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≪波乱続く株式市場≫「インフレ」「金利上昇」は長期化するのか?その場合の投資対象は?

2022/1/21
投資情報部 鈴木英之

株価は世界的に波乱の展開です。日経平均株価は昨年8/20(金)以来の安値水準まで下げてきました。当面は金利上昇やインフレ進行を前提とした銘柄への投資を増やす方が賢明かもしれません。

今回の「日本株投資戦略」では、「金利上昇」・「インフレ」という投資環境について整理してご説明するとともに、それが長期化した場合、株価上昇期待の大きい銘柄を改めてご紹介したいと思います。


当ページの内容につきましては、SBI証券 投資情報部長 鈴木による動画での詳しい解説も行っております。ぜひ、ご視聴ください。

日本株投資戦略新しいウィンドウで開きます。※YouTubeに遷移します。

執筆者のプロフィール
SBI証券 投資情報部長 鈴木 英之
・出身 東京(下町)生まれ埼玉育ち
・趣味 ハロプロ(牧野真莉愛推し)の応援と旅行(乗り鉄)
・特技 どこでもいつでも寝れます
・好きな食べ物 サイゼリヤのごはん
・よくいくところ 京都
ラジオNIKKEI(月曜日)、中部経済新聞(水曜日)、ストックボイス(木曜日)、ダイヤモンドZAIなど、定期的寄稿も多数。

1「インフレ」「金利上昇」は長期化する可能性も

世界的にインフレが進展しています。1/12(水)に発表された12月の米CPI(消費者物価指数)は、前年同月比7.0%上昇。上昇率は1982年6月の7.1%以来、39年6ヵ月ぶりの高さとなりました。世界的な商品市況の値動きを示すCRB指数も上昇基調で、約7年ぶりの高値水準です。こうした中、インフレ進行に歯止めをかけるべく、世界の中央銀行が金融政策の転換を試み始めています。FRB(米連邦準備制度理事会)は本年3月までに量的緩和(QE)を終わらせ、その後は政策金利の引き上げ、さらには資産の縮小(QT)に移っていくとの見方が支配的になっています。

新型コロナウイルスは、新たな変異株である「オミクロン株」への置き換わりにより、再び感染が拡大しています。企業が生産や物流にたずさわる人手を確保することは難しく、供給不足は長期化の様相を呈しています。ここにきて、自動車最大手のトヨタ(7203)も、工場の一部停止に追い込まれています。また、世界的に脱炭素への動きが進み、石油や石炭、天然ガス等の生産設備等に対する企業の投資マインドが冷え込んでいます。そのため、化石燃料の生産能力はあまり増えていないとみられ、資源・エネルギー分野の市況上昇も長期化しやすくなっています。どうやら、金利上昇・インフレは長続きするかもしれません。

こうした流れを嫌気し、株価は世界的に波乱の展開です。日経平均株価は昨年8/20(金)以来の安値水準まで下げてきました。当面は金利上昇やインフレ進行を前提とした銘柄への投資を増やす方が賢明かもしれません。

金利上昇(象徴として米10年国債利回り)に強い銘柄としては、保険や銀行などの金融株が代表的と考えられます。ネットキャッシュ比率が高く、財務体質が堅固な銘柄も投資対象となりそうです。また金利上昇時の有力銘柄のタイプとしてはPERやPBRが低く、あるいは予想配当利回りが高い「バリュー株」が選好されやすく、逆にPERやPBRが高い「グロース株」は売られやすいという傾向があります。指数でいえば、NYダウやTOPIXは相対的に買われやすく、ナスダックや東証マザーズ指数は相対的に上がりにくいと考えられます。

このような金利上昇に加え、インフレに強い銘柄はどのような銘柄でしょうか。図表1では、米長期金利の上昇に加え、CRB指数(商品価格の変動を示す代表的な指標)やWTI先物との相関関係が強い銘柄を紹介しました。時価総額1,000億円以上の東証1部銘柄を母集団とし、過去10年の月足データをベースに計算。相関係数が対CRB指数、WTI先物、米10年国債利回りのすべてに対して、0.4以上の値を取っている銘柄を掲載しました。

