マーケット > レポート > 広瀬の外国株式・海外ETFデビュー講座 > 金利低下、景気後退時にはどのセクターをオーバーウエイトすべきか?
金利低下、景気後退時にはどのセクターをオーバーウエイトすべきか?
金利低下、景気後退時にはどのセクターをオーバーウエイトすべきか?
2019/8/27
今回は、金利低下、景気後退の際には、投資家はどのようなセクター戦略を採るべきなのかということについてお話いたします。
いよいよ利下げ局面が始まった
7月30日の連邦公開市場委員会(FOMC)で連邦準備制度理事会(FRB)は今回の景気拡大局面では初めて金利を引き下げました。米国の政策金利はフェデラルファンズ・レートですが今回、それは0.25%引き下げられ、2.25%になりました。
つまり今は利下げ局面に入ったのです。
一方、米国の景気は未だしっかりしています。すでに中国や欧州では景気減速の兆しが見えているのでアメリカにもいずれそれが波及するかも知れません。
このような局面で投資家はどのようなセクター戦略を採るべきなのでしょうか?
今日はそのことについて書きます。
金利・景気サイクルとセクター
一般に金利・景気の局面とその時々に良いパフォーマンスが出やすいセクターの関係は下の図のようになっています。
(出典:コンテクスチュアル・インベストメンツ)
この図の読み方ですが、いまは金利が下がりつつあり、しかしながら景気は未だ強いので水色の部分、すなわちハイテク株がアウトパフォームしやすいです。中心から外へ行くほどアウトパフォームすることを表しています。
ハイテク業界では技術の進歩とともに製品価格が下がるのが常です。つまりいつもデフレと背中合わせでビジネスが行われているわけです。だからハイテク株はデフレ的な環境に強いのです。
金融株は強いて言えば短期金利が低く長期金利が高いような状況でもっともアウトパフォームしやすいですが普段はニュートラルなポジションです。
■今後米国が景気後退に見舞われたら
冒頭で述べたように中国、欧州は既に景気の減速が著しいわけですから、もしそれがアメリカに飛び火し、アメリカの景気も今後弱含むのであれば、そのシナリオ下では緑色で示されたセクターが好ましいです。具体的には通信株、ヘルスケア株、消費安定株、公共株などになります。
通信会社は比較的負債が大きいです。これは恒常的に設備投資額が大きいこと、その代わり毎月の売上高は安定しており利払いがしやすいことなどが関係していると思います。
ヘルスケアは病気になるのは景気に無関係なので不景気に強いと考えられています。
消費安定株とは清涼飲料や日用品などを指します。これらは景気の影響を余り受けません。
公共株は電力やガスなどを指します。こちらも消費量はあまり景気によって左右されません。
今後米国が景気後退に見舞われたら
冒頭で述べたように中国、欧州は既に景気の減速が著しいわけですから、もしそれがアメリカに飛び火し、アメリカの景気も今後弱含むのであれば、そのシナリオ化では緑色で示されたセクターが好ましいです。具体的には通信株、ヘルスケア株、消費安定株、公共株などになります。
通信会社は比較的負債が大きいです。これは恒常的に設備投資額が大きいこと、その代わり毎月の売上高は安定しており利払いがしやすいことなどが関係していると思います。
ヘルスケアは病気になるのは景気に無関係なので不景気に強いと考えられています。
消費安定株とは清涼飲料や日用品などを指します。これらは景気の影響を余り受けません。
公共株は電力やガスなどを指します。こちらも消費量はあまり景気によって左右されません。
■インフレの欠如
こんにちの物価の状況を見るとインフレになる兆候は殆ど見られません。したがって上の図の右半分は当分忘れていいと思います。もっと踏み込んで言えば、景気の強弱に応じて「ハイテクを削って消費安定やヘルスケアをどれだけ増やす?」というようなことを中心にポートフォリオ戦略を練る局面だということです。
素材やエネルギーはコモディティー価格が上昇しなければ利益が増えないので低インフレの環境はとても逆風です。工業株もデフレ下ではプライシング・パワー(=自分の有利な価格を設定するちから)が失われるのでデフレに弱いです。
■まとめ
今回、FRBが利下げに転じたことで金利の方向性は「下」ということがハッキリしました。その局面では上の図の左半分を中心に銘柄を選択してください。今後の景気の動向次第で、下半分、すなわち緑の部分を増やさなければいけなくなるかもしれません。
著者
広瀬 隆雄(ひろせたかお)
コンテクスチュアル・インベストメンツLLC マネージング・ディレクター
グローバル投資に精通している米国の投資顧問会社コンテクスチュアル・インベストメンツLLCでマネージング・ディレクターとして活躍中。
1982年 慶応大学法学部政治学科卒業。 三洋証券、SGウォーバーグ証券(現UBS証券)を経て、2003年からハンブレクト&クィスト証券(現JPモルガン証券)に在籍。
免責事項・注意事項
- 本レポートは、コンテクスチュアル・インベストメンツLLC社(以下、「CI」と称します)により作成されたものです。
- 本レポートは、CI が信頼できると判断した各種データ、公開情報に基づいて作成しておりますが、CIはその正確性、完全性を保証するものではありません。
- ここに示したすべての内容は、CIで入手しえた資料に基づく現時点での判断を示しているに過ぎません。
- CIは、本レポート中の情報を合理的な範囲で更新するようにしておりますが、法令上の理由などにより、これができない場合があります。
- 本レポートは、お客様への情報提供のみを目的としたものであり、特定の金融商品の売買あるいは特定の金融商品取引の勧誘を目的としたものではありません。
また、本レポートによる情報提供は、投資等に関するアドバイスを含んでおりません。 - 本レポートにおいて言及されている投資やサービスは、個々のお客様の特定の投資目的、財務状況、もしくは要望を考慮したものではありませんので、個々のお客様に適切なものであるとは限りません。
- 本レポートで直接あるいは間接に取り上げられている金融商品は、株価の変動や、発行者の経営・財務状況の変化及びそれらに関する外部評価の変化、金利・為替の変動などにより投資元本を割り込むリスクがありますが、CIは一切その責任を負いません。
- CIは、レポートを提供している証券会社との契約に基づき対価を得ております。
- CIは、本レポートの論旨と一致しないレポートを発行している場合があり、また今後そのようなレポートを発行する場合もあります。
- CIは、本レポートに記載された金融商品について、ポジションを保有している場合があります。
- 本レポートでインターネットのアドレス等を記載している場合がありますが、CI自身のアドレスが記載されている場合を除き、ウェブサイトの内容についてCI は一切責任を負いません。
- 本レポートの利用に際しては、お客様ご自身でリスク等についてご判断くださいますようお願い申し上げます。

