2025-12-15 16:59:03

過熱感と材料難で強い上昇モメンタムは一服、一方で日本株の持たざるリスク強まる

2024/1/15
提供:DZHフィナンシャルリサーチ 日本株情報部 東野幸利

過熱感と材料難で強い上昇モメンタムは一服、一方で日本株の持たざるリスク強まる

 今週の日経平均株価の予想レンジは34,900円-36,000円。高値圏で売り買い交錯が予想される。米国では政治的なイベントや経済指標、企業決算などさまざま材料はあるが、米長期金利の上昇が一服する中、米国株の動向に左右されそうだ。
 国内ではSQイベントが通過し、需給相場的な強いモメンタムはいったん沈静化する可能性が高い。週初は材料難の中で反落スタートが予想される一方、水準が一気に切り上がったことで日本株の持たざるリスクも台頭する局面だ。
 先週は精密・電機・機械などのハイテクグロース株が相場上昇をけん引した。一方、鉄鋼や銀行などの割安セクターが指数を大幅にアンダーパフォームしており、相対的に下値不安が薄く新規買いが入りやすい。プライム市場では出遅れ銘柄を物色する流れが予想されるほか、米長期金利の低下があれば小型グロース株への物色がようやく意識され出す可能性が高い。

 日経平均株価(図表1)は25日移動平均線を挟んだもみ合いから強く上放れる展開となった。2023/7/3高値から10/4安値までは一目均衡表の基本数値「65」日の日柄が確認できる。10/4安値を起点に「65」日が経過する対等日柄が含まれる2024年1月第2週からの現象であり、評価できる動きである。
 一方、1/12は5日続伸ながらも前日からマドを開けた状態で始値と終値がほぼ同じとなる「十字足」を形成した。25日移動平均線(33,372円 1/12)からの上方乖離率も6.6%まで拡大し、短期的な過熱感は否めない。
 「十字足」は迷いの足ともいわれており、1/12の終値に対して週明け初動の高安が重要となる。高寄りの場合は上値を伸ばす展開につながる公算が大きい。一方、マドを開けて下寄りする場合はスピード調整につながる展開も想定しておきたい。

 上値メドは、1/12高値(35,839円)、心理的節目の36,000円、90/1/19安値36,365円、心理的節目の36,500円や37,000円などが考えられる。下値メドは、心理的節目の35,000円処、1/10高値(34,539円)、5日移動平均線(34,441円 同)、10日移動平均線(33,948円 同)、25日移動平均線、心理的節目の33,000円、75日移動平均線(32,603円 同)などが考えられる。

図表1:日経平均株価の日足チャート(2023/5/1-2024/1/12)
  • 出所:QUICKよりDZHフィナンシャルリサーチが作成

 主要な国内経済指標の発表やイベントは、東証が株価を意識した経営、取り組み企業を公表(1/15)、12月企業物価指数、5年国債入札(1/16)、11月機械受注、20年国債入札(1/18)、12月全国消費者物価指数、11月第三次産業活動指数(1/19)がある。

 企業決算の発表では、東宝、FPパートナー、TKP、QPS研究、ベースフード、Gunosy、BeeX、ELEMENTS、ティムス、Globee(1/15)、ホギメディ(1/16)、ネクスG(1/18)、ユナイテッドU、東製鉄(1/19)が予定している。

 海外の経済指標の発表やイベントは、世界経済フォーラム(ダボス会議)(〜1/19)、米大統領選挙の予備選スタート(1/15)、独1月ZEW景況感指数、米1月ニューヨーク連銀景気指数(1/16)、米12月小売売上高、米12月輸出入物価指数、米12月鉱工業生産、米1月NAHB住宅市場指数(1/17)、米12月住宅着工件数、米12月建設許可件数(1/18)、米1月ミシガン大学消費者態度指数、米12月中古住宅販売(1/19)などがある。

 米企業決算の発表では、PNCファイナンシャル、ゴールドマン・サックス、モルガン・スタンレー(1/16)、プロロジス、USバンコープ、チャールズシュワブ(1/17)、ファスナル、トリスト・フィナンシャル、キーコープ、M&Tバンク、ノーザン・トラスト、ディスカバーファイナンシャル、JBハント・トランスポート・サービシズ(1/18)、ハンチントン・バンクシェアーズ、トラベラーズ・カンパニーズ、フィフスサードバンコープ、リージョンズファイナンシャル、ステート・ストリート、シュルンベルジェ、PPGインダストリーズ(1/19)が予定している。

 なお、1/15の米国市場はキング牧師誕生記念日のため休場となる。

今週の注目銘柄!(1/15〜1/19)

銘柄
コード

銘柄名

目標株価(円)

ロスカット
株価(円)

