1/29週は、+1σ上を回復して維持できるか注目の週
2024/1/29(月)
先週の振り返り(1/22〜1/26)
先週の主なイベント
1/22(月) 日銀金融政策決定会合(23日まで)
1/23(火) 日銀展望リポート、植田日銀総裁会見
1/24(水) 12月貿易統計、独1月製造業・サービス業PMI、ユーロ圏1月製造業・サービス業PMI、米1月製造業・サービス業PMI
1/25(木) 12月全国百貨店売上高、独1月Ifo景況感指数、ECB理事会、ラガルドECB総裁会見、米週間新規失業保険申請件数、同12月耐久財受注、同10−12月期GDP速報値、米12月新築住宅販売件数
1/26(金) 1月東京都区部消費者物価指数、米12月個人所得、個人消費支出、同12月中古住宅販売仮契約指数
22日(月)、前週末のNY市場で、ダウとS&P500が過去最高値を更新したことや、半導体関連株が買われSOX指数が前日比+4.02%と、大幅高で過去最高値を更新していたことが東京市場の買い材料となった。日経平均、TOPIXともに窓をあけて上昇して始まった。日経平均は取引開始後に株価水準を切り上げたあと、中国人民銀行が実質的な政策金利であるLPRを据え置いたと伝わると、先物主導で利益確定と見られる売り物が出て上げ幅を縮める場面があった。また、午後に入ってからもち合いが続いていたが、大型株が買われてTOPIXが水準を切り上げると、日経平均も取引終了にかけて水準を切り上げ、日経平均、TOPIXともにこの日のほぼ高値で終えた。
23日(火)、米国市場でハイテク株が買われ、NYダウとS&P500が連日で過去最高値を更新したことが東京市場の買い材料となり、東京市場は続伸して始まった。日経平均は小幅高で始まったあと36,900円台に乗せて午前の取引を終えた。一方昼休み中に日銀金融政策決定会合の結果が現状維持と伝わると、午後に入って36,984円をつけるなど一時437円高となる場面があったが、市場の予想通りだったことから材料出尽くしとなったことに加え、展望リポートに物価見通しが「実現する確度は、引き続き、少しずつ高まっている」と記載されていたこともあって先物主導で利益確定と見られる売り物におされて上げ幅を縮め110円安となった。ただ、売り込む動きは見られず、3営業日ぶりの小幅反落で終えた。
24日(水)、前日の利益確定売りの流れが続き、小幅安で始まったあと下げ幅を広げる展開となった。日経平均は101円安で始まり、そのまま下げ幅を広げたが、売り一巡すると買い戻されるなど強弱が対立した。一方、為替市場で日銀の金融政策の正常化が近いのではといった見方が広がって円が買われ、午後に入って1ドル148円を割り込むと、日経平均も連動して下げ幅を広げる展開となり、36,104円をつけるなど一時412円安となる場面があった。ただ、取引終了にかけて買い戻され下げ幅を縮めて終えた。
25日(木)、朝方は売り先行で始まり、しばらくマイナス圏でのもち合いが続いたあと、上値の重たさから売り物が膨らんで下げ幅を広げる展開となり、日経平均は36,000円を割り込むと、一時313円安となる場面があった。ただ、36,000円を割り込んだ水準では、業績や株価の先行きに対する期待から買いが優勢となって午前の取引を終えると、午後に入って、為替市場でドルが買われ1ドル147円台後半をつけるなど円安に振れていたことや、他のアジア市場で香港ハンセンや上海総合指数がプラス圏で推移していたことなどが買い安心感につながり、午前中から底堅い値動きをしていた半導体関連株が上げ幅を広げて日経平均を押し上げ、小幅な反発で終えた。
26日(金)、米国市場でNYダウとS&P500が過去最高値を更新するなど、米主要株価指数は堅調に推移していたものの、半導体関連株の値動きを示すSOX指数が反落して終えていたことが東京市場の売り材料となった。日経平均は半導体関連株を中心に売り先行となり、取引開始後に36,000円を割り込んだあと、一時36,000円台を回復する場面があった。ただ、週末で利益確定売りが出やすかったことや、225先物にまとまった売りが出たことから値を保つことができずに売り直されると、35,687円をつけ548円安となったあとわずかに下げ幅を縮めたが、昨年12月21日以来となる大幅安で取引を終えた。
今週の展望(1/29〜2/2)
今週の主なイベント
1/29(月) 特になし
1/30(火)12月失業率、同有効求人倍率、独、ユーロ圏10−12月期GDP速報値、米1月カンファレンスボード消費者信頼感指数、同12月雇用動態調査、FOMC(31日まで)
