2025-11-09 09:02:16

週間マーケット展望 2025/10/27

今週の展望

米政府機関閉鎖の長期化懸念が続き、10/27の米9月耐久財受注や10/31の米9月PCEコアデフレーター発表が先送りされる可能性がある状況下、10/28-29のFOMCでは0.25%利下げが確実視されています。また、10/27-29にかけてのトランプ大統領来日には、ベッセント財務長官やラトニック商務長官も同行する見通しです。10/28の米中首脳会談では、防衛費のGDP比2%前倒し要請に加え、日米関税交渉で確認された日本からの5,500億ドル規模の対米投資も議題となる見込みで、高市首相の掲げる財政拡大策に対する懸念が強まる可能性があります。こうした財政懸念が日本国債の格下げリスクを意識させる展開となれば、「悪い円安」進行も否定できません。今回の臨時国会で最大のテーマとなる「物価高対策」にも影響を及ぼしかねず、現状維持が見込まれる10/29-30の日銀金融政策決定会合では、植田総裁が次回12月の会合に向け利上げ姿勢をどの程度示すか焦点になります。その内容次第では、円安進行に歯止めを掛けるか、あるいは一段の円安を加速させるか焦点となります。

10/24にムーディーズがフランス国債を「Aa3」に据え置きつつ、見通しを「ネガティブ」に修正した点が引き続き意識され、フランス議会で予算成立が難航すれば、格下げ懸念が上値を抑える可能性があります。一方、ドイツおよびユーロ圏のPMI改善が確認されているほか、10/27発表予定のドイツIfo景況感指数が大幅な下振れとならなければ、10/22の安値1.1577ドルを下回るリスクは限定的と見られます。また、10/28-29のFOMCでの利下げ観測に対し、10/29-30のECB理事会は政策据え置きが確実視されており、下支え要因となると見込まれます。日足・雲の下限(1.1652ドル)を上抜け、10/17の1.1728ドルの回復を試す展開が想定されます。また、ユーロ円は、日米首脳会談の結果や、10/29-30の日銀金融政策決定会合で植田総裁が12月会合に向けて利上げをどの程度示唆するかが焦点となります。ドル円が155円台を目指す展開となれば、ユーロ円も10/9の177円94銭を上抜け、ユーロ発足以来の最高値に向けて一段高となるか注目されます。

通貨毎の展望を確認!

米ドル/円

  • 週間予想レンジ
    151.50 〜 155.00

10/20に150円48銭から取引を開始し、10/21の臨時国会招集、首班指名選挙を控え「高市トレード(円安・株高)」の再燃が意識され、一時151円20銭へ上昇しました。しかし、高田日銀審議委員が、「利上げに向け機が熟した」との見解を示し、150円28銭へ反落。その後、10/21の首班指名を経て高市新政権が発足し、「責任ある積極財政」といった重点政策への期待から円安・株高が進行。さらに、10/31-11/1に韓国で開催されるAPEC首脳会議において米中首脳会談が開催されることが確実視される中、10/24の高市首相の所信表明演説を受け153円06銭へ一段と上昇。一方、米9月消費者物価指数が予想を下回ったことで152円30銭へ反落。それでも、米長期金利の低下を背景にNY株主要3指数が史上最高値を更新するなど、リスク選好の動きが強まったことで153円台を回復し152円86銭で取引を終えました。

米政府機関閉鎖の長期化懸念が続き、10/27の米9月耐久財受注や10/31の米9月PCEコアデフレーター発表が先送りされる可能性がある状況下、10/28-29のFOMCでは0.25%利下げが確実視されています。また、10/27-29にかけてのトランプ大統領来日には、ベッセント財務長官やラトニック商務長官も同行する見通しです。10/28の米中首脳会談では、防衛費のGDP比2%前倒し要請に加え、日米関税交渉で確認された日本からの5,500億ドル規模の対米投資も議題となる見込みで、高市首相の掲げる財政拡大策に対する懸念が強まる可能性があります。こうした財政懸念が日本国債の格下げリスクを意識させる展開となれば、「悪い円安」進行も否定できません。今回の臨時国会で最大のテーマとなる「物価高対策」にも影響を及ぼしかねず、現状維持が見込まれる10/29-30の日銀金融政策決定会合では、植田総裁が次回12月の会合に向け利上げ姿勢をどの程度示すか焦点になります。その内容次第では、円安進行に歯止めを掛けるか、あるいは一段の円安を加速させるか焦点となります。

