2025-11-15 09:35:26

5/27週は、25日移動平均線上を維持して上放れるか注目の週

2024/5/27

先週の振り返り(5/20〜5/24)

先週の主なイベント

5/20(月)  中国5年最優遇貸出金利発表、バーFRB副議長講演、ウォラーFRB理事講演、ジェファーソンFRB副議長講演

5/21(火)  ウォラーFRB理事講演、ウイリアムズNY連銀総裁講演、バーFRB議長が討議に参加

5/22(水)  3月機械受注、4月貿易統計、NZ中銀が政策金利を発表、英4月消費者物価指数、米4月中古住宅販売件数、FOMC議事要旨公表(4月30日、5月1日開催分)

5/23(木)  独5月製造業・サービス業PMI速報値、ユーロ圏5月製造業・サービス業PMI速報値、米同週間新規失業保険申請件数、同5月製造業・サービス業PMI速報値、同4月新築住宅販売件数

5/24(金)  4月全国消費者物価指数、英4月小売売上高、米4月耐久財受注、ウォラーFRB理事講演

20日(月)、米国市場でNYダウが史上初の4万ドルに乗せたものの、ナスダックやSOXが下落するなどまちまちで終えていたことや、東京市場独自の材料が不足していることもあって、売り物が優勢となり小幅安で取引が始まった。その後、先物が買われてプラスに浮上したあとは一本調子で上げ幅を広げる展開となり、11時前には39,437円をつけるなど一時649円高となる場面があった。一方午後に入ると、国内の長期金利が上昇していたことが嫌気され、半導体関連などの上値が重たくなって上げ幅を縮めて終えた。
21日(火)、ナスダックやSOX指数が上昇して終えていたことが好感され、東京市場は半導体関連株が買われ買い先行で始まり、日経平均は276円高となる場面があったが、買いが一巡すると材料不足から徐々に上げ幅を縮める展開となって午前の取引を終えた。一方午後に入ると香港ハンセンや上海総合指数など他のアジア市場が弱含んでいたことや時間外の米先物が小幅なマイナスで推移していたことなどから日経平均は徐々に上値が重たくなると、マイナスに沈むとともに取引終了にかけて下げ幅を広げ39,000円を割り込んで終えた。TOPIXは4営業日ぶりの反落となっている。
22日(水)、米国市場で、ナスダック総合やS&P500が過去最高値を更新して終えていたものの、国内金利の上昇が嫌気され午後に下げ幅を広げる展開となった。前日の上値の重たい流れが引き継がれ、東京市場は続落で始まった。日経平均は123円安で始まると、わずかに下げ幅を広げたあと38,700円を挟んだもみ合いとなった。一方午後に入ると、10年債利回りがおよそ11年ぶりに1%まで上昇したことが嫌気されて幅広い業種に売りが広がり、日経平均は353円安となりこの日の安値圏で終えた。
23日(木)、米国市場の取引終了後に発表された半導体大手エヌビディアの決算が予想を上回ったことを受け、時間外取引で大幅高となっていたことが東京市場の買い材料となった。日経平均は指数への寄与度が高い値嵩の半導体関連株が買われ、買い先行で始まったあと一時売り物に押されて前日比ほぼ変わらずまで上げ幅を縮める場面があったが、売り一巡後に切り返し、値を戻して午前の取引を終えた。また昼休み中にエヌビディアの決算を好感して時間外のナスダック先物が上げ幅を広げていたことが買い安心感につながると、日経平均は39,000円台に乗せて午後の取引が始まり、その後39,129円をつけ512円高となるなか、高値圏でのもみ合いが続いて終える結果となった。
24日(金)、米5月PMIが予想を大きく上回ったことから早期利下げ期待が後退し、米長期金利が上昇したことに加え、米国株が揃って下落していたことが売り材料となった。日経平均は600円近い下落幅で始まると、そのまま下げ幅を広げ38,367円をつけるなど一時735円安となる場面があった。ただ売りが一巡すると買い戻され、下げ幅を縮めて午前の取引を終えた。一方午後に入ると、他のアジア市場が下落していたことに加え、国内の長期金利が上昇して1%台に乗せていたことが上値の重石となり、戻しきれずに終えた。

今週の展望(5/27〜5/31)

今週の主なイベント

5/27(月)  日中韓首脳会議、5月月例経済報告、中国1−4月工業企業利益、独5月Ifo景況感指数、英、米市場休場

5/28(火)  米5月カンファレンスボード消費者信頼感指数、同2年物国債入札、同5年物国債入札

5/29(水)  独5月消費者物価指数、米地区連銀経済報告、同7年物国債入札

5/30(木)  2年物利付国債入札、ユーロ圏4月失業率、米週間新規失業保険申請件数、同1−3月期GDP改定値、同4月中古住宅仮契約指数

5/31(金)  4月失業率、同有効求人倍率、5月東京都区部消費者物価指数、4月鉱工業生産、中国5月製造業PMI、同5月非製造業PMI、ユーロ圏5月消 費者物価指数、米4月個人所得、同個人消費支出、同5月シカゴPMI

