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「3月15日問題」の3大イベントとメインシナリオ

2017/03/06

今月15日は大きな相場イベントが集中しています。米国ではFOMCによる利上げの可能性や債務上限問題が期限を迎える点に注目が集まっています。欧州ではオランダが総選挙を実施する予定です。オランダでは反EUを掲げる政党がどこまで躍進するのかに注目が集まっています。本稿では各イベントで想定されるシナリオと投資戦略について紹介しています。

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FOMC(14〜15日)、イエレン議長の記者会見

昨年12月、米連邦準備制度理事会(FRB)は市場の予想通り、連邦公開市場委員会(FOMC)において政策金利の誘導レンジを0.25%引き上げ、0.50%〜0.75%とすることを決定しました。2015年、2016年はそれぞれ1回の利上げとなりましたが、今年の利上げのスピードはいくぶん加速すると考えられます。図1は2月28日と3月1日において金利先物取引に織り込まれている3月のFOMCにおける米国の政策金利の予想です。現在の政策金利は0.50%〜0.75%です。3月1日時点では金融市場において3月のFOMCで0.75%〜1.00%となる、つまり利上げがある確率は66.4%と徐々に上昇してきています。

図1:金利先物に織り込まれた3月のFOMC政策金利の予想

出所:CME Groupよりeワラント証券投資情報室作成

背景としては、ダラス地区連銀のカプラン総裁、ニューヨーク地区連銀のダドリー総裁、サンフランシスコ地区連銀のウィリアムズ総裁といった要人が3月のFOMCでの利上げの検討に前向きな見解を示したことが一因として考えられます。3月のFOMCは14日と15日に行われ、15日にはイエレン議長の記者会見も控えています。利上げの判断材料の一つと考えられる雇用統計は3月10日発表されることに加え、3月15日には後述の米国債務上限問題やオランダの総選挙があることから、金融市場に動揺を与える利上げは実行しにくいのではないか、という見方もできますが、市場では3月利上げの可能性を織り込み始めています。

投資戦略を考える上で前回の利上げが行われた昨年12月の前を振り返ると、イエレン議長は2016年中の利上げの意思を示していたのにも関わらず9月のFOMCで利上げを見送りました。この見送りで12月の利上げの可能性が高まったように思われましたが、9月22日時点でも市場に織り込まれた利上げ確率は51.9%でした。その後市場は12月の利上げを織り込み始め、これに伴い米ドル対円相場は上昇していきました。12月のFOMCで利上げが実施されると米ドル対円相場は逆に下落し始めています。つまり、FOMC前に市場が利上げを織り込んでいく時期においてはドル高となり、FOMC後はドル安となりました。

メインシナリオとしては、3月の利上げを徐々に市場が織り込んで行くことです。これを前提とした上で、(1)3月に市場の予想通り利上げが行われることと、(2)予想に反して利上げが行われないことの2つのサブシナリオが考えられます。前回の経験を踏まえると、日本時間の3月15日のeワラント取引終了時間の午後11時50分までは4月満期の米ドルコールの買い持ちが有効かもしれません。FOMCで利上げ又は政策金利の据え置きのどちらが発表されても米ドル対円相場は下落する可能性があります。3月15日の取引時間中に米ドルプットに乗り換えるのも一手でしょう。

米国債務上限問題の期限到来(15日)

2015年に米国が債務不履行(デフォルト)するかもしれない、という債務上限問題が発生しましたが、当時は期限付きの債務上限の引き上げを盛り込んだ予算法案が可決されました。その期限が2017年3月15日までとされています。

報道によると米行政管理予算局のマルバニー局長は、債務上限の期限が到来した後、ムニューシン財務長官が臨時の財政措置を適用するとの見解を示したとのことです。債務上限の問題に関して、トランプ政権は議会から新たな債務上限の設定か、期限の延長を承認してもらう必要があります。

