2025-12-12 03:44:29

マーケット > レポート > eワラントを極める!

eワラントを極める!

更新 : 14/6/23 10:00(毎週第1営業日10:00頃更新)

アブラで相場の先を読む?

「原油価格が急騰すると、海外からの原油輸入に依存する国々、特に非産油国の新興国経済が大きなダメージを受け、通貨下落に伴う輸入インフレが庶民の生活を直撃し、政情不安と景気後退を招く。それが先進国の多国籍企業の株価を下げ、株式市場全体の暴落につながる」というのが、多くの方がなんとなく感じている原油価格と株価の関係のように思われます。そこで、過去20年の値動きを調べてみました。

■まずはWTI原油とブレント原油の違いから テレビのニュースなどで報道される原油価格はWTI原油(ウェスト・テキサス・インターミディエート)というアメリカ産の軽質原油がほとんどです。この原油は先物市場の流動性が高く、多くのデリバティブ取引でもこれを指標にしています。ところが、近年のシェールガス革命によってアメリカでは原油価格が上がり難くなっていて、国際的な原油相場との乖離が指摘されるようになっています。このため、日本やインドが多く輸入する中東産原油や中国が大量に購入するアフリカ産原油は、WTI原油よりも、ヨーロッパの北海油田で採れる原油の指標であるブレント原油に連動するようになったといわれています。この結果、2010年以降はWTI原油とブレント原油の乖離が顕著に大きくなりました(図1)。この観点から言えば、原油価格の世界経済への影響を分析する場合にはWTI原油よりもブレント原油を使った方がよさそうです。

図1:WTI原油とブレント原油価格の推移

図1

(出所:ロイター)

■原油価格と株式相場
ブレント原油価格と、日経平均、S&P500、中国本土株指数(H株指数)、インドNIFTY指数の値動きを、1995年12月を100として比較したのが図2です。

図2:ブレント原油価格と日米中印の株価

図2

(出所:ロイター、eワラント証券)

日本株が「失われた20年」で低迷する一方、原油価格とインド株が大きく上昇していること、中国本土株は2007年の高値に戻っていないこと(日本も同じですが)、2008年の原油価格の急騰の後に各国株式の暴落があったものの他のミニスパイク(急騰・急落)では株価との関係が読みにくいといえそうです。
そこで、世界に取り残されて低迷していた日本株を分析対象からはずし(上がっていなくても暴落時は一緒に下げるので)、変化が分かりやすいように対数目盛にしたのが図3です。

図3:ブレント原油価格と米中印の株価(対数目盛)

図3

(出所:ロイター、eワラント証券)

これでかなり関係が見やすくなりました。これから見ると原油価格と各国の株価には下記のような関係がありそうです。

◎株価が下がり始めている時に原油価格が急騰すると(図の黄色の2つの矢印)、株価がさらに大きく下げる
◎原油価格が急騰しても、各国の株価が上昇トレンドにあれば必ずしも株価下落シグナルとはならない(図の緑の矢印)
◎中国本土株よりは米国株・インド株の方が原油価格との関連きが分かりやすそう
◎原油などのコモディティ価格は景気の一致指数、株価は景気の先行指数なので、原油価格は株価に遅行するという従来から知られている関係もいくらか残っている

■投資に活かすには
原油と各国株価の値動きが今後も過去と似たような動きをすると考えるのであれば、最も注意すべき兆候は「米国株やインド株が大きく下げた時に原油が高騰する場合」です。直接の原油価格高騰の引き金としては、イラク内戦激化、イランと米国の軍事紛争、コモディティ投機の再燃などが想定されます。こういった状況では株式や投資信託のロング(買い)ポジションを手仕舞うとともに、NYダウプットの買い、日経平均マイナス3倍トラッカーの買い、ブレント原油プットの買いなどの利用が有効と思われます。

一方、原油と米国株やインド株が上昇しているのに原油価格が出遅れているような局面では、株価が調整するまでは原油価格が上昇する余地がありそうです。この場合は、例えば国際資源開発帝石や石油資源開発などの個別株、ブレント原油コールなどに投資妙味があると考えられます。