FX総合分析チャート 日足

ユーロ/円

  • 週間予想レンジ
    175.50 〜 178.50

ユーロドルは、10/17に米地銀2行による不正融資問題を受けて一時1.1728ドルへ上昇後、米金融システム不安の波及や米中貿易摩擦への警戒感の緩和とともに、1.1654ドルで前週の取引を終了。こうした流れを受けた10/20の1.1676ドルを高値に、10/24のムーディーズによるフランス国債格下げへの警戒感や、ドイツ長期金利の低下を背景にジリ安を展開。10/21に日足・転換線を下抜けて以降、この水準が上値抵抗線として意識され、10/22には1.1577ドルへ下落。ただ、今週のFOMCで0.25%の利下げが確実視されることで下げ止まり、10/24発表のドイツおよびユーロ圏10月製造業/サービス業PMIが予想を上回ったことや、米9月CPIの下振れを受けて1.1648ドルへ反発し、1.1629ドルで取引を終えました。ユーロ円は10/20の175円25銭を安値に、高市内閣発足に伴う財政拡大策への期待を背景に円売りが優勢となり、ドル円が153円台へ上昇した10/24にかけて、10/9以来の高値となる177円83銭へほぼ一本調子で上昇し、177円76銭で取引を終えました。

10/24にムーディーズがフランス国債を「Aa3」に据え置きつつ、見通しを「ネガティブ」に修正した点が引き続き意識され、フランス議会で予算成立が難航すれば、格下げ懸念が上値を抑える可能性があります。一方、ドイツおよびユーロ圏のPMI改善が確認されているほか、10/27発表予定のドイツIfo景況感指数が大幅な下振れとならなければ、10/22の安値1.1577ドルを下回るリスクは限定的と見られます。また、10/28-29のFOMCでの利下げ観測に対し、10/29-30のECB理事会は政策据え置きが確実視されており、下支え要因となると見込まれます。日足・雲の下限(1.1652ドル)を上抜け、10/17の1.1728ドルの回復を試す展開が想定されます。また、ユーロ円は、日米首脳会談の結果や、10/29-30の日銀金融政策決定会合で植田総裁が12月会合に向けて利上げをどの程度示唆するかが焦点となります。ドル円が155円台を目指す展開となれば、ユーロ円も10/9の177円94銭を上抜け、ユーロ発足以来の最高値に向けて一段高となるか注目されます。

FX総合分析チャート 日足

ポンド/円

  • 週間予想レンジ
    201.50 〜 205.50

ポンドドルは、10/20の1.3443ドルを高値に、10/22発表の英9月CPIの発表を前に上値の重い展開となりました。CPIは総合、コアともに市場予想を下回り、インフレ圧力のピークアウト観測が強まり、英中銀の早期利下げ観測を通じてセンチメントが悪化、1.3306ドルへ下落しました。その後、10/24発表の英9月小売売上高や10月PMIが予想を上回ったものの、日足・転換線が上値抵抗として意識され、上値は限定的。ユーロや豪ドルに対してもポンド売りが進み、1.3288ドルまで軟化し、1.3311ドルで取引を終えました。一方、ポンド円は10/20の201円83銭、10/21の201円82銭を安値に「高市トレード(円安・株高)」再燃の流れを背景に円売りが加速。さらに、10/24発表の米CPIが予想を下回ったことを受けたポンドドルの上昇とともに、203円99銭へ上昇し203円49銭で取引を終えました。

先週の英CPI発表以降は、11/6の英中銀政策委員会での利下げ観測が一段と高まり、対ユーロ・対豪ドルでのポンド売りが進行中です。今週は目立った英経済指標の発表はないものの、10/28-29のFOMCでは0.25%の利下げ、10/29-30のECB理事会では現状維持が見込まれ、対ユーロ・対豪ドルでの下落がポンドドルの上値を抑える要因となりそうです。こうした中、日足・転換線(1.3360ドル)を上値抵抗として、10/14の1.3249ドルを試す展開に注意が必要です。もっとも、FOMC後にパウエル議長が予想以上にハト派寄りの発言を行い、転換線を上抜ける場合は、雲の下限(1.3429ドル)回復を試す可能性もあります。ただし、ポンド独自の買い材料は乏しく、上値追いには慎重姿勢が続きそうです。また、ポンド円についても、日米欧の金融政策会合や日米首脳会談後にドル円が155円台を試す円安加速となれば、10/8の高値205円33銭を意識する展開もあり得ます。一方で、ポンドドルの下落が上昇の重石となる可能性もあり、転換線(202円33銭)を下抜け基準線(201円40銭)を試す動きに注意が必要です。

