2025-11-15 08:44:53

7/8週は、株価水準を切り上げることができるか注目の週

2024/7/8

先週の振り返り(7/1〜7/5)

先週の主なイベント

7/1(月)  6月調査日銀短観、中国6月財新製造業PMI、香港市場休場、独6月消費者物価指数、米6月ISM製造業景況感指数

7/2(火)  6月マネタリーベース、10年利付国債入札、ユーロ圏5月失業率、同6月消費者物価指数、米5月雇用動態調査

7/3(水)  新紙幣発行、中国6月財新非製造業PMI、ユーロ圏5月卸売物価指数、米国株、同債券市場は短縮取引、同6月ADP雇用統計、同週間新規失業保険申請件数、同5月貿易収支、同6月ISM非製造業景況感指数、同5月製造業受注、FOMC議事要旨(6月11〜12日開催分)

7/4(木)  30年物利付国債入札、英下院総選挙、米国市場休場

7/5(金)  5月景気動向指数、独5月鉱工業生産、ユーロ圏5月小売売上高、米6月雇用統計

1日(月)、米国市場で主要指数は下落して終えていたものの、取引開始前に発表された日銀短観の大企業製造業が2四半期ぶりに上昇したことが好感されて買い優勢となり、ナイトセッションの225先物の終値にサヤ寄せする格好で取引が始まった。日経平均は39,800円台に乗せて始まり、その後は39,942円をつけるなど一時359円高となる場面があった。ただ、買いが一巡すると売り物に押されて上げ幅を縮めて午前の取引を終えた。また、午後に入ると上げ幅を縮めるとともにマイナスに沈んで45円安となったが、バリュー株が買われてTOPIXがプラスを維持していたことから売り込む動きは見られず、取引終了にかけてもち直し、結局小幅高で終えた。TOPIXは終値ベースの年初来高値を更新した。
2日(火)、日経平均は小幅安、TOPIXは小幅高と東京市場はまちまちで取引が始まった。その後一旦TOPIXもマイナスに沈む場面があったが、しばらくしてプラスに浮上すると、日経平均も買いが優勢となってプラスに浮上して午前の取引を終えた。一方で、昼休み中に225先物が売られていたことから午後の取引が始まってすぐに日経平均はマイナスに沈んだが、TOPIXがプラスを維持して底堅い値動きになると、日経平均も連動するかたちで買いが優勢となり、3月29日以来となる4万円台に乗せて終えた。TOPIXも連日で高値を更新して終えている。
3日(水)、米国市場でナスダック総合指数が連日で過去最高値を更新して終えていたことに加え、SOX指数も反発して終えていたことが東京市場の買い材料となった。日経平均は151円高で始まったあと、半導体関連株が買われて40,400円まで上昇したが、上昇ピッチの速さに対する警戒もあり、もち合って午前の取引を終えた。一方午後に入ると、上値の重たかったバリュー株の一角が上昇したことや、半導体関連株が株価水準を切り上げたことなどから日経平均も上げ幅を広げ、40,694円をつけ619円高となったが、利益確定と見られる売り物に押され、わずかに上げ幅を縮めて終えた。
4日(木)、東京市場は5日続伸となり、日経平均、TOPIXともに終値ベースの過去最高値を更新した。米国市場でナスダック総合やS&P500が連日で過去最高値を更新して終えていたことが東京市場の買い安心感につながり、日経平均は買い先行で始まったあと、高値への警戒感から一時上値の重たい値動きとなった。ただ、国内の長期金利が低下したことや、為替市場でドル円が161円台で推移していたことから、輸出関連の大型株が買われたことに加え、午後に入って半導体関連株が買われ、日経平均、TOPIXともに水準を切り上げると、取引終了にかけて買いが継続し、日経平均は今年3月につけた終値ベースの過去最高値を更新、TOPIXも1989年12月につけた取引時間中と終値の過去最高値を更新して終えた。
5日(金)、米国市場が休場で手掛かり材料不足となるなか、小幅高で始まったあと日経平均は41,100円をつけるなど一時186円高となり、今年3月につけた取引時間中の過去最高値を更新する場面があった。その後は達成感から売り物に押されてマイナスに転じたが、プラスに浮上して午前の取引を終えると、午後に入って、プライム市場全体の半数以上が値下がりしていたことや、この日の夜、雇用統計の発表を控えていることもあってドルが下落して円高に振れていたことなどが上値の重石となり、両指数ともに6営業日ぶりの反落で終えた。

今週の展望(7/8〜7/12)

