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2017年セクター見通し
当社専属アナリストが、注目の業界を展望!
2017年重要セクター見通し
「小売、レジャー・アミューズメント セクター」
2017年重要セクター見通し : バイオ セクター │ 自動車、AI・ロボット セクター │ 小売、レジャー・アミューズメント セクター
2017年の小売、レジャー・アミューズメントセクターの展望は? |
「脱デフレ」の動きが強まる
2017年の小売セクターは、「脱デフレ」がキーワードとなろう。2016年は、大手小売業の値下げ、セールなどが目立ちデフレ傾向が強まったが、年末にかけて原油価格が反転上昇、円安傾向が一気に進んだ。人手不足などによる人件費の上昇基調も続いており、小売各社は値下げを行う原資が乏しくなってきている。一方、円安・株高が進んできていることで、インバウンドや富裕層の購買力は再び高まってきている。一時の異常な「爆買い」復活まではいかなくても、インバウンド消費の増加や富裕層による高額品の好調な販売が期待されよう。小売各社は、価格を引き上げることができる、高単価でも売れるような付加価値のある商品・サービスを提供できるかが問われる1年となろう。2017年は為替相場の動き、経済・消費環境が類似している2014年後半から2015年前半に活躍した銘柄に注目したい。
2017年のキーワードは? |
「モノ消費」から「コト消費」へ
「コト」の価値を付加できる商品・サービスを提供できる企業しか成長できない時代へ
日本の社会が成熟化、多くの人が既に必要な一通りの「モノ」を所有、「モノ」に対する欲求が弱まっている。その結果、「モノ」から、体験、思い出、人間関係、サービスなど「コト」へと人々の関心が移ってきている。物販を行う小売業であっても、「モノ」が売れない時代に対応し、実際に自分で作ってみるなど体験ができるとか、聖地巡礼のような(映画やアニメなどの)作品の思い出の地を巡るとか、同じ趣味の人たちとのつながりができるようなイベント等、と関連付けて消費を促すような工夫が必要となろう。「コト」の価値を付加できるような商品・サービスを提供できる企業しか、成長できない時代を迎えつつある。
小売、レジャー・アミューズメント市場における注目テーマは? |
2月からプレミアムフライデーがスタート
安売りのセールではなく、プチぜいたくを楽しんでもらうイベントに
2017年2月24日から官民連携の消費促進イベント「プレミアムフライデー」がスタートする。毎月、月末の金曜日には午後3時頃に退社、全国各地の百貨店、SC(ショッピングセンター)などにイベントやキャンペーンを企画してもらい、買い物や外食、旅行など幅広い分野の消費を喚起するのが狙い。米国の「ブラックフライデー」などのような安売りのセールではなく、プチぜいたくを楽しんでもらうイベントにしたい考えだ。どこまで定着し、どれくらいの消費刺激効果が表れてくるのか、小売、外食、観光関連企業等の企画力が問われよう。イベントなどを開催する百貨店、SC運営企業、ディナーレストランなど高級外食、テーマパークなどのレジャー関連企業等に注目したい。
田中 俊 (たなか しゅん)
SBI証券 投資調査部(小売、レジャー・アミューズメント業界担当 シニアアナリスト)
1988年に山種証券(現SMBCフレンド証券)入社、支店営業、投資情報部などを経て、山種調査センター(現SMBCフレンド調査センター)に出向。
以来、約20年に亘り、小売、レジャー・アミューズメント業界のアナリストとして、業界・企業分析に携わる。2016年12月より現職。トムソン・ロイター アナリスト・アワード・ジャパン2016にて、収益予想部門 ホテル・レストラン&レジャーで業種別1位。主力銘柄のカバーをしつつ、機動力を生かして、アナリストカバレッジの少ない地方銘柄、中小型銘柄の発掘にも注力。
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