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SPACの人気離散は投資のチャンスとなるか!?今年上場の主要銘柄と今後の上場予定銘柄

2021/12/29
投資情報部 榮 聡

SPAC指数のパフォーマンスは低調で市場の人気は離散しています。ただ、11月以降の下落に関してはテクニカルな要因も大きいと見られ、投資のチャンスを提供している可能性もあるでしょう。SPACの新規上場は引き続き増加しており、買収ターゲットを探しているSPACは高水準のため、来年はSPACを通じた上場が増えそうです。

図表1 注目銘柄

銘柄 株価(12/28) 52週高値 52週安値
ルシード グループ A(LCID) 36.98ドル 64.86ドル 10.00ドル
グラブ ホールディングス A(GRAB) 6.98ドル 18.11ドル 5.91ドル
ギンコ バイオワークス ホールディングス A(DNA) 9.15ドル 15.86ドル 7.91ドル
オーロラ イノベーション A(AUR) 11.64ドル 17.77ドル 9.50ドル
チャージポイント ホールディングス(CHPT) 18.68ドル 49.09ドル 17.60ドル
マターポート A(MTTR) 22.28ドル 37.60ドル 10.45ドル
  • ※BloombergデータをもとにSBI証券が作成

1SPACの人気離散は投資のチャンスとなるか!?

今回は米国の特別買収目的会社のSPACを取り上げます。

SPACについては2021年1月13日付の外国株式特集レポート、SPAC特集!「SECによる解説」「企業結合までのケーススタディ」「SPACを通じて上場してきた企業」で取り上げました。

SPACの仕組みについては、このレポートを参照ください。そこから1年近くが経過して、その後のフォローアップとなります。

SPACの人気は離散気味

SPACは2020年の後半にブームと言えるような盛りあがりを見せて、SPAC銘柄を組み入れた株価指数は大幅な上昇となりました(図表2)。しかし、2021年2月下旬をピークに3月半ばにかけて急落し、その後もS&P500指数が上昇基調を続ける中でも低調に推移しました。

さらに、11月上旬にFOMCで「テーパリング」の前倒しが決まってからは、“超金余りの終焉”の始まりが意識されたと見え、利益が出ていない企業、事業コンセプトだけで売上が立っていない企業への目が厳しくなりました。中小型株、IPO銘柄、SPAC銘柄などにこのようなものが多く、人気が離散しました。

さらに12月に入ってからは、含み損となっている銘柄には節税のための損出しの売りが出た模様で、一段安となりました。米国市場は大型株中心のS&P500指数は最高値の更新が続いているため、市場の人気は離散していると言えるでしょう。

人気の離散は投資のチャンスかも!?

一方で、SPAC銘柄にもルシード グループ A(LCID)のように時価総額が620億ドルまで大きくなり、リビアン オートモーティブ(RIVN)とともに新興EVメーカーとして市場の注目を集めているケースがあります。また、大型のIPOになると注目されていた東南アジアの配車アプリグラブ ホールディングス A(GRAB)がSPACを通じて上場するなど、SPAC市場への注目は枯れきってはいないようです。

11月以降の株価下落については、テクニカルな要因もかなり作用しているとみられ、事業の素質が良く、業績も好調に推移しているものについては、投資のチャンスとなっている可能性もありそうです。

合併先を探しているSPACの数は高水準

また、現時点で合併先を探しているSPACが非常に多くなっているため、来年はSPACを通じて上場してくる企業が増えそうです。

SPACに関する情報を提供しているWEBサイト「SPAC Research」の集計によると、12/23(木)時点で合併先企業を探しているSPACは695社あり、信託されている資金は1,889億ドル(約21兆円)の巨額に達します。

SPACは通常、上場から企業結合完了までの期間を2年と定めます。SPACのIPOが2020年、2021年に急拡大したため、上場の期限が2022年、2023年に到来するものが多いと考えられます(図表3)。

