数がそろって年初来安値を更新した(5/10まで)なか、上海総合指数やハンセン指数が持ちこたえているのは、中国の景気支援策に対する根強い期待が背景にあります。他方、中国当局が景気支援策を実施したとしても、2008年の4兆元の景気支援策ほどの規模にはならない可能性が高いと想定されます。図表4の①以降に実施された②と③の景気支援策の規模はいずれも①を下回りました。

2008年の4兆元の大規模景気支援策で中国経済は急回復したものの、その後は長い間、デレバレッジに苦しみました。実際、2020年末から実施した不動産抑制措置もデレバレッジの延長戦だったといえます。ただし、2015-2016年にデレバレッジの影響で中国経済にハードランディング懸念が生じた際、中国当局は不動産市場に対する抑制を緩めました。

不動産市場に対する政策転換は既に2021年末から始まっています。ただし、その効果は今のところ限定的のようです。ロックダウンの影響もあり、足元では不動産販売の鈍化は続いています。したがって、中国当局は2008年の4兆元の大規模景気支援策には程遠いとしても、2022年のGDP成長率目標を達成するために不動産以外の分野で景気支援策を打ち出す必要があります。

株式市場の動向

株式市場にとってみれば、中国当局がいつ、どのような支援策を発表するのかが気がかり材料となります。これに関して現時点では必ずしも明確ではありません。中国当局が再びインフレ建設や不動産投資に頼らざるを得ないとする見方もあれば、消費刺激の一環として電気自動車(EV)に対する販売促進措置を打ち出す可能性があるとも報じられています。そのようなニュースが出るたびに、関連銘柄は買われましたが、一本調子の上昇とはならず、すぐ利益確定売りに押されました。

背景としては、主に以下の要因が考えられます。
1)ウクライナ危機の長期化や米中対立懸念、インフレ抑制に向けた欧米の金融引き締めなどで世界経済のスタグフレーション懸念が意識されるなか、投資家のリスク志向は低下しています。「噂で買うより、事実で買いたい」と思う投資家も多いようです。つまり、景気支援策をめぐっては中国当局の意思表明や観測ニュースだけではなく、具体策の発表と実施を確認したいと考える投資家が多いようです。

2)上海のロックダウンが予想外に長引き、サプライチェーンの混乱が一段と悪化しているなか、投資家は支援策の実施がどこまで可能か、不安に思っているようです。たとえば、ロックダウン下でのインフラ建設はどこまで進められるかなどです。これに対しては、前述の盛氏の見方が少し参考になると思います。同氏は「新型コロナの感染者数が少ない地域で政策(景気支援策)を先に実施することが可能だ」としています。つまり、中国全土一斉で景気支援策を実施する必要はなく、先行する地域が出てくる可能性がありそうです。

3)ロックダウンをめぐっては、中国当局と市場との間に認識のギャップがあると考えられます。中国当局はロックダウンの実施で死亡者数を抑えることに大きな意義があり、ある程度の景気減速はやむを得ないとみているようです。一方、市場ではウィズコロナの方が経済にとってプラスに働くことから、ロックダウンをやめるべきとの見方が多いようです。

以上を踏まえると、中国当局による具体的な景気支援策の発表や上海ロックダウンの解除、米中対立懸念の後退などが投資家の買い安心感につながりそうです。たとえば、5/11前場に上海総合指数やハンセン指数は逆行高となりました。主な要因は、以下の2つと考えられます。

1)上海市政府が8つの地区で「ゼロコロナ」を達成したと発表しました。市全体の新型コロナの感染者数も5/10は前日の半分に減少し、早期のロックダウン解除に対する期待につながりました。

2)米バイデン大統領は5/10に、「インフレ抑制に向け輸入関税率引き下げの是非について大統領顧問らと検討を進めている」ことを明らかにしました。対中関税が対象となるかどうかは不明ですが、米国が対中関税を見直す可能性もあることが示唆されました。(米中対立リスクがより強く意識されやすいハンセンテック指数は5/11前場にハンセン指数を上回る上昇率となりました。)

上記のいずれも不確実性が存在しており、中国株主要指数がさらに反発するためにはさらなる確実な材料が必要といえそうです。ただし、世界主要国の取り得る政策を考える際、主要先進国よりも中国の方が政策の余地(金融緩和や財政出動)が大きく、この点は中国株を下支えするだろうと考えられます。

  • ※本ページでご紹介する個別銘柄及び各情報は、投資の勧誘や個別銘柄の売買を推奨するものではありません。

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