(念のため付言しますと、上記は筆者の個人的な見解であり、eワラント証券の見解ではありません。)

eワラント証券 チーフ・オペレーティング・オフィサー 土居雅紹(どい まさつぐ)

情報満載のeワラント メルマガ登録(無料)はこちら

ご注意事項

  • eワラント、ニアピンeワラントおよびトラッカーeワラントは取引時間内であっても取引が停止されることがある等、リスクがあります。詳しい情報はホームページの「手数料及びリスク説明:必ずお読み下さい」をご参照下さい。
  • 本資料は情報の提供を目的としており、本資料によって何らかの行動を勧誘するものではありません。本資料は信頼できると思われる情報に基づいて作成されておりますが、当社は本資料が正確、完全あるいは/且つ最新のものである事を表明するものではなく、またその責任も負いません。尚、当社及び当社の関連会社、役員、社員その他本資料の作成に携わった関係者が本資料に記された企業の証券または(オプションなどの)派生商品の買い持ちや売り持ち、及び売買を時として行うことがあり得ます。本資料に掲載されている内容の著作権は、原則としてeワラント証券に帰属します。事前に当社の書面による許可なく、本文の一部または全部を第三者へ再配布することを禁じます。
  • eワラント(カバードワラント)は、対象原資産である株式(上場投資信託等を含む)・株価指数、預託証券、通貨(リンク債)、コモディティ(リンク債)の価格変動、時間経過(一部の銘柄を除き、一般に時間経過とともに価格が下落する)や為替相場(対象原資産が国外のものの場合)など様々な要因が価格に影響を与えるので、投資元本の保証はなく、投資元本のすべてを失うおそれがあるリスクが高い有価証券です。また、対象原資産に直接投資するよりも、一般に価格変動の割合が大きくなります(ただし、eワラントの価格が極端に低い場合には、対象原資産の値動きにほとんど反応しない場合があります)。
  • ニアピンeワラント(カバードワラント)は、対象原資産である株価指数や為替相場の変動や、時間経過(同日内を含む)など様々な要因が価格に影響を与えるので、元本の保証はなく投資元本のすべてを失うおそれがあるリスクが高い有価証券です。また、対象原資産に直接投資するよりも、一般に価格変動の割合が大きくなります。最大受取可能額は1ワラント当たり100円に設定され、満期参照原資産価格がピン価格から一定価格以上乖離した場合は満期時に価格がゼロになります。同一満期日を持つ全ての種類のニアピンeワラントを購入しても、投資金額の全てを回収することができない可能性があります。
  • トラッカーeワラント(カバードワラント)は、対象原資産である株価指数、通貨(リンク債)、コモディティ(リンク債)の価格変動や為替相場(対象原資産が国外のものの場合)など様々な要因が価格に影響を与える有価証券です。このため、投資元本の保証がなく、損失が生じる恐れがあります。トラッカーeワラントの価格は、eワラントに比べると一般に対象原資産の価格により近い動きをします(ただし、レバレッジトラッカーは同方向または逆方向に増幅されたような値動きとなります)が、任意の二時点間において対象原資産の価格に連動するものではありません。また、金利水準、満期日までの予想受取配当金及び対象原資産の貸株料等の変動によって、対象原資産に対する投資収益率の前提が変化した場合には、トラッカーeワラントの価格も影響を受けます。さらに、取引時間内であっても取引が停止されることがあります。詳細は、最新の外国証券情報をご参照ください。
  • SBI証券におけるカバードワラント取引手数料は無料です。また、お客様の購入価格と売却価格には価格差(売買スプレッド)があります。トラッカーeワラントの購入価格には年率で計算された管理コストが予め織り込まれています。管理コストは、計算時点におけるマーケット・メーカーのヘッジコスト(金利水準、ヘッジ対象の流動性、資金調達コスト等を含む)の予想に基づいて設定され、銘柄および購入時点によって異なる可能性があります。

商号等 / eワラント証券株式会社
金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第2526号
加入協会 / 日本証券業協会

提供:eワラント証券