このため、来年はSPACを通じた上場企業が増えると予想されるため、企業結合のニュースには目を配っておく必要があるでしょう。

図表2 SPAC(特別買収目的会社)銘柄が組み入れられた指数の推移

  • 注:IPOX SPAC Indexによります。
  • ※BloombergデータをもとにSBI証券が作成

図表3 SPAC(特別買収目的会社)のIPOによる資金調達額

  • ※SPAC Research社の公表データをもとにSBI証券が作成

2今年SPACを通じて上場してきた主要銘柄

2021年に企業結合が決まってSPACを通じて上場した企業190社のうち、12/23(木)時点の時価総額が50億ドル以上の銘柄を図表4にリストアップしています。ここから、時価総額が大きいもの、事業内容が興味深いものを選んで以下にご紹介いたします。

ルシード グループ A(LCID)

新興EVメーカーの一角として注目を集める

テスラの「モデルS」開発を手がけたピーター・ローリンソン氏が2007年に設立したEVメーカー。高級セダンの「Lucid Air」が主力車種で、テスラの「モデルS」を上回るバッテリー効率の高さに強みがあるとされます。「Lucid Air」の量産は2021年9月に開始され、11月15日時点で1.7万台以上の受注残を保有します。工場建設の第2段階が始まっており、2.85百万平方フィートが拡張される見込みで、2022年の生産台数は2万台に増やす意向です。

7-9月期は、まだ量産の準備段階にあるため、意味のある売上は立っていません。SPACとの合併によって48億ドルの手元流動性を確保しています。2022年の売上は20.7億ドル、純利益は18.5億ドルの赤字の予想です。

グラブ ホールディングス A(GRAB)

東南アジアの宅配、配車サービス

東南アジアで食事の宅配や配車サービスを提供する企業です。これらビジネスはネットを通じますが、物理的な事業展開も必要なため、各地域で成長企業が存在できるとみられ、東南アジアでそのポジションを獲得しつつある同社の成長性は高いと考えられます。既存事業をテコに、Eウォレットや金融サービスのスーパーアプリにも展開しようとしています。東南アジア市場での同分野のライバルは、ゲームプラットフォームの運営を中心とするシー(SE)やインドネシアの配車サービスおよびEコマースのGoTo(未上場)などになります。

7-9月期の業績は、新型コロナ感染拡大に伴うベトナムのロックダウンの影響で配車サービスの売上が前年同期比25%減となり、全体では同9%減でした。一方、宅配事業は同58%伸びています。調整後EBITDAは212百万ドルと前年同期比で赤字が拡大しました。

ギンコ バイオワークス ホールディングス A(DNA)

合成生物学のパイオニア

MITの科学者らによって2009年に設立された米国のバイオテクノロジー企業です。遺伝子工学を使用して、産業用途でバクテリアを生産することを専門とし、さまざまな業界の顧客向けに微生物を設計します。例えば、大麻からCBD(体の痛みを和らげ、リラックスさせてくれる成分)を生産する遺伝子を抜き出し、イースト菌に組み込むことにより、そのイースト菌を培養するだけでCBDを安価に大量生産することが可能になります。

7-9月期の業績は、売上が77.6百万ドルで前年同期比5.8倍に増加し、営業利益は前年同期の34.4百万ドルの赤字から26.7百万ドルの赤字へ縮小しました。

オーロラ イノベーション A(AUR)

ウーバーの自動車運転部門を買収

2017年に3名の現経営陣で創業して自動運転技術に取り組んでいましたが、2020年12月にウーバーの自動運転部門を買収したことにより、4年で上場にこぎつけました。主要製品の「オーロラ・ドライバー」は、ソフトウェア、ハードウェアデータサービスなどを包含するプラットフォームで、自動運転の乗用車、軽商用車、大型トラック向けに開発されています。トヨタ、ウーバー、ボルボ、フェデックス、パッカー(トラックメーカー)などと提携関係にあり、自動運転分野で世界的にも主要企業の一つです。

2020年12月期にはまだ売上は立っていない一方、研究開発費を中心とする費用が計上されて、純利益は214百万ドルの赤字です。

チャージポイント ホールディングス(CHPT)