先週の東京市場は上値が重い1週間となったが、その理由として挙げられるのが国内金利の上昇だ。10年債利回りが1.005%と1%を上回り、2012年4月以来、およそ12年ぶりの高水準に達しており、このまま金利の上昇が続くのかや、日銀の金融政策に変化があるのかなど、市場の警戒感が高まっている。
そうしたなか、今週も重要な経済指標の発表が予定されており、スケジュールを確認したいと思う。
今週、米国で注目されるのは、5月カンファレンスボード消費者信頼感指数や4月個人所得、同個人消費支出に加え、国債の入札結果になると思われる。これらの結果が予想や前回を上回るようだと、米国景気の底堅さが意識されるとともに、米長期金利が上昇してNYダウなど主要指数の売り材料となることが考えられ要注意だ。
また、これらの結果に加え、各米国債の入札にも注目が集まると思われる。仮に入札が順調に終わるようだと、株や為替市場への影響は限定的と考えられる反面、不調に終わるようだと米国内の長短金利の上昇につながることが考えられ、米国株やドルの値動きに加え、東京市場への影響にも注意する必要があると思われる。
続いては、国内と中国についてだ。国内では4月鉱工業生産や5月東京都区部消費者物価指数の結果が注目される。
4月鉱工業生産は前月比で前回を下回る予想となっているが、5月東京都区部消費者物価指数は前年同月比(生鮮食料品を除く)で、前回を上回る予想となっており、これらがともに予想や前回を上回るようだと、景気の底堅さが意識される反面、国内金利の上昇につながることが考えられ、長短金利の変化に加え、225先物の値動きにも注意し、振り回されないようにしたい。
また、2年物利付国債の入札についても、予想通りの結果になるようだと、市場への影響は限定的と見られるが、一方で、入札が不調だった場合、国内金利の上昇につながるとともに、東京市場は売り物に押されることが考えられ、不動産やREITなど金利に敏感なセクターを保有している投資家は要注意だ。
一方中国では、5月製造業PMIと同非製造業PMIの結果が注目される。それぞれ前回は景況感の判断の分かれ目となる50を上回っており、今回も50を上回って維持したり、前回の結果を上回ったりするようだと、中国の景況感の回復に対する期待が高まり、国内の中国関連株に買いが入ることが期待される。
一方で、前回の結果や50を下回ったりするようだと、中国景気に対する不安が高まり、中国株だけでなく、国内や米国株の売り材料にされることも考えられるため、結果と株価の反応に注意しておきたい。
最後はユーロ圏についてだ。注目されるのは独5月Ifo景況感指数とユーロ圏5月消費者物価指数になるのではないかと思われる。独5月Ifo景況感指数は前回を上回る予想となっている。またユーロ圏5月消費者物価指数も前年同月比で前回を上回る予想となっている。
こうした状況から、仮に予想や前回を上回る結果になるようだと、ユーロ圏の景気の堅調さに加え、物価の上昇が意識され、ユーロ高になることが考えられる反面、金利が上昇して株の売り材料になることも考えられ、世界的な金利の上昇には要警戒だ。

チャートから読み解く!今週の投資戦略

前回は「引き続き25日移動平均線上を維持できるかが注目ポイント」とした。また、「仮に25日移動平均線上を維持するようだと、25日移動平均線が下向きから横ばいや上向きに変化することが考えられるとともに、バンドが外側に広がって上昇トレンドの発生を示唆することも期待される」と指摘したが、週末まで25日移動平均線上を維持したことから、25日移動平均線が緩やかな上向きに変化するとともに、各バンドが外側に広がりつつあるのが分かる。そのため今週は、25日移動平均線上を維持し、明確にバンドが広がるかが注目ポイント。
仮に25日移動平均線上を維持するようだと、25日移動平均線の上昇角度が急になるとともに+3σから−3σまでが鋭角に広がって上昇トレンドの発生が示唆され、39,000円台を終値で維持したり、4万円台乗せたりすることも視野に入るのではないかと思われる。
一方で、25日移動平均線上を維持できずに割り込んだり、25日移動平均線が下向きに変化するとともにバンドの広がりが継続したりするようだと、下降トレンドの発生が警戒される。また、38,000円を割り込んで4月19日の安値に接近したり、下回ったりすることが視野に入るため、買いポジションを持っている投資家は損失の発生や拡大に要注意だ。
そうしたなか、上昇と下落の勢いを教えてくれるモメンタムを見ると、上昇と下落の勢いの判断の分かれ目となる100ラインを上回っているものの、週末には下向きに変化して、モメンタムの移動平均線であるシグナルを下回って終えている。
そのため今週は、モメンタムの低下が続くかが注目ポイントだ。仮にモメンタムの低下が続いて100ラインを割り込んだり、モメンタムと一緒にシグナルも低下して100ラインを割り込んで戻せなくなったりするようだと、下落の勢いが強まり、日経平均株価が25日移動平均線を割り込んで4月19日の安値に接近したり、割り込んだりすることが考えられ、下降トレンドの発生に注意しておきたい。
一方で100ラインを割り込んでも限定的だったり、上向きに変化して2本線ともに水準を切り上げ、直近の高水準を上回ったりするようだと、25日移動平均線上を維持して+1σや+2σを上回って+3σに接近することも視野に入ると思われる。ただし、2本線が100ライン近辺で横ばいで推移するようだと、トレンドレス状態になっていることが考えられ、売買タイミングには注意したいところだ。

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