FX総合分析チャート 日足

豪ドル/円

  • 週間予想レンジ
    98.00 〜 101.00

10/20の97円62銭を安値に、米豪首脳会談で、将来的に約530億ドル規模となるレアアースを中心とした鉱物開発で合意が発表され、資源獲得をめぐる協力強化への期待が豪ドルをサポート。加えて、米中貿易摩擦の緩和期待や、高市内閣発足を見据えた「高市トレード」の再燃を背景に、円売りが加速。こうした中、10/22に発表された英9月CPIが市場予想を下回ったことを受け、対ポンドでの豪ドル買いとともに98円87銭へ上昇。さらに10/23には、中国人民銀行が人民元の対ドル基準値を昨年10月以来の元高水準に設定、当局による元高容認姿勢が意識されたことも、円安進行を加速。ドル円の152円80銭、ユーロ円の177円45銭への上昇とともに、99円55銭へ上伸。さらに、10/24発表の米9月CPIが市場予想を下回ったことから、対ドルでの豪ドル買いも進み、一時99円59銭まで上昇しましたが、心理的節目である100円台回復を前に伸び悩み、99円55銭で取引を終えました。

11/4の豪中銀政策理事会を前に、70%弱の確率で織り込まれている3.60%から3.35%への利下げの有無を占う上で、10/29発表の7-9月期CPIが最大の焦点となります。あわせて、10/28-29日のFOMCでは0.25%の利下げが見込まれ、10/29-30の日銀金融政策決定会合およびECB理事会は現状維持の公算です。こうした中、日足の転換線(98円60銭)を下値支持線として、10/9の100円95銭を試す展開となるか注目されます。そのほか、日米および米中首脳会談を受けたドル円の反応や、米中貿易摩擦の行方も引き続き注視されます。

FX総合分析チャート 日足

南アフリカランド/円

  • 週間予想レンジ
    8.60 〜 9.00

0/20の8円63銭を安値に、米中貿易摩擦への懸念が後退し、米国の信用不安緩和を好感した欧米株式市場の堅調を背景に、南ア全株指数も反発。これを受けてランド買いが優勢となりました。10/21には、南ア8月の景気先行指数が3か月連続で上昇し、経済活動の回復が示唆されたことが好感されました。さらに、高市内閣発足を受けたドル円の上昇も支援材料となり、8円78銭へ上昇。しかし、10/22にかけては金価格の下落に加え、南ア全株指数が大幅反落したことから一時8円67銭へ反落。もっとも、10/23には金価格と南ア株式相場が再び上昇に転じたほか、金融犯罪対策を担う国際機関FATF(金融活動作業部会)が、南アを「監視対象強化国」から除外する可能性を報じたことを受け、ランドは8円82銭へ反発。また、10/24発表の米9月CPIが予想比下振れたことから対ドルでの上昇とともに8円87銭へ一段高となり、8円86銭で取引を終えました。

10/30発表の9月生産者物価指数や10/31発表の9月財政収支/貿易収支の発表を通じて、インフレ動向や財政健全性の評価が市場の焦点となりそうです。一方、10/31-11/1に韓国で開催されるAPEC首脳会議では、米中首脳会談が予定されており、貿易摩擦を巡る警戒感がどの程度和らぐかが焦点であり、中国を最大の貿易相手国とする南アにとって大きな影響を及ぼす可能性があります。また、10/28-29のFOMCで0.25%の利下げが確実視され、市場の関心はパウエル議長が12月の追加利下げを示唆するかであり、対ドルの反応が注目されます。さらに、10/29-30の日銀金融政策決定会合では現状維持が見込まれる中、植田総裁が12月の利上げ再開にどの程度踏み込むか焦点となります。これらを背景に、ドル円が155円台を試す動きとなれば、日足・転換線/基準線(ともに8円71銭)を下値支持線として10/9に付けた昨年7月以来の8円94銭を上抜ける可能性もあり反応が注目されます。

FX総合分析チャート 日足

証券総合口座をお持ちでない方

FX取引サイト

提供:SBIリクイディティ・マーケット社

ご注意事項

  • お客さまは、当社WEBサイトに表示されている情報をお客さま自身のためにのみご利用するものとし、第三者への提供、再配信を行うこと、独自に加工すること、 複写もしくは加工したものを第三者に譲渡または使用させることはできません。情報の内容については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。 また、これらの情報によって生じたいかなる損害についても、当社および本情報提供者は一切の責任を負いません。
  • 当社WEBサイトに表示されている事項は、投資一般に関する情報の提供を目的としたものであり、勧誘を目的としたものではありません。投資にあたっての最終判断はお客さまご自身でお願いします。

マーケットへ戻る