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“FOMC、GTCとエヌビディア投資先、石油・金・非鉄金属”
“FOMC、GTCとエヌビディア投資先、石油・金・非鉄金属”
2024/3/19
提供:フィリップ証券株式会社
リサーチ部:笹木 和弘
“FOMC、GTCとエヌビディア投資先、石油・金・非鉄金属”
- 米国主要株価指数は、先月21日に発表の米半導体大手エヌビディア(NVDA)の決算発表後以降、高値圏の狭い横ばいレンジ内の動きで推移。20日のFOMC(連邦公開市場委員会)とパウエルFRB(連邦準備制度理事会)議長記者会見による大きく動くきっかけ待ちの展開だ。経済指標はマチマチだ。2月の消費者物価指数(CPI)、同・卸売物価指数(PPI)、同・鉱工業生産は市場予想上振れの一方で、2月のISM(供給管理協会)製造業・非製造業景況指数は予想を下回った。2月雇用統計は非農業部門雇用者数が強含みも、失業率が上昇し平均時給伸び率は鈍化した。それでも、パウエル議長自身が6-7日議会証言で年内利下げ開始を強調したこと、およびバイデン大統領も「FRBの利下げは間違いない」と述べたことから見ると、市場の利下げ期待は簡単には萎まず、短期的にはポジティブに働きやすいと見込まれる。
- 生成AI(人工知能)関連では、18-21日にカリフォルニア州サンノゼでエヌビディアの年次開発者会議「GTC」が開催される。特に、同社が創薬のための生成AIプラットフォーム「BioNemo」を通じて独自データでモデルのトレーニング作業簡素化・高速化に取り組んでいることが注目される。同社が2/14に提出した「フォーム13」によれば出資先銘柄は、半導体設計の英アーム・ホールディングス(ARM)のほか、音声人工知能(AI)プラットフォームのサウンドハウンド(SOUN)、バイオテクノロジーのリカージョン・ファーマシューティカルズ(RXRX)、医療用画像開発のナノエックス・イメージング(NNOX)、自動運転のトゥーシンプル・ホールディングス(TSPH)などである。
- FOMCで年内利下げが強調されたとしても、利下げ回数や開始時期で期待が萎む場合、長期金利上昇とともに景気敏感株・バリュー銘柄への物色が強まろう。その場合に注目されるのはエネルギー・資源関連だろうか。
- サウジアラビアを中心とする「OPECプラス」が6月末まで自主減産延長を打ち出してきたなか、国際エネルギー機関(IEA)やOPECは今年の石油需要増加見通しを発表。「全人代」で打ち出した経済成長率目標に向けた中国の景気刺激策への期待も当面続くとみられ、石油株に追い風だろう。CMX金先物価格は、FRBの利下げ期待だけでなくイラン議会選で保守強硬派圧勝に伴う地政学リスクの高まり、あるいはアルゼンチンのハイパーインフレ加速に伴うデフォルトリスク加速等を受けて、最近まで3年以上レンジ上限を形成していた1オンス2080ドル近辺を大きく抜けてきた。銅先物価格も最大生産・消費国である中国で銅精錬メーカーが協調減産に合意したことから急伸している。金鉱株や非鉄金属株などにも好機到来の可能性があろう。(笹木)
- 3/19号では、ファースト・シチズンズ・バンクシェアーズ(FCNCA)、ヴァンエック金鉱株ETF(GDX)、ジェイビル(JBL)、ロックウエル・オートメーション(ROK)、リカージョン・ファーマシューティカルズ(RXRX)、シュレーディンガー(SDGR)を取り上げた。
S&P500業種別およびダウ平均構成銘柄騰落率(3/15現在)
| 3月20日(水) | マイクロン・テクノロジー、ゼネラル・ミルズ、PDDホールディングス |
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| 3月21日(木) | フェデックス、ルルレモン・アスレティカ、ナイキ、ファクトセット・リサーチ・システムズ、ダーデン・レストランツ、アクセンチュア |
| 3月18日(月) | - エネルギー国際会議「CERAウィーク」(米テキサス州ヒューストン、22日まで)
- 米NAHB住宅市場指数(3月)
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| 3月19日(火) | - 米FOMC(20日まで)、 米大統領選予備選(アリゾナ、フロリダ、イリノイ、カンザス、オハイオ州)
- 米住宅着工件数(2月)
