米アップルは9月12日に新型のiPhoneを発売すると見られています。アップルの売上高においてiPhoneの売上が占める割合は大きいため、新型iPhoneの発表は業績にも関わる重要なイベントと言えるでしょう。本稿では過去にアップルが新型iPhoneを発表した日の前後のアップルの株価動向について振り返り、今年の発表における投資戦略について検討しています。
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歴代iPhone発表日
2016年3月に発表されたiPhone SEを除き、2012年以降アップルは毎年9月に新型iPhoneを発表してきました。今年は9月12日にiPhoneの新型が発表されると予想されています。アップルにとってiPhoneの売上は総売上げの半分以上を占めていますので、アップルは新型iPhoneの発表にメディアの注目を集めさせて大々的に告知したいと考えているでしょう。また、投資家にとってもアップルの業績に影響の大きい注目すべきイベントと言えます。
2012年以降の新型iPhone発表日
2012年9月12日 iPhone 5
2013年9月10日 iPhone 5s、5c
2014年9月9日 iPhone 6、6 Plus
2015年9月9日 iPhone 6s、6s Plus
(2016年3月21日 iPhone SE)
2016年9月7日 iPhone 7、7 Plus
2017年9月12日 ?
新型iPhone発表日前後のアップルの株価の動き
次に新型iPhoneの発表前後のアップルの株価の動きを見てみましょう。図は2012年以降の毎年8月から10月までの株価の推移を示したものです。各年の7月末を100として指数化しています。図中の日付は各年で新型iPhoneが発表されたアップルのイベントがあった日付を示しています。
過去の値動きを見ると、2014年や2016年の発表イベント日は短期的な相場の転換点となっていたと考えられますが、それ以外の年は明確に転換点になったとはいえなさそうです。新商品の発表イベントの開催告知は発表イベントよりも前に行われるため、開催告知の事実が明らかになった時点で発表内容はある程度株価に織り込まれていたのでしょう。とは言え、5年のうち2回は短期的な相場の転換点となっていましたので、発表イベント日は他の日に比べて短期的な相場の転換点となる可能性は高いのかもしれません。
アップルの株価(2012-2017年の8/1-10/31、7月末を100として指数化)
出所:ロイターよりeワラント証券投資情報室作成
発表イベント投資戦略
今年に関しては、図には9月5日までのデータが反映されていますが、6日から11日までの株価変動が反映されていません。過去の値動きを勘案すると次のような値動きのシナリオが想定されそうです。
シナリオA: 上昇トレンドが11日まで続いている場合、発表イベントの12日を転換点に下落トレンドが発生。
シナリオB: 6日から11日までに株価が急落した場合、発表イベントの12日を転換点に再び上昇トレンドが発生。
シナリオC: 発表イベントが相場の転換点とならない。
Aのシナリオを想定する場合、日本時間の12日までにアップルを対象とするプット型eワラントを買付け、13日から15日にかけて売却することを考えます。
参考銘柄
アップル プット 第73回(権利行使価格160ドル、満期日2018年4月11日)
アップル プット 第72回(権利行使価格140ドル、満期日2018年4月11日)
Bのシナリオを想定する場合、日本時間の12日までにアップルを対象とするコール型eワラントを買付け、13日から15日にかけて売却することを考えます。
参考銘柄
アップル コール 第87回(権利行使価格160ドル、満期日2018年2月14日)
アップル コール 第81回(権利行使価格148ドル、満期日2017年9月13日)
Cのシナリオを想定する場合、上昇トレンドが継続していればアップルを対象とするコール型eワラントを買付け、トレンドに乗ることを検討します。1回の投資期間は数日から数週間とし、利食い売りのポイントは10%〜20%ほど上昇したところ、損切りのポイントは10%ほどとします。トレンドが継続している場合は同じ方針で取引することを考えます。
参考銘柄
アップル コール 第85回(権利行使価格170ドル、満期日2017年12月13日)
アップル コール 第89回(権利行使価格180ドル、満期日2018年4月11日)
(念のため付言しますと、上記は筆者の個人的な見解であり、eワラント証券の見解ではありません。)
eワラント証券 投資情報室長 小野田 慎(おのだ まこと)
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