注目ポイント

4187

3,500

2,450

エステル化成品や電子材料などを手がける。1/11に本決算を発表。前期営業利益は計画を下回ったが、今期は小幅増の予想。設備投資の償却負担増加などを見込んでいるが、半導体市場は持ち直しの段階。ガイダンスは保守的と考えられるため、今期は計画上振れに期待したい。株価は昨年後半からレンジでの推移が続いており、このところの相場上昇にはあまり反応していない。他方、決算発表後の1/12はここ数カ月で出来高が最も多かった。上下に振れたものの最終的に1円高とほぼ横ばいで終えており、決算プレーの短期勢はおおかた退場したと予想する。スローストキャスティクスが20%割れから切り返してきたため、出遅れ修正として改めて買いが入るとみる。ターゲットは3,500円、ロスカットは2,450円

6326

2,540

1,980

農業機械大手。3Q決算が好感されず、決算を受けた昨年11/9の株価は下落。ただ、この日のローソク足が実体の長い陽線となったことで、1,907円で当面のボトムを打った格好となった。この時には通期の利益見通しを引き上げており、出てきた内容自体はそれほど悪くはなかった。その後、12月前半に調整を入れたが、2,000円割れで反転。以降の上昇で25日移動平均線や75日移動平均線を上に抜けてきた。日足の一目均衡表では抵抗帯(雲)を上抜けてきており、上昇への期待が高まる形状となっている。昨年の9月高値2,421円に向けて戻り基調を強める展開を予想する。ターゲットは2,540円、ロスカットは1,980円

6479

3,500

2,670

極小ベアリングで世界シェア6割。モーターやアナログ半導体も手掛けている。同社は昨年11月、2024年3月期の連結営業利益予想を従来の950億円から770億円(前期比8.2%増)に下方修正を発表したが、日立製作所から日立パワーデバイスの株式取得による子会社化や、パワーデバイス事業に関する海外販売事業の譲り受けなどが好感された。株価は昨年6月高値(2,829円)を起点に下降トレンドにあったが、上記発表を受けて急騰。6月高値を一気に上回り、昨年1月安値(1,928円)を切り上げる上昇波動を確認した。当面は、2021年12月につけた上場来高値(3,380円)を目指す展開が予想される。ターゲットは3,500円、ロスカットは2,670円

6923

3,350

2,340

自動車ランプで御三家の一角。LED等の電子機器事業も収益柱である。2024年3月期上期(4-9月)の連結営業利益は141億円(前年同期比9.1%減)で着地。会社計画や当時の市場コンセンサスをいずれも上回った。自動車生産台数の増加や、円安進行などが寄与。生産性の高い新型設備を導入するために既存設備の見直しを実施したことに伴い、減損損失や固定資産除却損を計上したため、前年同期比では減益となった。株価は昨年11月以降でもみ合いが続いていたが、相場全体の好調を追い風にもみ合い上放れの兆しができてきた。11/1高値(2,835円)を上回れば、5月の昨年来高値(3,075円)更新に向けて勢いづく可能性が高まる。PBRは1倍割れと割安感もある。ターゲットは3,350円、ロスカットは2,340円

8304

3,860

2,750

旧日本債券信用銀行。事業再編など専門的な投融資に強みがある。銀行株の中では配当利回りが高く、直近の株価では年間配当利回りが4.9%程度となっている。四半期ごとに配当を実施しているため、3カ月に1回は1.2%程度の配当を受け取ることができる計算。今年から始まった新NISAにより、人気が高まると考える。株価はコロナショックによる下落分は取り戻したものの、2018年1月高値(4,660円)に比べればまだ安い。日銀のマイナス金利解除は4月との観測が出てきており、時期が近付くにつれて銀行株への思惑買いが強まると考えられる。ボリンジャーバンドが収束から拡大に移り+1σを上回って推移していることから、買い優勢の展開が続くと予想する。ターゲットは3,860円、ロスカットは2,750円

出所:DZHフィナンシャルリサーチが作成

  • 注目銘柄採用基準・・・1/12現在、プライム市場に上場、時価総額が500億円以上、PERが22.0倍未満、PBRが2.0倍未満、信用倍率が10.0倍未満(1/5現在)、株価が25日・75日・200日移動平均線を上回っている中から、業績面、成長性、話題性など総合的に考慮した上でピックアップした。
  • 「目標株価(円)」・・・一目均衡表分析の値幅観測やフィボナッチ、株価の過去の節目などを基準に総合判断。
  • 「ロスカット株価(円)」・・・一目均衡表や移動平均線、株価の過去の節目などを用い総合判断。
  • ※あおぞら銀行(8304)は日証金により信用取引に関する規制銘柄等に指定されています(2024年1月15日現在)
  • ※本ページでご紹介する個別銘柄及び各情報は、投資の勧誘や個別銘柄の売買を推奨するものではありません。
  • ※NISA口座で上場株式等の配当金を非課税で受け取るためには、配当金の受領方法を「株式数比例配分方式」に事前にご登録いただく必要があります。

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