<<1-3月期決算速報 アップル、ツイッターが不振、フェイスブックは絶好調>> 2016/04/28
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※会社資料、ブルームバーグデータをもとにSBI証券が作成
米国企業の1-3月期決算発表がピークを迎えています。決算発表企業のEPSは前年同期比8%減となる一方、事前の市場予想に対しては3%上回り、ここ数四半期のパターンを繰り返しています(4/26時点)。一方で市場の注目を集めているのは、昨年来優位が続いていたグロース銘柄に対してバリュー銘柄への物色が強まっている点です。エネルギー、素材セクターの決算で市場予想に対するプラス乖離が大きく、そのような傾向を後押ししていると見られます。
そこで今回は、市場予想からのプラス乖離が大きい銘柄に焦点を当ててバリュー銘柄を含む銘柄群を抽出し、その中から以下の5銘柄を注目銘柄としてピックアップしています。バリュー銘柄への物色シフトに対応できる銘柄と考えられます。
図表1:注目銘柄リスト
銘柄 | 株価(4/26) | 52週高値 | 52週安値 |
---|---|---|---|
ニューモント マイニング(NEM) | 31.97ドル | 32.58ドル | 15.39ドル |
ハスブロ(HAS) | 87.63ドル | 88.53ドル | 60.38ドル |
ノーフォーク サザン(NSC) | 93.05ドル | 105.62ドル | 64.51ドル |
ゼネラル モーターズ(GM) | 32.19ドル | 36.88ドル | 24.62ドル |
シャーウィン ウィリアムズ(SHW) | 300.20ドル | 309.00ドル | 218.27ドル |
- ※ブルームバーグデータをもとにSBI証券が作成
バリュー銘柄への物色シフトは定着するのか? |
米国企業の1-3月期決算発表は4/11のアルコアから始まり、4/18(月)、4/25(月)の週にピークを迎えています。
4/26(火)までに発表されたのはS&P500指数採用企業のうち185社で、これまでのところ発表企業のEPSは前年同期比8%減、着地は同4%減が見込まれており、昨年来の減益基調が続いています。
各社の決算からドル高による業績押し下げの緩和は確認されていますが、世界および米国のGDP成長率がやや下方修正となって数量面から売上の伸びが相殺されている部分もあり、ドル高修正の効果がストレートには出ていないようです。
一方、市場の関心は全体の業績動向に加え、物色動向への注目が高まっています。というのも、昨年来物色が続いていたグロース銘柄には堅調な決算でも利食いが先行する例がある一方、エネルギーや素材関連企業では大幅減益でも市場予想を上回るものには、ポジティブな反応が目立っているためです。
発表された企業の業績を業種別に集計したものが図表2ですが、エネルギー、素材、資本財・サービス、一般消費財・サービスなど景気感応度が高いセクターのEPSが市場予想を大きく上回っていることが確認できます。
また、図表3は業種指数の相対株価を昨年来アンダーパフォーム傾向にあったものと、アウトパフォーム傾向にあったものをまとめたものですが、2月に市場全体が底入れして以降、物色傾向が反転していることが確認できます。
こういったバリュー銘柄への物色は、原油価格や中国経済の動向に敏感で、これらが反転すれば、再度グロース銘柄への揺り戻しが想定されます。しかし、ここ2年近くアンダーパフォーム傾向が続いた後だけに、意外に大きい相場になる可能性もあり、注目できるでしょう。
図表2:景気敏感セクターのEPSが市場予想を大きく上回る
- 注:4/26(火)までに1-3月期決算を発表したS&P500指数採用銘柄185社の決算を業種ごとに集計したものです。成長率は前年同期との比較、乖離率は事前の市場コンセンサスとの比較。
- ※ブルームバーグデータをもとにSBI証券が作成
図表3:「グロース」から「バリュー」への物色シフトが定着?
- 注:S&P500指数の10業種のうち、ヘルスケアと通信サービスを除く8業種をグラフ化しています。
- ※ブルームバーグデータをもとにSBI証券が作成
業績の予想乖離がパフォーマンスを決める!? |
中期的な物色トレンドがバリュー銘柄に変化する可能性があるということを踏まえて、今回は1-3月期決算の市場予想からの乖離に着目して銘柄の抽出を行いました。S&P500指数の採用銘柄で4/25(月)までに決算発表を行った138社について、以下の条件でスクリーニングしました。
【スクリーニング条件】
1. 1-3月期売上の市場乖離が1%以上
2. 1-3月期EPSの市場乖離が10%以上
3. 過去4週間に通期の予想EPSが下方修正されていない
4. 予想PERが30倍以下
抽出された企業をEPSの乖離率によってランキングしたものが図表4です。前年同期比の業績動向を条件としないことで、減益見込みが多いエネルギー、素材などもリストアップされています。この中から、EPSの修正動向、株価動向等を勘案して頭(左側)に赤い星印をつけた5銘柄を注目銘柄としてご紹介しています。
金価格底入れの動きと産金コストの削減から注目できるニューモント マイニング(NEM)、映画ヒットの好影響を受けて前四半期から連続で市場予想を上回っているハスブロ(HAS)、米国の製造業の底入れの兆しから注目できるノーフォーク サザン(NSC)、業績堅調にもかかわらずPERが非常に低いゼネラル モーターズ(GM)、配当貴族指数の構成銘柄で同業の買収により更なる飛躍が期待されるシャーウィン ウィリアムズ(SHW)です。
図表4:1-3月期決算が市場予想を大きく上回った企業群
- 注:S&P500指数採用企業で4/25(月)までに決算を発表した138社が母集団です。
- ※BloombergデータをもとにSBI証券が作成
注目銘柄のポイント |
銘柄名 | 株価 (4/26) |
31.97ドル | 予想PER (倍) |
30.0 | |
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ポイント |
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銘柄名 | 株価 (4/26) |
87.24ドル | 予想PER (倍) |
21.6 | |
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ポイント |
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銘柄名 | 株価 (4/26) |
93.05ドル | 予想PER (倍) |
16.6 | |
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ポイント |
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銘柄名 | 株価 (4/26) |
32.19ドル | 予想PER (倍) |
5.7 | |
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ポイント |
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銘柄名 | 株価 (4/26) |
300.12ドル | 予想PER (倍) |
23.7 | |
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ポイント |
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- ※注目銘柄(5銘柄)の株価週足チャートは、当社のチャートツールを用いて作成(2016/4/26時点)。
- ※本ページでご紹介する個別銘柄及び各情報は、投資の勧誘や個別銘柄の売買を推奨するものではありません。