なお、ここで強調したいのは、インフレ懸念で上昇しやすい銘柄は、今回紹介する銘柄だけではないという点です。日経平均株価やTOPIXもCRB指数との相関化係数は0.3以上と計算されています。市場が「金利上昇」「インフレ」という新しい環境に慣れてくれば、株価全体も上昇局面に戻ると「日本株投資戦略」では、考えています。

図表1 CRB指数、原油先物、米10年国債利回りの上昇に強いとみられる銘柄

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コード 銘柄名 終値(1/20) 銘柄概要
1605 1605 1605 1605 INPEX 1,118 石油・天然ガスを開発。原油は中東、天然ガスは豪州が主力に。
8031 8031 8031 8031 三井物産 2,860.5 資源・エネルギーの上流権益に強みの総合商社。原油・ガスで国内首位。
8053 8053 8053 8053 住友商事 1,746.5 北米鋼管事業に強い総合商社。幅広い分野で収益を計上。
8002 8002 8002 8002 丸紅 1,163.5 バランスの取れた事業展開が強みの総合商社。食料、アグリの構成比が高い。
5020 5020 5020 5020 ENEOSホールディングス 458.3 売上構成比(前期)はエネルギー78%、金属14%。石油元売りでは首位。
6361 6361 6361 6361 荏原製作所 5,960 累計で1,800万台のポンプを生産。建設向けの他、石油・ガス、電力向けも多い。
1662 1662 1662 1662 石油資源開発 2,742 国内外で石油・天然ガスの探鉱から開発、生産、輸送、販売まで手掛ける。
5401 5401 5401 5401 日本製鉄 1,931.5 国内首位の高炉メーカーで、世界的にもトップ級。国内外の企業と提携や合併。
7013 7013 7013 7013 IHI 2,346 航空エンジンで国内トップの総合重機大手。火力発電用ボイラ等にも展開。
8058 8058 8058 8058 三菱商事 3,891 石炭、銅、液化天然ガスなどの上流権益を保有。ローソンは子会社。
1963 1963 1963 1963 日揮ホールディングス 1,072 国内最大手のエンジニアリング会社。エネルギー分野のプラント等を設計、調達、建設。
4182 4182 4182 4182 三菱瓦斯化学 2,152 化学メーカー。メタノールやキシレン、半導体パッケージ材料など幅広い。
  • ※Bloombergデータ、各種資料をもとにSBI証券が作成。
  • ※この表のデータは過去の実績を示したもので、将来を示唆するものではありません。

図表2 「図表1」の銘柄の主要指標

コード 銘柄名 終値(1/20) 相関係数対CRB指数 相関係数対WTI先物 相関係数対米長期金利 予想PER 予想配当利回り 予想PBR
1605 INPEX 1,118 0.578 0.531 0.556 8.46 3.70% 0.56
8031 三井物産 2,860.5 0.540 0.479 0.537 6.49 3.39% 0.91
8053 住友商事 1,746.5 0.484 0.415 0.513 6.03 4.88% 0.78
5020 ENEOSホールディングス 458.3 0.454 0.427 0.523 4.78 4.91% 0.58
6361 荏原製作所 5,960 0.444 0.421 0.492 14.74 2.31% 1.74
1662 石油資源開発 2,742 0.440 0.422 0.457 - 1.82% 0.47
5401 日本製鉄 1,931.5 0.438 0.400 0.589 3.50 7.44% 0.57
7013 IHI 2,346 0.434 0.408 0.406 8.89 2.66% 1.05
8058 三菱商事 3,891 0.426 0.410 0.532 7.56 3.71% 0.93
1963 日揮ホールディングス 1,072 0.415 0.433 0.491 - 1.40% 0.73
4182 三菱瓦斯化学 2,152 0.412 0.463 0.410 8.45 3.72% 0.80
  • ※BloombergデータをもとにSBI証券が作成。予想はBloombergが集計した市場コンセンサス
  • ※相関係数は-1以上+1以下の値を取り、+1に近いほど同じ方向に動きやすいことを示します。相関係数は2022/1/12までの10年間の月足データから計算しました。
  • ※掲載はCRB指数への相関係数が高い順です。
  • ※石油資源開発(1662)と日揮ホールディングス(1963)は今期、特損計上、最終赤字が見込まれ、予想PERを計算できないため「-」で表示されています。
  • ※この表のデータは過去の実績を示したもので、将来を示唆するものではありません。

