2025-11-11 14:15:20

2/5週は、ボリンジャーバンドの+1σを上回って維持できるかが上放れのカギ

2024/2/5

先週の振り返り(1/29〜2/2)

先週の主なイベント

1/29(月)  特になし

1/30(火)12月失業率、同有効求人倍率、独、ユーロ圏10−12月期GDP速報値、米1月カンファレンスボード消費者信頼感指数、同12月雇用動態調査、FOMC(31日まで)

1/31(水)  日銀金融政策決定会合の主な意見公表(1月22〜23日開催分)、12月鉱工業生産、中国1月製造業PMI、独1月消費者物価指数、米1月ADP雇用報告、同1月シカゴPMI、FOMC政策金利発表、パウエル議長会見

2/ 1(木)  中国1月財新製造業PMI、ユーロ圏1月消費者物価指数、英中銀政策金利発表、米週間新規失業保険申請件数、同1月ISM製造業景況感指数、同12月建設支出

2/ 2(金)  米1月雇用統計

29日(月)、前週末の大幅安の反動や、米国市場でNYダウが最高値を更新して終えていたことなどが買い材料となり、東京市場は小幅高で取引が始まった。日経平均は上昇して始まったあと、米国市場で半導体関連株の値動きを示すSOX指数が2.9%安となっていたことから国内の半導体関連株の上値が重く、しばらくもち合いが続いた。一方でバリュー株が買われて指数の下支えになると、10時半頃から半導体関連株の売りが一巡して買いが優勢となり、日経平均は36,000円台を回復して午前の取引を終えた。また午後に入ってからも買われ、36,186円をつけるなど一時435円高となる場面があったが、この週から国内企業の業績発表が本格化することや、米FOMCを控え積極的な買いが続かず伸び悩んで終えた。ただ、伸び悩んだものの2営業日ぶりに36,000円台を回復して終えた。
30日(火)、米国市場で主要3指数が揃って上昇して終えるなか、NYダウとS&P500が過去最高値を更新して終えていたことが好感され、東京市場は続伸して始まった。日経平均は上げ幅を広げると、36,249円をつけるなど一時222円高となる場面があったが、買いが一巡するとFOMCや米雇用統計などの結果発表を控え、積極的な買いが続かず、上げ幅を縮めて午前の取引を終えた。また午後に入ってからもち直し、この日の高値圏まで上昇したものの他のアジア市場で香港ハンセンや上海総合指数が下落していたことから買いが続かず伸び悩んで終えた。TOPIXは反落となった。
31日(水)、米国市場でNYダウが4営業日連続で高値を更新して終えていたものの、取引終了後に発表されたアルファベットやマイクロソフトの決算が嫌気され、時間外で下落していたことが東京市場の売り材料となった。日経平均は先物主導で下落して始まり、35,704円をつけるなど一時361円安となる場面があった。その後安値圏で下げ渋ってもち合いが続いたが、147円台前半で推移していたドル円が10時半ごろから円安に振れると、先物に買い戻しが入って下げ幅を縮めた。また、小幅なプラスで午前の取引を終えていたTOPIXがバリュー株の上昇で上げ幅を広げると、日経平均もプラスに浮上して取引終了まで上げ幅を広げて終えた。TOPIXは高値引けとなっている。
1日(木)、注目された米FOMCの結果やパウエルFRB議長の会見での発言を受け、利下げ期待が後退したことからNYダウなど主要株価指数が揃って下落して終えていたことが東京市場の売り材料となった。日経平均は反落して始まり36,000円を割り込んだが、国内企業の業績発表が本格化するなか、期待もあって36,000円を挟んで強弱が対立する値動きとなった。一方、為替市場でドル円が146円台で推移するなど円高で推移していたことが上値の重石になると、午後に入って35,924円をつけるなど一時362円安となる場面があった。ただ、時間外のNYダウ先物がプラス圏で推移していたことなどが買い戻しにつながり、下げ渋って終えた。
2日(金)、NYダウなど主要指数が揃って反発して終えていたことが好感され、東京市場は反発して始まった。日経平均は36,000円台を回復して始まったあと売り物に押されて上げ幅を縮める場面があったが、36,000円を維持すると切り返し、11時頃に36,441円をつけるなど一時429円高となる場面があった。一方午後に入ると、雇用統計の発表を控えて利益確定と見られる売りが優勢となったことに加え、為替市場でドル円が146円台で推移するなど、NY市場のドルの下落が東京市場でも続いたことが重石となり、上げ幅を縮めて終えた。

今週の展望(2/5〜2/9)

今週の主なイベント

2/5(月)  米ISM非製造業景況感指数

2/6(火)12月家計調査、豪準備銀行政策金利発表、ユーロ圏12月小売売上高

2/7(水)  12月景気動向指数、タイ中銀政策金利発表、独12月鉱工業生産、米12月貿易収支

2/8(木)  12月国際収支、1月景気ウォッチャー調査、中国1月消費者物価指数、同1月卸売物価指数、インド準備銀行政策金利発表、米週間新規失業 保険申請件数

2/9(金)  オプションSQ、上海市場休場(春節で16日まで)

