マーケット > レポート > 広瀬の外国株式・海外ETFデビュー講座 > 個人投資家は何銘柄に投資すべきか?
個人投資家は何銘柄に投資すべきか?
個人投資家は何銘柄に投資すべきか?
2019/4/23
個人投資家のポートフォリオは何銘柄くらいで構成されるのがベストでしょうか?
今日はこの問題について解説します。
分散効果
いま1銘柄だけを保有している投資家が別の銘柄もポートフォリオに加えれば、その人のポートフォリオのリスクは格段に下がります。さらに2銘柄を3銘柄に増やせばさらにリスクを下げることができます。
しかしその後、どんどん銘柄数を増やすことによるリスク低減効果はだんだん薄れてきます。そして20銘柄を超えたあたりで、もう一銘柄増やすことによって得られるリスク低減効果は殆ど感じられないほど小さくなります。
これを図で示すと次のようになります。
縦軸はポートフォリオのリスクを示しており、横軸は右へ行くほど銘柄数が多くなることを示しています。
20銘柄を超えたあたりで、そのポートフォリオの価格のブレは米国の代表的な株価指数であるS&P500指数とほぼ同じくらいになると言われています。
それ以上リスクの低減を追求したところで、追加的分散効果はだんだん小さくなるし、銘柄が余り増えすぎると「なぜ個別銘柄を敢えて買うのか?」という意味が薄れてきてしまいます。
さらにポートフォリオ管理の手間が増える、売買手数料が嵩むなどのデメリットを考え合わせれば、やたら銘柄数ばかり増やすことに意味はありません。
実際問題として個人投資家の株式投資ではせいぜい10~16銘柄くらいが目の行き届く限界のように思います。
それより銘柄数が少なすぎるのもリスキーだけれど、多過ぎるのも良くないのです。
運用資産が限られている場合
ただ実際問題として若い投資家の場合、まだ運用資産に余裕が無いので、10〜16銘柄を買い付けるということすら現実的でない場合も当然あると思います。
その場合お勧めしたい方法は個別株とETF(上場型投信)を組み合わせる方法です。
つまり「マーケット全体の動きにもついて行きたいけれど、個別でも銘柄ピックしたい」という場合、主要株価指数をなぞるように設計されているETFを持っておくことで、そのETFひとつである程度分散効果が得られるのです。
自分の運用資産の50%をS&P500指数に連動するETF1銘柄に投資し、残りの50%を5銘柄に投資するというようなアプローチは大変有効だと思います。このような手法を「コア・サテライト戦略」と呼ぶ場合もあります。
つまりS&P500指数に連動するETFが「コア(本体)」、そして残りが「サテライト(衛星)」というわけです。
ところで余談になりますが上で述べた「マーケット全体の動きについて行きたい」という動機のことを運用業界の用語では「ベータ(β)」と言います。
これと対比する概念で個人投資家本人の銘柄選択やトレーディングの腕前から稼ぎ出されるパフォーマンスを「アルファ(α)」と言います。
そう言うと何だかベータは退屈で、アルファだけで勝負するのがカッコイイように聞こえてしまうのですけど、プロのファンドマネージャーでも普通、パフォーマンスの大部分はベータに起因すると言われています。
(相場は騰がっているのに、自分のポートフォリオのパフォーマンスだけが冴えない)
そういう状況に陥った場合、「コア・サテライト戦略」を思い出し、素直にベータを取りに行くことを狙ってください。
著者
広瀬 隆雄(ひろせたかお)
コンテクスチュアル・インベストメンツLLC マネージング・ディレクター
グローバル投資に精通している米国の投資顧問会社コンテクスチュアル・インベストメンツLLCでマネージング・ディレクターとして活躍中。
1982年 慶応大学法学部政治学科卒業。 三洋証券、SGウォーバーグ証券(現UBS証券)を経て、2003年からハンブレクト&クィスト証券(現JPモルガン証券)に在籍。
免責事項・注意事項
- 本レポートは、コンテクスチュアル・インベストメンツLLC社(以下、「CI」と称します)により作成されたものです。
- 本レポートは、CI が信頼できると判断した各種データ、公開情報に基づいて作成しておりますが、CIはその正確性、完全性を保証するものではありません。
- ここに示したすべての内容は、CIで入手しえた資料に基づく現時点での判断を示しているに過ぎません。
- CIは、本レポート中の情報を合理的な範囲で更新するようにしておりますが、法令上の理由などにより、これができない場合があります。
- 本レポートは、お客様への情報提供のみを目的としたものであり、特定の金融商品の売買あるいは特定の金融商品取引の勧誘を目的としたものではありません。
また、本レポートによる情報提供は、投資等に関するアドバイスを含んでおりません。 - 本レポートにおいて言及されている投資やサービスは、個々のお客様の特定の投資目的、財務状況、もしくは要望を考慮したものではありませんので、個々のお客様に適切なものであるとは限りません。
- 本レポートで直接あるいは間接に取り上げられている金融商品は、株価の変動や、発行者の経営・財務状況の変化及びそれらに関する外部評価の変化、金利・為替の変動などにより投資元本を割り込むリスクがありますが、CIは一切その責任を負いません。
- CIは、レポートを提供している証券会社との契約に基づき対価を得ております。
- CIは、本レポートの論旨と一致しないレポートを発行している場合があり、また今後そのようなレポートを発行する場合もあります。
- CIは、本レポートに記載された金融商品について、ポジションを保有している場合があります。
- 本レポートでインターネットのアドレス等を記載している場合がありますが、CI自身のアドレスが記載されている場合を除き、ウェブサイトの内容についてCI は一切責任を負いません。
- 本レポートの利用に際しては、お客様ご自身でリスク等についてご判断くださいますようお願い申し上げます。