1/31(水) 日銀金融政策決定会合の主な意見公表(1月22〜23日開催分)、12月鉱工業生産、中国1月製造業PMI、独1月消費者物価指数、米1月ADP雇用報告、同1月シカゴPMI、FOMC政策金利発表、パウエル議長会見
2/ 1(木) 中国1月財新製造業PMI、ユーロ圏1月消費者物価指数、英中銀政策金利発表、米週間新規失業保険申請件数、同1月ISM製造業景況感指数、同12月建設支出
2/ 2(金) 米1月雇用統計
今週後半から2月相場入りとなるが、米金融政策や経済指標の発表が予定されているほか、国内では3月期決算企業の第3四半期の業績が発表されるため、米国市場の動向や国内企業の業績の行方に注目が集まりそうだ。
今週のスケジュールは別表の通りとなっているが、これらのなかで最も注目されるのは、FRBの金融政策とパウエル議長の会見での発言のほか、ISM製造業景況感指数や雇用統計になるのではないかと思われる。
今回のFOMCでは金融政策の変更はないと市場では見られているものの、議長が会見でハト派的な発言を行うようだと、米国株にとっては下支えや押し上げにつながることが期待される反面、タカ派的な発言を行うようだと、米長期金利が上昇してドルの上昇につながったり、米国株の売り材料となったりすることが考えられ、FOMCの結果と会見での議長の発言に対する株、為替市場の反応に加え、東京市場への影響に注意する必要があろう。
また、1月ISM製造業景況感指数と1月雇用統計については、ISM製造業景況感指数は前回よりわずかに低下する予想となっているほか、雇用統計は、失業率が前回より上昇するとともに非農業者部門の雇用者数は減少すると予想されている。
そのため、これらの結果が予想を上回るようだと、米国景気の底堅さが意識されるとともに、利下げ期待が後退しそうだが、本格化する業績発表の結果が予想を上回るようだと、株式市場へのマイナスの影響は限定的になるのではないかと思われ、業績結果にも注意しておきたい。
続いては国内についてだ。注目されるのは、日銀金融政策決定会合の主な意見と鉱工業生産のほか、国内企業の業績になるのではないかと思われる。1月に開催された日銀金融政策決定会合では、「物価目標実現の確度が高まっている」とされたが、日銀金融政策決定会合の主な意見のなかで、金融政策の正常化に向けた議論が行われているようだと、国内の長期金利が上昇して円高に振れるとともに、株の売り材料となることが考えられ、取引時間中の先物の反応には注意しておきたい。
また、12月鉱工業生産と業績発表についてだが、前回を上回ってプラスに浮上する予想となっており、製造業の回復が見込まれている。仮に予想通りや予想を上回る結果になるようだと、東京市場の下支えや押し上げにつながることが期待される反面、予想を下回ってマイナスが続くようだと、今後の業績発表の結果次第では、売り材料となることが考えられ要注意だ。
その業績発表についてだが、日米で注目されるところでは、NEC、アルファベット、マイクロソフト、キヤノン、アドバンテスト、スクリーンHD、日立、商船三井、アップル、アマゾン、みずほFGなど、日米の指数採用銘柄の発表が多く予定されている。
これらの結果発表が進むにつれ一株当たり利益が上昇するようだと、株価の割安感が意識され、株価の下支えや押し上げ要因になることが期待される反面、一株当たり利益が低下するようだと、上値が重たくなったり、下落基調に変化したりすることが考えられるため、結果と株価の反応に加え、日経平均など指数の一株当たり利益にも注意し、売買判断に役立てたいところだ。
最後はユーロ圏についてだ。注目されるのは、ユーロ圏10−12月期GDP速報値になると思われる。10−12月期GDP速報値は、前期比でマイナスとなる予想だが、予想を下回るようだと、ECBの利下げ期待が高まり、ユーロの売り材料となることが考えられる反面、ユーロ圏の株価の下支えにつながることになるとともに、世界の株式市場の下支えにつながるのではないかと思われる。
チャートから読み解く!今週の投資戦略
前回は、「+2σに沿って上昇が続くかが注目ポイント」とした。また「先週と同様に+2σに沿って上昇できなくなるようだと、上向きを続ける+1σに接近したり、割り込んだりすることが考えられるため、買いポジションを持っている投資家は売り時を逃さないようにすることに加え、押し目買いは下げ止まりを確認してから行うようにしたい」とも指摘したが、23日に36,984円をつける場面があったが、+2σに沿って上昇できなくなると、指摘した通り上昇中の+1σを下回って終える結果となっているのが分かる。