EV充電器の専業

2007年創業のEV充電器の専業企業。ネットワーク化された電気自動車(EV)充電システムインフラストラクチャとクラウドベースのサービスを開発および販売します。北米と欧州を合わせて16.3万ヵ所の充電ポイントを展開して世界最大級の充電ネットワークとなっています。北米ではネットワーク化されたレベル2の充電施設で70%の市場シェアをもち、2位企業の7倍以上となっています。フォーチュン50企業の76%を顧客としており、5,000を超す商業およびフリート顧客をもっています。

2021年8-10月期の業績は、売上が65百万ドルで前年同期比79%増、調整後純利益が47.3百万ドルの赤字で前年同期の32.5百万ドルの赤字から拡大しました。

マターポート A(MTTR)

カメラによる撮影で「デジタルツイン」を構築

2011年に創業した3Dカメラの技術を保有する企業。同社が提供する3Dカメラやモバイルアプリ(アンドロイド向け)を利用することで現実世界の空間をデジタル情報で再現する「デジタルツイン」を構築できるプラットフォームを提供しています。建築、不動産、ホテル、保険、修繕、小売などの業界で業務の効率化のために利用されています。7-9月期のサブスクライバー数は43.9万人(前年同期比116%増)、うち有料サブスクライバーは5.4万人(同35%増)です。メタバースとの関連でも注目される技術です。同社の日本語サイトはこちらから。

7-9月期の売上は27.6百万ドルで前年同期比10%増、調整後純利益は14.0百万ドルの赤字(前年同期は1.5百万ドルの黒字)です。売上の伸びが低いのは、サブスクリプションモデルに移行中である影響があり、サブスクリプション収入は同36%増えています。赤字幅が拡大しているのは、成長のために研究開発および販売管理費に投資しているためです。

図表4 SPACを通じて上場してきた主要銘柄

銘柄(コード) 事業内容 時価総額
(億ドル)
株価騰落
(3ヵ月)
(%)
企業結合
完了日
ルシード グループ A(LCID) EVメーカー 620 48.0 7/23/2021
グラブ ホールディングス A(GRAB) 配車アプリ 275 -28.4 12/1/2021
オウルロックキャピタル(ORCC)  資産運用サービス 205 -6.2 5/19/2021
ギンコ バイオワークス ホールディングス A(DNA) 合成生物学 159 -15.3 9/17/2021
オーロラ イノベーション A(AUR) 自動運転技術開発 133 19.1 11/3/2021
ソフィ テクノロジーズ A(SOFI) 金融サービス 122 -14.5 5/28/2021
UWM ホールディングス A(UWMC) 住宅ローンサービス 102 -6.6 1/21/2021
アイロンソース A(IS) モバイルコンテンツのソフトウェア 83 -32.6 6/28/2021
CCC インテリジェント ソルーションズ(CCCS) 保険サービス? 70 0.8 8/2/2021
チャージポイント ホールディングス(CHPT) EVの充電機器 65 -4.3 2/26/2021
ウィーワーク(WE) オフィスシェア 58 -19.8 10/20/2021
マターポート A(MTTR) 3Dカメラ 56 4.3 7/22/2021
ロケット ラボ A(RKLB) 宇宙機器 54 -14.6 8/24/2021
アライト A(ALIT) ITサービス 56 -8.2 7/2/2021
アルダ メタル パッケージング(AMBP) リサイクル可能な缶、ビン 54 -11.0 8/4/2021
アライバルSA(ARVL) EVメーカー 50 -38.6 3/24/2021
  • 注:データは12/23(木)時点です。
  • ※BloombergデータをもとにSBI証券が作成

3SPACを通じた上場に向けて待機中の主要銘柄

SPACの経営陣が企業結合の意向を公表して、SPAC株主の承認を待っている段階の案件で、ターゲット企業の評価額が大きいものをいくつかご紹介いたします。

「SPAC Research」の集計によると、このような案件は12/23(木)時点で123銘柄あり、信託されている資金額は331億ドルとなっています。図表5には、評価額が大きい10銘柄をリストアップしています。

