今週の株式見通し(2025/4/21~4/25)
今週(2025/4/21-4/25)の日経平均株価の予想レンジは33,000円-36,000円。東京株式市場は底堅い展開が予想される。週初は材料難の中で先週末の反動安が予想されるが、週間を通じては極端な円高進行を回避できれば押し目買い優勢か。4/21-4/26に行われる国際通貨基金(IMF)・世界銀行年次総会の春季会合で訪米する加藤財務相とベッセント米財務長官の協議が次の注目点になりそうだ。加藤氏は4/22に訪米し、米国時間の4/24に財務長官と会談を行い為替についても話し合われる予定。G20財務大臣・中央銀行総裁会議においては米国の関税政策を巡って世界経済に与える影響についての意見が数多く予想されるが、為替市場の反応を含め日本株の地合い改善のイベントになるかが焦点となる。
一方、トランプ関税が米国のリセッション懸念を高め、トリプル安を再び引き起こす懸念材料は残る。先週はパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長、ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁が関税による景気停滞懸念を表明した。トランプ政権がFRB議長解任にまで及びそうなことも警戒要因となる。法律上解任は不可能であるという見解ではあるが、このところの市場の落ち着きはFRB高官などによる発言が支えになった側面も強く、引き続き神経質なヘッドラインになるだろう。
国内では決算発表がスタートし、米国では決算発表が本格化する。「トランプ・リスク」はくすぶり続けるものの、個別重視の様相が強まる場面も増えそうだ。日本企業の本決算に関しては、見通しを保守的、もしくは非開示とする企業が多くなる可能性はあるが、今の環境ではある程度織り込み。ガイダンスなどで強く買われる銘柄も多くなる可能性もあり、ある程度のボラティリティは許容される公算が大きい。
米国では、テスラやロッキード・マーチン、IBM、ボーイング、インテルなど注目企業の決算発表が予定されている。
日経平均株価(図表1)は緩やかながらも戻り歩調が続いている。4/18は一時マイナスになる場面もあったが、上昇基調にある5日移動平均線(34,255円 4/18)を下値で意識して底堅く推移した。
4/10の大陽線形成時の高値(34,639円)も上回っており、4/7安値(30,792円)を起点とした目先波動は上昇継続の見方となる。10日移動平均線(33,533円 同)が上昇に転じており、今週は25日移動平均線(35,475円 同)や3/11安値(35,987円)のフシまで上値を拡大できるかが焦点となる。
上値メドは、心理的節目の35,000円、4/2安値(35,426円)や25日移動平均線、心理的節目の36,000円、3/28安値(36,864円)、心理的節目の37,000円などがある。下値メドは、10日移動平均線、心理的節目の33,000円、心理的節目の32,000円、4/9安値(31,258円)、4/7安値(30,792円)などがある。
図表1:日経平均株価の日足チャート(2024/6/3-2025/4/21)

- 出所:QUICKよりDZHフィナンシャルリサーチが作成
主要な国内経済指標の発表やイベントは、3月首都圏新築マンション発売(4/21)、2月第3次産業活動指数(4/23)、3月企業向けサービス価格指数、2年国債入札(4/24)、4月東京都区部消費者物価指数(CPI)、3月全国百貨店売上高、配当・優待権利付き最終売買日(4/25)がある。
企業決算の発表では、オービック、オービックビジネスコンサルタント、コメリ、ブロンコB、サーティワン、リアルゲイト、マクアケ(4/22)、ファナック、シマノ、キヤノンMJ、フューチャー、航空電、ジャフコG、アイチコーポ、キヤノン電子、KOA、令和AH、サイバートラスト、正興電機、FDK、TOYOイノベックス、オービーシステム、野崎印刷(4/23)、中外薬、富士通、キヤノン、ルネサス、NRI、ニデック、新電工、野村不HD、スタンレー電気、アマノ、日野自、エクセディ、東海理化、愛三工、信越ポリマー、ホギメディ、未来工業、メタウォーター、カワチ薬品、フタバ産業、不二家、SBIGアセット、ステップ、中央発條、トーメンデバイス、ジェコス、キングジム、ニッポン高度紙(4/24)、キーエンス、信越化学、第一三共、デンソー、アドバンテスト、豊田織機、野村HD、アステラス製薬、日東電、アイシン、ヒューリック、富士電機、日立建機、きんでん、山崎パン、ミスミG、トヨタ紡織、スカパーJSAT、MARUWA、ジェイテクト、富士通ゼネラル、豊田合成、日本ゼオン、相鉄HD、東京製鐵、アンリツ、三菱鉛筆、AREホールディングス(4/25)などが予定している。
海外の経済指標の発表やイベントは、国際通貨基金(IMF)・世界銀行年次総会(~4/26)(4/21)、米2年国債入札(4/22)、米3月新築住宅販売件数、米地区連銀経済報告(ベージュブック)、G20財務大臣・中央銀行総裁会議(ワシントン ~4/24)、上海モーターショー(~5/2)、米5年国債入札(4/23)、独4月Ifo景況感指数、米3月耐久財受注、米3月中古住宅販売件数、米7年国債入札(4/24)などがある。