そのため今週は、上向きの+1σ上を回復して維持できるかが注目ポイント。仮に+1σを下回ったままで推移するようだと、上昇中の25日移動平均線に接近したり、下回ったりすることが視野に入るため、買いポジションを持っている投資家は損失の発生や拡大に注意する必要がある反面、+1σ上を回復して維持するようだと、再び37,000円に接近したり、上回ったりすることが視野に入ると考えられるため、売りポジションを持っている投資家は買い戻すタイミングを逃さないようにしたいところだ。
そうしたなか上昇と下落の勢いを教えてくれるモメンタムを見ると、モメンタムとその移動平均線であるシグナルの両方が、急低下しているのが分かる。また、上昇と下落の勢いの判断の分かれ目となる100ラインに接近して週末の取引を終えている。
そのため今週は、100ライン上を維持できるかが注目ポイント。仮に100ラインを割り込んでも直ぐに戻して100ライン上を回復したり、100ライン上を維持して上向きに変化したりするようだと、ボリンジャーバンドの+1σ上を回復して反発期待が高まりそうだ。
一方で、2本線の低下が続くとともに、100ラインを下回って水準を切り下げるようだと、下落の勢いが強まるとともに25日移動平均線辺りまで下落したり、割り込んだりすることが考えられ、買いポジションを持っている投資家は損失の発生や拡大に注意するとともに、押し目買いは下げ止まりを確認してから慎重に行う必要があると思われる。

チャート形状が「上昇?」の出来高が多い5銘柄分析
※2024/1/26時点で、チャート形状銘柄分析機能を使用し、期間は1ヵ月、チャート形状が「上昇?」の出来高が多い5銘柄分析
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ボリンジャーバンドの+2σに沿って上昇が続くかやモメンタムの水準に注目 トレンドと売買タイミングを教えてくれるボリンジャーバンドを見ると、先週初めは上向きの+2σ上を推移していたが、週末には+2σを下回って終えているのが分かる。そのため今週は、+2σに沿って上昇が続くかが注目ポイントだ。仮に+2σに沿って上昇が続くようだと、8月4日につけた高値に接近したり、上回ったりすることが視野に入る反面、+2σに届かなくなるようだと、上向きの+1σに接近したり下回ったりすることが考えられるため、保有者は売り時を逃さないようにする必要があると思われる。そうしたなか、上昇と下落の勢いを教えてくれるモメンタムを見ると、高水準にあるものの、週末に下向きに変化するとともに、モメンタムの移動平均線であるシグナルを下回って終えているのが分かる。そのため今週は、モメンタムとシグナルの両方が低下するかが注目ポイントだ。仮に2本線ともに低下するようだと、上向きの+1σに接近したり、割り込んだりすることが考えられよう。特に1月19日の水準を下回ったときには下落の勢いが強まることが考えられ押し目買いは慎重に行いたいところだ。一方で、2本線が低下しても限定的だったり、上向きに変化して高水準で推移したりするようだと、+2σに沿って上昇が継続しそうだ。 |
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ボリンジャーバンドの+1σ上を回復できるかやモメンタムの水準に注目 トレンドと売買タイミングを教えてくれるボリンジャーバンドを見ると、先週半ばまで上向きの+2σに沿って上昇が続いていたが、23日に+2σを下回ると、週末にかけて下落が続き、上向きの+1σを下回って終えているのが分かる。そのため今週は、+1σ上を回復できるかが注目ポイントだ。仮に+1σ上を回復して維持するようだと、上昇トレンドが継続するとともに、分割後の上場来高値の更新が視野に入る反面、+1σを下回ったまま維持できなくなるようだと、上向きの25日移動平均線辺りまで下落したり、下回ったりすることが考えられ保有者は要注意だ。そうしたなか、上昇と下落の勢いを教えてくれるモメンタムを見ると、モメンタムとその移動平均線であるシグナルの両方が急低下しているのが分かる。そのため今週は、2本線の低下が続くかが注目ポイントだ。仮に2本線の低下が続くとともに、上昇と下落の勢いの判断の分かれ目となる100ラインを下回って戻せなくなるようだと、下落の勢いが強まって25日移動平均線を下回ることが警戒される反面、100ラインを割り込んでも直ぐに反転したり、100ライン上を維持して上昇したりするようだと、+1σ上を回復して高値更新の期待が高まるのではないかと思われる。 |