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| 3月20日(水) | - 米FOMC最終日・パウエルFRB議長記者会見・声明と経済予測発表
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| 3月21日(木) | - 米フィラデルフィア連銀製造業景況指数(3月)、米新規失業保険申請件数(16日終了週)、 経常収支(4Q)、米S&Pグローバル製造業・サービス業・総合PMI(3月)、米景気先行指標総合指数(2月)、米中古住宅販売件数(2月)
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| 3月22日(金) | - 米アトランタ連銀総裁が対談に参加、米ファッジ住宅都市開発長官退任、米ケン・バック下院議員辞職
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| 3月25日(月) | - シカゴ連銀全米活動指数(2月)、ブルームバーグ3月米国経済調査、新築住宅販売件数(2月)、ダラス連銀製造業活動(3月)
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- 1898年設立の金融持株会社でファースト・シ チズンズ銀行を擁する。22年1月に大型機械リースや消費者金融を展開するCITを統合後も23年3月に経営破綻したシリコンバレーバンク(SVB)を買収。
- 1/26発表の2023/12期4Q(10-12月)は、純収益が前年同期比99.4%増の24.54億USD、非GAAPの調整後EPSが同2.2倍の46.58USD。純金利収益が同2.4倍の19.11億USD、非金利収益が同26.6%増の5.43億USD。調整後経費率が同6.1ポイント改善、純金利マージン(NIM)が同0.47ポイント拡大。
- 2024/12期1Q(1-3月)会社計画は、純金利収益が17.5-18.5億USD、非金利収益が4.40-4.70億USDと前四半期比減収予想。ファースト・シチズンズ銀行は世代を跨ぎ同族経営を基に長期視点で経営をしてきたなかCITグループの合併に続き23年3月のシリコンバレーバンク買収で躍進。昨年12月末貸出残高および預金残高は前期末比88%増および63%増。経費率(効率性レシオ)改善の継続が期待される。
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- NYSE Arca Gold Miners指数に連動する投資成果を目指す。同指数は世界の全サイズの素材株に投資。北米、特にカナダ国内の企業に最大の比重。時価総額加重平均を用いてウェートを算定。
- 15日終値時価総額が127.4億USD、過去12か月間分配金単価(ネット)合計が0.5001USD。組入れ上位6社はニューモント(NEM)、バリック・ゴールド(GOLD)、アグニコ・イーグル・マインズ(AEM)、フランコ・ネバダ(FNV)、ウィートン・プレシャス・メタル(WPM)、紫金鉱業集団[ズージン・マイニング・グループ]。
- 昨年末終値から3/15終値までの騰落率(除くインカムゲイン)は同ETFが▲3.6%に対し、CMX金先物(期近)は+4.2%、S&P500株価指数が+7.3%。CMX金先物価格は今年3月初から米国景気指標悪化に伴う米政策金利引下げ見通し加速、イラン議会選で保守強硬派圧勝に伴う地政学リスク高まりと同時に過去高値水準を超えた。アルゼンチン国債に係る信用悪化等も上昇を後押ししよう。
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- 1966年設立。幅広い業界に電子機器に係る様々なサービスを一括で請け負う「電子機器受託製造サービス(EMS)」、および電子機器以外の「多様化受託製造サービス(DMS)」の2部門を展開。
- 3/15発表の2024/8期2Q(12-2月)は、売上高が前年同期比17.3%減の67.67億USD(内、EMS部門が同18%、DMS部門が同16%減収)、非GAAPのコアEPSが同10.6%減の1.68USD。減収減益の中でも、コア営業利益率が同0.2ポイント拡大、1H(9-2月)の調整後フリーキャッシュフロー(FCF)が同97%増。