海外の企業決算の発表では、テスラ、スリーエム、ロッキード・マーチン、ムーディーズ(4/22)、IBM、ボーイング、フィリップモリスインターナショナル、サービスナウ、AT&T、テキサス・インスツルメンツ(4/23)、プロクター&ギャンブル、インテル、ペプシコ、サウスウェスト航空、メルク(4/24)、シュルンベルジェ、フィリプス66、アッヴィ、コルゲート・パルモリーブ(4/25)などが予定している。
今週の注目銘柄!(4/21~4/25)
銘柄 コード |
銘柄名 | 目標株価 (円) |
ロスカット株価 (円) |
注目ポイント | |||||||||
256A | 飛島ホールディングス | 2,150 | 1,575 | 土木主体の老舗ゼネコン。飛島建設の単独株式移転により、2024/10/1にプライム市場へテクニカル上場した。南海トラフ地震含め今後の災害対策強化が急務である一方、同社のPBRは0.6倍台にとどまる。内需中心で関税影響も限定的と考えられるなか、割安感の強さが魅力。地合いの悪化を受けて3月終盤から株価が大きく下げたが、4/7に1,453円の安値をつけた後はV字で回復。4/18は内需株が騰勢を強める中で同社株も大陽線を形成しており、上値を抑えられやすい25日移動平均線を突破した。オシレーター系指標に過熱感はなく、モメンタムの強さから一段の上昇を予想する。ターゲットは2,150円、ロスカットは1,575円 | |||||||||
296A | 令和アカウンティング・ホールディングス | 990 | 550 | 大企業向けの経理支援などを手掛ける。基本的に外需とは無縁の業態であり、昨今では東証や政府の主導で市場改革が進められ、ディスクロージャー関連の強化も求められている。情勢不安の中でもファンダメンタルズは良好で、その安心感からいっそう注目を集めると考える。昨年末に上場しておおよそ4カ月経過したが、人気は衰えず足元においても公開価格(360円)、初値(521円)をいずれも上回る。収益基盤がしっかりとしているためか、配当性向80%程度が基本方針。チャートはここ1カ月半程度で底入れパターンを形成。買いのタイミングと判断する。ターゲットは990円、ロスカットは550円 | |||||||||
4452 | 花王 | 6,700 | 5,700 | 日用品の国内最大手。物価高の影響が大きい業態ではあるものの、今期は営業増益を見込む。今期ガイダンス発表後のアナリスト評価も高いが、一方で株価は上値が重い。4月以降の地合い悪化による下落がきつかったものの、景気不安が強まるなかでディフェンシブ性を発揮しやすい。再評価に期待する。ここ1年の動きは方向感を欠く展開だが、下落後にスローストキャスティクスなどオシレータ指標が好転すると値幅を伴って持ち直すケースが多い。4/11安値(5,760円)を起点に再び値幅を伴うリバウンド継続を想定すると、昨年12月以降でつけてきた高値レベルの6,700円処が考えられる。相互関税を巡るパニック的な売りにも一服感が出てきたため、買いの好機と判断する。ターゲットは6,700円、ロスカットは5,700円 | |||||||||
5381 | Mipox | 650 | 390 | 半導体製造工程にも使われる研磨剤の大手。半導体関連大手の決算はまちまちだが、受託製造最大手のTSMCが強気の見通しを出したことは安心感につながる。研磨剤では、フジミインコーポレーテッドと扶桑化学工業は直近の急落時でもPBR1倍台を維持した。一方、同社株は維持できず0.65倍まで低下した場面があり、過度に売られ過ぎた。株価は4/7に391円の安値をつけたが、その後は一段安とならず底堅さが出てきている。MACD(12日)は好転しており、パラボリックも陽転が近い。下値リスク後退と判断し、見直し買いによる上昇を狙うタイミングとみる。ターゲットは650円、ロスカットは390円 | |||||||||
7564 | ワークマン | 5,150 | 4,170 | 作業服、関連用品の専門チェーン。4/1に発表された3月度の月次では既存店売上高が前年同期比2.2%増と前年実績を上回った。1月と2月は前年割れであっただけに、今回の月次はポジティブな内容。気温が上昇したことで、ワーク・カジュアルともに春夏衣料が好調に推移したとのこと。直近では寒暖差が大きくなったり、関東でゲリラ豪雨が発生したりと、春ではあるが天候は不安定。機能性の高い同社製品に対する需要増が見込まれる。株価は4月に入って強い動きをみせており、年初来高値を更新。2024年8月高値(5,030円)が視野に入った。ターゲットは5,150円、ロスカットは4,170円 |
出所:DZHフィナンシャルリサーチが作成
- 注目銘柄採用基準・・・4/18現在、プライム・スタンダード・グロース市場に上場、時価総額が50億円以上、配当利回りが1.2%以上、PERが28.0倍未満、株価が5日移動平均線を上回っている中から、業績面や成長性、話題性など総合的に考慮した上でピックアップした。
- 「目標株価(円)」・・・一目均衡表分析の値幅観測やフィボナッチ、株価の過去の節目などを基準に総合判断。
- 「ロスカット株価(円)」・・・一目均衡表や移動平均線、株価の過去の節目などを用い総合判断。

- ※本ページでご紹介する個別銘柄及び各情報は、投資の勧誘や個別銘柄の売買を推奨するものではありません。
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