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75日移動平均線上を維持できるかやモメンタムの上昇が反発のカギ 日足チャートを見ると、先週24日に5日移動平均線を下回ると、5日移動平均線が上値の抵抗になって株価水準が切り下がって終えているのが分かる。そのため今週は、5日移動平均線に上値が押さえられるなか、75日移動平均線で下げ止まるかが注目ポイント。仮に75日移動平均線上で下げ止まるようだと、下向きの5日移動平均線を上回って反発することが期待されるとともに、上向きの25日移動平均線が75日移動平均線を上回るゴールデンクロスの発生も視野に入る反面、5日移動平均線に押し返されたままで推移するようだと、75日移動平均線を下回って25日移動平均線辺りまで下落することが考えられ、保有者は損失の発生や拡大に要注意。そうしたなか、上昇と下落の勢いを教えてくれるモメンタムを見ると、モメンタムが、上昇と下落の勢いの判断の分かれ目となる100ライン上で推移しているのが分かる。そのため今週は、モメンタムが上昇するかが注目ポイントだ。仮にモメンタムが上昇してモメンタムの移動平均線であるシグナルを上回るようだと、75日移動平均線上を維持することが期待される反面、100ラインを割り込んで戻せなくなるようだと、75日移動平均線割れに要注意。 |
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ボリンジャーバンドの上向きの+1σ割れとモメンタムの急低下に要注意 トレンドと売買タイミングを教えてくれるボリンジャーバンドを見ると、先週の初めは上向きの+2σに沿って上昇が続いていたものの週末に売られ、+2σを割り込むとともに上向きの+1σに接近して終えている。そのため今週は、+1σ上を維持できるかが注目ポイントだ。仮に+1σ上を維持するようだと、上昇トレンドの継続が期待される反面、+1σを下回って戻せなくなるようだと、25日移動平均線辺りまで下落したり、割り込んだりすることが考えられ、保有者は要注意だ。そうしたなか上昇と下落の勢いを教えてくれるモメンタムを見ると、モメンタムが急低下し、モメンタムの移動平均線であるシグナルを下回っているのが分かる。そのため今週は、2本線の低下が続くかが注目ポイントだ。仮に2本線ともに低下して、上昇と下落の勢いの判断の分かれ目となる100ラインに接近したり下回ったりするようだと、+1σを下回るとともに25日移動平均線も下回ることが視野に入る反面、2本線が低下しても限定的だったり、100ライン上で下げ止まって上向きに変化したりするようだと、+1σや25日移動平均線上で下げ止まるとともに、反発期待が高まって+2σに接近することが考えられよう。 |
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200日移動平均線上を維持できるかやモメンタムの上昇継続がカギ 日足チャートを見ると、先週末にかけての上昇で、上向きの5日移動平均線上を維持するとともに下向きの200日移動平均線を上回って終えているのが分かる。そのため今週は、200日移動平均線上を終値で維持できるかが注目ポイントだ。仮に200日移動平均線上を維持するようだと、5日移動平均線が200日移動平均線を上回ってゴールデンクロスが発生するとともに25日移動平均線も上昇が続いて200日移動平均線に接近することが考えられ、中長期の上昇トレンド回復が視野に入る反面、200日移動平均線上を維持できずに割り込むようだと、5日移動平均線を割り込むとともに、上向きの25日移動平均線辺りまで下落したり、割り込んだりすることが考えられ、高値掴みにならないよう売買タイミングに注意が必要と思われる。そうしたなか、上昇と下落の勢いを教えてくれるモメンタムを見ると、上昇と下落の勢いの判断の分かれ目となる100ライン上で下げ止まり、モメンタムがその移動平均線であるシグナルを上回るとともに2本線が上向きに変化しているのが分かる。そのため今週は、2本線の上昇が続くかが注目ポイントだ。仮に2本線の上昇が続くようだと、上昇の勢いが強まって200日移動平均線上を維持することが視野に入る反面、2本線が下向きに変化して100ラインを割り込むようだと、200日や5日移動平均線割れに要注意だ。 |
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