- 通期会社計画は売上高を前期比17.9%減の285億USD(従来計画:310億USD)、コアEPSを同2.7%減の8.40USD(同:9.00USD)へ下方修正の一方、コア営業利益率を5.6%(同:5.3-5.5%)へ上方修正。決算発表後株価下落で15日終値は前日比16.5%下落もコアEPSベースで予想PERが14.7倍水準。世界的景気減速で減収減益の中でも、利益率やフリーキャッシュフローで体質強化も窺われる。
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- 1903年設立。世界各国で多様な産業分野のオートメーション事業を展開。「インテリジェント・デバイス」、「ソフトウェア&コントロール」、「ライフサイクル・サービス」の主要3事業セグメントを運営。
- 1/31発表の2024/9期1Q(10-12月)は、売上高が前年同期比3.6%増の20.52億USD、非GAAPの調整後EPSが同17.1%減の2.04USD。セグメント合計での営業利益率が同2.9ポイント低下に加えフリーキャッシュフローも赤字転落の一方、年間経常収益(ARR)が同20%増、受注高が前四半期比2桁台伸び率。
- 通期会社計画は、売上高が前期比0.5-6.5%増、調整後EPSが同▲1〜+13%の12.0-13.5USDで据え置き。短期的に高水準の在庫と供給制約の課題残るも、継続的な買収と売却による事業ポートフォリオ改善中心の経営戦略で外部環境に左右されにくい強み。エネルギー開発大手シュルンベルジェとの合弁事業センシアも1Qが受注高・売上高ともに前年同期比2桁台伸び率で最終黒字転換。
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- 2013年設立のバイオ技術企業。Recursionオペレーティングシステム(OS)のプラットフォームを通じてテクノロジー・生物学・化学を統合。大手製薬・テクノロジー企業とのパートナーシップ契約締結。
- 2/27発表の2023/12期4Q(10-12月)は、売上高が前年同期比20.4%減の10.9百万USD、純利益が前年同期▲57.4百万USDから▲93.0百万USDへ赤字幅拡大。減収はロッシュ・ジェネンテック社との戦略的提携に係るワークフローのタイミングのズレおよび総営業費用増加(同47%増)が影響した。
- 2024/12期会社予想は非公表。半導体大手エヌビディア(NVDA)は昨年7月までに同社へ5000万USD出資し、2/14提出の「フォーム13」で7600万USDまで増加と判明。エヌビディアは創薬の基盤モデルを開発・カスタマイズ・展開するためのサービスを提供する生成 AI プラットフォーム「BioNeMo」を中心として「Recursion OS」を取り込んだエコシステム構築を狙う。中長期投資で魅力があろう。
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(注)日足の始値と終値をローソク足で表示。「始値>終値(陰線)」なら緑、「始値<終値(陽線)」なら赤。
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- 1990年設立のヘルスケア技術企業。創薬・材料科学でAI(人工知能)ソフトウェアプラットフォーム提供。第三者へライセンス供与、バイオ医薬品企業との提携による医薬品開発支援が主な収益源。
- 2/28発表の2023/12期4Q(10-12月)は、売上高が前年同期比30.4%増の74.1百万USD、非GAAPの調整後EPSが前年同期の▲0.36USDから▲0.32USDへ赤字幅縮小。ライセンス供与に係るソフトウェア収益と医薬品発見収益のうち、前者が同44%増(68.7百万USD)、後者が同39%減だった。
- 2024/12通期会社計画は、ソフトウェア収益が前期比6-13%増、ソフトウェア粗利益率が同横ばいの87%。同社はイーライリリー(LLY)、ブリストルマイヤーズ・スクイブ(BMY)、サノフィ(SNY)、武田薬品工業等大手医薬品メーカーとパートナー契約締結に加え、2023/12通期年間契約額100万USD以上顧客が前期比9件増の27件、同500万USD以上顧客の契約額更新率が98%と堅調に推移。
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- (※)決算発表の予定は3/15現在であり、変更される可能性があります。
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