〇Polestar(ポールスター)
スウェーデンのヨーテボリを拠点とするボルボ・カーズグループ(同グループは中国のジーリーが大株主)傘下のパフォーマンスブランドです。1996年の創業で元々はレーシングチームでガソリンエンジン車を生産していましたが、2017年6月にEV(電気自動車)、ハイブリッドカーに特化することを打ち出しました。2017年にプラグインハイブリッドカーのPolestar1、2019年にEVのPolestar2を生産開始し、2022年〜2024年にEVのPolestar3〜5を順次投入する計画です。

〇eToro(イートロ)
2007年にイスラエルで設立されたソーシャル・トレーディングのプラットフォームを提供する会社です。ソーシャル・トレーディングは、ネットワーク内でSNS情報を共有するなどして投資家同士がつながりをもち、投資に成功している他の投資家の手法をそのまま真似したり、アドバイスを受けたりしながら投資できるサービスです。株式、為替、暗号資産などの取引サービスを提供しています。

〇Getty Images(ゲッティイメージズ)
世界で初めてオンラインによる写真のライセンスを始めた会社で、静止画、映像、マルチメディア製品、およびミュージックのライセンスビジネスをグローバルで展開する、世界最大級のデジタルコンテンツカンパニーです。45万の寄稿者、300のコンテンツパートナーと協働して、1億3,500万以上の画像を保有、100万超の顧客にサービスを提供しています。

〇Symbotic(シンボティック)
ロボットによるマテリアル・ハンドリング・ソリューションを提供する米国企業です。モバイルロボット、倉庫管理システム、倉庫やサプライチェーンの自動化ソリューションを提供します。ターゲットなどの大手小売企業を顧客とするほか、2021年7月にはウォルマートが同社の配送センター25ヵ所にサプライチェーンの自動化システムを導入すると発表しています。日本のソフトバンクグループが組成したSPACである「SVF Investment 3」との合併で上場を目指しています。

〇Circle(サークル)
デジタル通貨やブロックチェーンの技術をもつフィンテック企業です。ステーブルコインの一種であるUSDコイン(USDC)をコインベースとともに立ち上げた主要オペレーターです。USDコインは250億ドル以上が流通しており、7,850億ドル以上のオンチェーン取引が行われています。SPACによる上場のプレゼンテーションで、USDコインは現在の約7倍の1,900億ドルになると予想しています。USDコインの運営以外にも、米国で最大級のクラウド・ファンディング・プラットフォームであるSeefInvestを運営しています。

図表5 SPACを通じた上場に向けて待機中の主要銘柄

SPACの名称 ティッカー 買収のターゲット企業 公表日 合併期限 ターゲット企業
の評価額
(億ドル)
Lionheart Acquisition II LCAP MSP Recovery 7/12/2021 2/18/2022 326
Gores Guggenheim GGPI Polestar 9/27/2021 3/25/2023 200
FinTech Acq. V FTCV eToro 3/16/2021 12/8/2022 96
EJF Acquisition EJFA Pagaya Technologies 9/15/2021 3/1/2023 85
Aurora Acquisition AURC Better 5/11/2021 3/8/2023 67
Apollo Strategic Growth APSG American Express Global Business Travel 12/3/2021 10/6/2022 50
CC Neuberger II PRPB Getty Images 12/10/2021 8/4/2022 48
SVF Investment 3 SVFC Symbotic 12/13/2021 3/11/2023 48
Sports Entertainment Acquisition SEAH Super Group 4/26/2021 10/6/2022 46
Concord Acquisition CND Circle 7/8/2021 6/10/2022 45
  • 注:ターゲット企業の評価額は、株式と負債の評価額を合わせたエンタープライズバリューによります。
  • ※BloombergデータをもとにSBI証券が作成
  • ※本ページでご紹介する個別銘柄及び各情報は、投資の勧誘や個別銘柄の売買を推奨するものではありません。

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