先週はFOMCや米1月雇用統計など、重要なイベントや経済指標の発表が相次いだが、雇用統計で非農業者部門の雇用者数が予想を大幅に上回ったことから、米国景気の底堅さが確認され3月の利下げ期待が後退する結果となった。
一方で、米長期金利は上昇したものの、米国株ではNYダウが過去最高値を更新するなど、上昇トレンドが継続しており、イベントを通過したことから、今後益々企業業績に注目が集まることになると思われる。
そうしたなか、今週のスケジュールは別表の通りとなっている。米国で注目されるのは、ISM非製造業景況感指数になると思われる。予想では、前回(50.6)を大幅に上回る52.0の予想となっており、米国の景況感の強さが再確認されるようだと、米長期金利が再上昇するとともに、ドルが上昇して円安に振れ、国内の輸出関連株の下支えや押し上げにつながることが期待される反面、予想や前回の結果を下回るようだと、一気に長期金利が低下するとともにドルが売られ、東京市場の売り材料となることが考えられ、結果と債券や為替市場の値動きには注意しておく必要があると思われる。
続いては国内についてだ。注目されるのは景気ウォッチャー調査とSQだ。前回の景気ウォッチャー調査では、足元は景況感の判断の分かれ目とされる50を上回ったが、数カ月先を見る先行き判断は50を下回るとともに前回より低下しており、今回、足元と先行きの両方が前回結果を上回るのかが注目される。
仮に前回を上回る結果になったり、先行き判断が50を上回ったりするようだと、国内の景況感が上向きに変化していることが確認され、内需関連株の業績期待が高まるとともに、株価の下支えや押し上げにつながることが考えられる反面、予想や前回を下回って悪化するようだと、景気の先行きに対する不安が高まり、内需関連株の売り材料になることが考えられ要注意だ。
また、今週も国内企業の業績発表が多く予定されている。先週末の日経平均のPERは16.05倍で、EPSは2,252円となっている。仮に業績発表が進むにつれ、EPSが上昇してPERが低下するようだと、株価の上昇期待が高まることが考えられる反面、EPSが低下してPERが上昇したりするようだと、業績への期待が後退するとともに、利益確定売りに押されることが考えられ、トレンドの転換に注意する必要があると思われる。
最後は中国についてだ。注目されるのは、1月の消費者物価指数と同卸売物価指数になると思われる。予想では、ともにマイナスとなる見込みで、消費者物価指数は前回を下回る前年同月比−0.5%と予想されている。
これらの結果が予想を下回るようだと、中国景気の悪化がこれまで以上に意識されるとともに、国内の中国関連株の売り材料となることが考えられ要注意だ。
一方で、予想を上回る結果になるようだと、中国景気に対する警戒が和らぎ、中国関連株の下支えにつながることが考えられ、結果と株価の反応に注目する必要があると思われる。

チャートから読み解く!今週の投資戦略

前回は、「上向きの+1σ上を回復して維持できるかが注目ポイント」とした。また、「+1σを下回ったままで推移するようだと、上昇中の25日移動平均線に接近したり、下回ったりすることが視野に入るため、買いポジションを持っている投資家は損失の発生や拡大に注意する必要がある」としたが、ボリンジャーバンドの上向きの+1σを下回って推移したが、+1σに引っ張り上げられるような形となり、+1σに沿って上昇しているのが分かる。そのため今週は、引き続き+1σに沿って上昇が続くかが注目ポイントだ。
仮に上向きの+1σに沿って上昇が続くようだと、36,000円台を維持することが期待される。また、+1σを上回って維持するようだと、37,000円に接近したり、上回ったりすることが視野に入るため、売りポジションを持っている投資家は、売り乗せは控えるとともに買い戻すタイミングを逃さないようにする必要がある。
一方で、+1σに沿って上昇しても上回ることができずに反落したり、+1σに届かなくなって36,000円を割り込み、乖離が広がったりするようだと、25日移動平均線に接近したり、下回ったりすることが考えられ、買いポジションを持っている投資家は損失の発生や拡大に注意する必要がある。
そうしたなか、上昇と下落の勢いを教えてくれるモメンタムを見ると、モメンタムとその移動平均線であるシグナルの両方が、上昇と下落の勢いの判断の分かれ目となる100ライン上で下向きに変化して週末の取引を終えているのが分かる。そのため今週は、2本線が100ライン上を維持できるかが注目ポイントだ。
仮に2本線がともに100ライン上を維持したり、下回っても直ぐに上向きに変化して100ライン上を回復して上昇したりするようだと、+1σに沿って上昇が続いたり、+1σを上回って推移したりすることが考えられ、売りポジションを持っている投資家は、買い戻すタイミングを逃さないようにする必要があろう。
一方で、2本線の低下が続くとともに、100ラインを下回って水準が切り下がるようだと、下落の勢いが強まって、+1σを下回ったまま戻せなくなったり、25日移動平均線辺りまで下落したりすることが考えられるため、買いポジションを持っている投資家は要注意だ。

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