2掲載銘柄の投資ポイント

この項では、図表1で抽出した銘柄について、投資ポイントなどをご紹介します。

INPEX(1605)〜「インフレ」は追い風、「脱炭素」は逆風?

  • 期間:2021/7/28〜2022/1/21(日足)
  • ※当社チャートツールを用いてSBI証券が作成。
  • ※上記は過去の実績であり、将来の運用成果を保証または示唆するものではありません。

■原油、天然ガスの開発専業

原油・天然ガスの開発専業。資源開発としては国内最大手。原油・天然ガス生産では世界中堅クラスです。

2006年4月に国際石油開発と帝国石油による共同持株会社「国際石油開発帝石ホールディングス」として設立されました。2008年10月には傘下の国際石油開発、帝国石油を吸収合併。2021年に商号を国際石油開発帝石から現社名へ変更し、現在に至ります。

権益取得から、探鉱、生産、製品販売に至るまでグローバル規模でエネルギー供給を担っています。新規開発に積極的です。筆頭株主は経済産業大臣で国策会社としての側面があります。

売上構成比(2020/12期)は原油66%、天然ガス32%。原油は連結子会社が手掛けるアラブ首長国連邦の海上油田が主力。天然ガスでは、豪州での生産が2019年にスタートしています。

■「インフレ」に強そう。反面、「脱炭素」は逆風になりそう

2021年12月期第3四半期累計(2021年1〜9月)の連結業績は、売上高が8,492億円(前年同期比43.3%増)、営業利益が4,024億円(同2.1倍)、最終損益が1,377億円の黒字(前年同期は1,254億円の赤字)となりました。

原油価格の上昇が寄与しました。市況(ブレント)は平均1バレル=67.97ドルと会社前提(前年同期は42.53ドル)で推移しました。2021年12月期の連結業績予想(会社予想)は、売上高を1兆1,340億円から1兆2,200億円(前期比58.2%増)に、営業利益を5,130億円から5,880億円(同2.4倍)に、最終損益を1,700億円の黒字から1,850億円の黒字(前期は1,117億円の赤字)に引き上げました。年間配当予想は40円(前期は24円)を据え置きました。

当社株はインフレ関連指標や米長期金利との相関係数が強く、「インフレ」には強そうです。図表2に示したように、典型的なバリュー株であることも、現在の相場環境では追い風になりそうです。一方、「脱炭素」が重視される流れは逆風になりそうです。

三井物産(8031)〜三井グループの中核的企業

  • 期間:2021/7/28〜2022/1/21(日足)
  • ※当社チャートツールを用いてSBI証券が作成。
  • ※上記は過去の実績であり、将来の運用成果を保証または示唆するものではありません。

■資源・エネルギー等の権益に強い大手総合商社

当社は大手総合商社で三井グループの中核的企業です。金属資源(前期売上構成17%)、エネルギー(同10%)、鉄鋼製品(同5%)、機械・インフラ(同10%)、化学品(同24%)、生活産業(病院・ヘルスケア他、同30%)の各分野において、全世界に広がる営業拠点とネットワーク、情報力などを活用。多種多様な商品販売とそれを支えるロジスティクス、ファイナンス、さらには国際的なプロジェクト案件の構築など、各種事業を多角的に展開しています。

資源やエネルギーなど上流権益に強く、鉄鉱石、原油・ガスでは国内首位となっています。鉄鉱石事業では豪州において、リオ・テントおよびBHPビリトン等と事業を拡大しています。