今週の主なイベント

7/ 8(月)  5月貿易収支、6月景気ウォッチャー調査

7/ 9(火)  6月マネーストック、6月工作機械受注、NATO首脳会議、パウエルFRB議長が議会上院銀行委員会で証言

7/10(水)  中国6月消費者物価指数、同6月卸売物価指数、パウエルFRB議長が議会下院金融サービス委員会で証言

7/11(木)  5月機械受注、米週間新規失業保険申請件数、同6月消費者物価指数

7/12(金)  ミニSQ、中国6月貿易収支、米6月卸売物価指数、同7月ミシガン大学消費者信頼感指数速報値

今週は国内小売業など2月期決算企業の業績発表がスタートするほか、日米の重要な経済指標の発表が予定されており、先週4万円台を回復して過去最高値を更新した日経平均とTOPIXの下支えや押し上げにつながるのか、注目を集める週になるのではないかと思われる。
今週のスケジュールは別表の通りとなっているが、これらのなかで国内から確認したい。注目されるのは、6月景気ウォッチャー調査、6月工作機械受注、ミニSQのほか、国内企業の業績発表の結果や進捗率に注目が集まるのではないかと思われる。
景気ウォッチャー調査は、賃上げや減税が実施された後も50を下回ったまま景況感の悪化傾向が目立っており、上向く兆しが見えていない。
一方で前回の工作機械受注は17ヵ月ぶりに前年同月を上回っており、上向きに変化してきている。こうした状況のなか、小売業の業績発表がスタートするが、景気ウォッチャー調査の結果が前回を上回って50に接近したり、上回ったりするようだと、国内企業の業績の結果次第では、株価の下支えや押し上げにつながることが期待される。
また、工作機械受注が予想を上回る結果になるようだと、設備投資への期待や製造業の業況改善への期待が高まり、関連業種の株価の押し上げにつながることも考えられそうだ。
さらに週末はミニ先物とオプションのSQが控えているが、SQ値を上回って株価が維持するようだと、株高が継続しそうだが、SQ値を下回って上回ることができなくなるようだと、上昇一服で一旦売り物に押されることが考えられるため、高値掴みや売りそびれには注意したい。
続いては米国についてだ。注目されるのは、パウエルFRB議長の上下両院での議会証言や6月消費者物価指数、同卸売物価指数になると思われる。
FRB議長の議会証言では、利下げについての方針がどのように示されるかに注目が集まりそうだが、先週末の雇用統計の結果を受け、9月の利下げ期待が高まっているなかだけに、議会証言でハト派的な姿勢が示されるようだと、リスクオンムードがさらに広がり、日米株高につながることが期待されるが、ドルが下落するようだと東京市場の上値の重石になることも考えられるため、為替市場の反応にも注意する必要があると思われる。
一方、6月消費者物価指数と同卸売物価指数は、ともに前回と同じか上回る伸びになる予想となっている。そのため、予想を上回る結果になるようだと、リスクオンムードが一気にしぼんで売り物に押されることも考えられることから、ポジションを大きくし過ぎないよう注意が必要だ。
最後は中国についてだ。注目されるのは6月消費者物価指数と同卸売物価指数になると思われる。中国の景気回復が更なる株価上昇にとって不可欠だが、これらの結果が予想を下回るようだと、中国景気に対する不安が高まることが考えられ、結果と中国株の反応に注意し、振り回されないようにしたい。

チャートから読み解く!今週の投資戦略

前回は「+2σ上を維持できるかが反発を継続するためのカギ」とした。また「+3σが4万円を超えて上昇を続けるようだと、4万円に乗せる可能性が高まると考えられるため、売りポジションを持っている投資家は損失の発生や拡大に注意する必要があると思われる」とも指摘したが、週初上値が重くなって陰線を形成して終えた1日に、+3σが4万円台に乗せて終えており、指摘した通り4万円台に乗せるとともに取引時間中の過去最高値を上回り、一時41,100円をつけるなど上昇が続く結果となった。
そうしたなか、終値でも過去最高値を更新するとともに上向きの+2σと+3σのあいだで株価が推移する「バンドウォーク」が発生しており、上昇トレンドの継続が期待されるところとなっている。そのため今週は、上向きの+2σ上を維持できるかが注目ポイントになると思われる。
仮に+2σ上を維持するようだと、株価が上昇して高値更新が続きそうだ。一方で、+2σ上を維持できずに割り込んだり、割り込んだまま戻せなくなったりするようだと、+1σや25日移動平均線辺りまで下落することが考えられ、上昇一服後の利益確定売りに注意する必要があると思われる。
続いて上昇と下落の勢いを教えてくれるモメンタムを見ると、モメンタムとその移動平均線であるシグナルの両方が、前回指摘した過去の高い水準を上回って上昇を続けており、上昇の勢いが強まっているとともに、株価水準の押し上げにつながったと考えられよう。
ただ、週末にはモメンタムとシグナルの上昇角度が緩やかになっているのが分かる。そのため今週は、2本線の上昇がピークアウトして下向きに変化するかが注目される。仮に2本線が下向きに変化して低下するようだと、上昇の勢いが弱まって+2σ上を維持できずに割り込んで、+1σに接近したり、割り込んだりすることが視野に入るため、買いポジションを持っている投資家は売り時を逃さないように注意することに加え、損失の発生や拡大に注意する必要があろう。
一方で、2本線が水準を切り上げたり、高水準を維持したりするようだと、+2σ上を維持するとともに高値更新が継続するのではないかと思われる。

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