1Q(7-9月)決算速報(現地11/5引け後発表)
企業向けのデータ・センターやクラウド・コンピューティングなどのITインフラの構築を提供。特にAI向けのストレージやサーバーが大きく成長、注目を集めています。
一方、10/30に監査法人のアーンスト・アンド・ヤングが辞任。現在、米国証券取引委員会(SEC)へ年次報告書Form 10-Kが未提出の状態であり、NASDAQの上場基準へ抵触しています。今回の決算は暫定決算となります。
●暫定決算発表後の時間外取引(日本時間10:00時点):23.29ドル(-15.92%)
●売上高:59-60億ドル(予想64.7億ドル)×市場予想を大きく下回った
●調整後EPS:0.75-0.76ドル(予想0.74ドル)〇市場予想を上回った
●調整後粗利益率:13.3%(予想12.0%)〇市場予想を上回った
●10-12月期売上高見通し:55.0~61.0億ドル(予想67.9億ドル)×上限値も市場予想を大きく下回った
●10-12期調整後EPS見通し:0.56~0.65ドル(予想0.80ドル)×上限値も市場予想を大きく下回った
1Qの売上高実績値と2Qの売上高および調整後EPSの見通しが市場予想を大きく下回りました。また注目された年次報告書Form 10-Kの提出期限も明示されず、失望から引け後の取引で株価は約16%と大きく値を下げました。
引け後の時間外取引のチャート
決算のポイント
●同社の特別委員会は調査を完了、取締役会による不正行為や不正行為の証拠なしとした
●年次報告書 Form 10-K の提出時期はまだ予測できない
●NASDAQが定めるコンプライアンス達成に向けてあらゆる措置を講じる
●1Q暫定売上高は前年同期比+181%、前四半期比で12%増
●成長の原動力は直接液冷式ラック・スケールAI GPUプラットフォームで、需要は旺盛
●現金および現金同等物の合計額は約21億ドル、負債総額は約23億ドルになると予想している
経営陣の主なコメント
●当社は暫定決算についてカンファレンスコールを行う。財務結果に関する言及は暫定的なものであり、今後SEC へ提出される最終結果は変更される可能性がある
●現在の課題が浮上して以来、提出書類で強調してきたように、当社は発表済みの財務報告に自信を持っている。また、新監査法人を雇用する手続きを積極的に進めている
●今回の問題に関してエヌビディアとの関係性に影響は無いとみている
●当社とエヌビディアの関係は数十年に及ぶ。2 社間の協力関係は継続し、強化され続けている。現在、共同開発中の重要なプロジェクトが多数あり、エヌビディアから発注が減少するとは予想していない。少なくとも現時点で、状況は良好かつ前向きである
決算を受けたマーケットの反応
1Qの売上高、2Qの売上高会社見通しは市場予想を大きく下回るものだった。会社は事業の好調とエヌビディアとの良好な関係をアピールするが、一方で年次報告書Form 10-Kの提出目途、新監査法人の選定に関しては見通しが立っていない。同社の上場維持に関する見通しが、当面の投資判断の重要な鍵と言えそうだ。
Bloombergがまとめたアナリストの目標株価平均:59.82ドル
同、アナリスト・レーティング:5段階評価の3.21
同、相関チャート上位の同業はピュア・ ストレージ(PSTG)、ヒューレット パッカード・エンタープライズ(HPE)、デル テクノロジーズ(DELL)
最低投資金額:4,300円(11/5終値、1ドル152円換算)