2022年3月期第2四半期累計(21年4〜9月)の連結業績(IFRS)は、収益5兆4,162億円(前年同期比46.2%増)、純利益4,046億円(同3.7倍)でした。金属資源をはじめ、生活産業、機械・インフラ、鉄鋼製品、化学品他が増益でした。22年3月期(通期)の連結業績予想は純利益7,200億円(前期比2.1倍)。第2四半期決算発表時に従来予想の6,400億円から引き上げられました。


■総合商社の中でも「インフレ」「金利上昇」への強さは最右翼?

上記したように、事業内容面で資源・エネルギーに強いためか、CRB指数との相関係数は総合商社の中で最も高く、それのみならず、原油や米長期金利との相関係数も、他の総合商社に比べても高いです。

今期市場予想PER(1/20現在)は6.49倍、予想PBR(同)は0.91倍、市場予想配当利回り(同)は3.39%で、典型的なバリュー銘柄でもあります。ただ、予想配当利回りは住友商事の4.88%に比べると低いです。投資家が重視する投資指標により、投資先が変わってもよいと考えます。

株価的には昨年末以降上昇相場が続いており、そのトレンドは維持されているように思われます。

三菱瓦斯化学(4182)〜脱炭素や半導体市場の拡大も追い風か

  • 期間:2021/7/28〜2022/1/21(日足)
  • ※当社チャートツールを用いてSBI証券が作成。
  • ※上記は過去の実績であり、将来の運用成果を保証または示唆するものではありません。

■川上から川下まで幅広く展開〜半導体材料に注目

当社は大手化学メーカーで、暮らしに密着したメタノール、アンモニア等の基礎化学品から高機能な機能化学品まで幅広く展開。世界にグループ会社147社を抱え、海外売上高が59%(前期)に達するグローバル企業です。

このうちメタノールについては、当社が「世界で唯一のメタノール総合メーカー」で、天然ガスを原料に製造し、そこからプラスチック、合成繊維、接着剤等多種多様な製品を生産しています。二酸化炭素からメタノールを生産する技術を持ち、環境保全への貢献も目指しています。

機能化学品の中では、BT(ビスマレイミド・トリアジン)樹脂が注目されます。耐熱性や電気特性に優れた材料で、半導体パッケージに材料面で革新的な変化をもたらしました。今後は半導体市場の成長に加え、パッケージ基板の高機能化や構造変化等もあり、成長の持続が期待されています。

この他、MXナイロン、光学樹脂ポリマー、MXDA(メタキシレンジアミン)、脱酸素剤等、多くの世界シェア1位製品を有していることが、当社の強みになっています。

■業績予想を上方修正。財務体質も堅固

当社は2021/11/5(金)に2022/3期・第2四半期(累計)決算を発表。売上高3,358億円(前年同期比26.0%増)、経常利益387億円(同134.3%増)となりました。メタノールの市況上昇や、半導体向けBT樹脂の好調などが追い風になりました。好調な上半期決算を受け、通期の会社計画売上高は6,600億円から6,900億円(前期比15.8%増)に、経常利益は610億円から680億円に上方修正されました。

今期第2四半期末の自己資本比率は63.3%で好財務体質。有利子負債は891億円ですが、現預金884億円を保有する上、流動比率(流動資産が流動負債の何%かを示す)も245%あり、金利上昇に強い財務体質と言えそうです。

1/20(木)現在、市場予想EPSを基準とした予想PERは8.45倍、予想PBRは0.8倍弱、予想配当利回りも3.72%となっており、典型的なバリュー株と考えられます。テクニカル的には75日移動平均線を突破し、新たにそこが下値支持ラインになっています。また、下から上昇している25日移動平均線は次の下値抵抗ラインになりそうです。

  • ※本ページでご紹介する個別銘柄及び各情報は、投資の勧誘や個別銘柄の売買を推奨するものではありません。
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