メインシナリオとしては、トランプ政権と議会が協調して米国債のデフォルトを回避するというものです。2015年はオバマ政権下と共和党で意見が割れ、合意を取るのに時間がかかったことで混乱が生じました。両者に対する世論の批判は大きいものでしたので、世論の批判を避けるためにもトランプ政権と議会は協調する可能性があります。このシナリオを前提とする場合、市場に大きな変動が生じることはないでしょう。ただし、トランプ政権は議会に協力してもらうことで議会に借りを作ることになるので、トランプ政権の独自色は議会のけん制にあって薄らいでいくものと考えられます。

リスクシナリオは議会との調整に手間取り米国債のデフォルト懸念が生じることです。このシナリオの場合は、債券運用者が米国債や米ドルを売却して安全資産として円債や日本円を買う動きを伴うかもしれず、15日以降の米ドル対円相場の下落を招くことになるでしょう。米ドルのプットの買いや金のコールやプラス5倍トラッカーの買いが有効な戦略となると思われます。

オランダ総選挙(15日)

欧州で始まる総選挙の先陣となる点で注目です。極右政党の自由党(PVV)の支持率が高まっており、調査によっては政権与党の自由民主国民党(VVD)を上回るようになりました。自由党(PVV)党首のウィルダース氏は首相になればオランダでEU離脱を問う国民投票を実施すると主張しています。しかし、最近の世論調査では自由党(PVV)の支持率は伸び悩み、他の野党が支持率を伸ばしているようです。与党自由民主国民党(VVD)は労働党(PvdA)と連立を組んでいるため、政権交代の可能性は低いと思われます。

したがってメインシナリオとしては、自由党(PVV)が議席を伸ばすものの、政権奪取には至らないということです。自由党(PVV)が第一党となっても、他の有力野党は自由党(PVV)と連立政権を組むことはないと表明しているからです。リスクシナリオは自由党(PVV)が大勝し、単独で政権を握ることになることですが、その可能性は極めて低いと考えられます。

選挙が行われる3月15日は様子を見たいという投資家が一旦ユーロのポジションを外すことでユーロが一時的に下落するかもしれません。メインシナリオの通りとなればユーロが買い戻される可能性が高いことから、もし3月15日にユーロ対円相場の下落があればユーロのコールを買い、大勢が判明する日本時間の16日以降に利食い売りをするということが考えられます。

メインシナリオだけを想定するなら

以上の3つのイベントに関してメインシナリオだけを想定するならば次の投資戦略が有効かもしれません。4月12日に満期を迎える銘柄を利用し、権利行使価格についてはハイリスク・ハイリターンを希望なら相場水準に近い権利行使価格の銘柄を選択します。初心者の方でしたら、コールの権利行使価格は相場水準よりも低い銘柄、プットの権利行使価格は相場水準よりも高い銘柄を選択すると比較的リスクを抑えられるでしょう。

・FOMCまで米ドル高を想定して米ドルコールを買い持ちし、3月15日までに売却する。
・FOMC後の米ドル安を想定して米ドルプットを3月15日に買い、3月16日以降に売却する。
・ユーロが下落すれば3月15日にユーロのコールを買い、3月16日以降に売却する。


もしシナリオ投資が面倒に感じたり、相場を見続けることが難しい場合は比較的実行しやすい両建て戦略も検討してみてはいかがでしょうか。相場がどちらか一方に大きく振れることを想定しているなら、4月12日に満期を迎える銘柄のうち、権利行使価格が相場水準に近いコールとプットをほぼ等金額になるように両方買い付けます。米ドルと日経平均を対象としたeワラントであれば権利行使価格の選択肢が多く、相場水準に近い権利行使価格の銘柄を利用できる可能性があります。なお、両建て戦略は相場が予想に反して大きく動かない場合に損失となります。

・13日の週に米ドルコールと米ドルプットを両方買い、3月16日または3月17日に売却する。
・13日の週に日経平均コールと米ドルプットを両方買い、3月16日または3月17日に売却する。

(念のため付言しますと、上記は筆者の個人的な見解であり、eワラント証券の見解ではありません。)

eワラント証券 投資情報室長 小野田 慎(おのだ まこと)

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商号等 / eワラント証券株式会社
金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第2526号
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