金はイラン情勢の行方を確認
更新:2026/3/9
提供:ミンカブ・ジ・インフォノイド
金は原油高が続くかどうかも焦点
3月2日の週のニューヨーク金市場は、イラン戦争開始が支援要因になったが、安全資産のドル買いを受けて上げ一服となった。ただイラン戦争長期化の見方で原油高に振れたことが下支えになった。中心限月となる4月限は1月30日以来の高値5,434.1ドルを付けたのち、上げ一服となった。イラン戦争が続くなか、トランプ米大統領はイランの無条件降伏以外は受け入れないと述べた。イラン戦争が長期化するようならドル高が金の上値を抑えるとみられる。一方、ホルムズ海峡封鎖を受けてニューヨーク原油が2023年9月以来の高値92.61ドルを付けており、原油高が続くかどうかも焦点である。
トランプ米大統領はイラン攻撃で4つの目標を示した。イランのミサイル能力排除やイラン海軍の破壊、核兵器の道を断つことに加え、イランがテロ組織に武器や資金を提供したり、指揮したりできないようにすることが狙いだとした。4〜5週間を想定としている。イランは湾岸諸国に対してミサイルやドローンによる報復攻撃を実施し、ホルムズ海峡を封鎖した。ただホルムズ海峡について「封鎖するつもりもない」とし、米国とイスラエルに関係しない船舶の通過を認めるとした。一方、米大統領はイランの次期指導者としてハメネイ師の次男モジタバ師は受け入れられないと述べた。専門家会議で新たな最高指導者にモジタバ師が選出されたと伝えられており、米国やイスラエルの対応を確認したい。
2月の米ISM製造業購買担当者景気指数は52.4と前月の52.6からほぼ横ばいとなった。市場予想は51.8。節目を示す50を2カ月連続で上回ったが、投入価格指数が約3年半ぶりの高水準に上昇し、インフレの上振れリスクを示した。米ISM非製造業総合指数は56.1と前月の53.8から上昇した。堅調な需要を背景に2022年7月以来の高水準となった。2月の米雇用統計によると、非農業部門雇用者数が9万2,000人減少した。前月の12万6,000人増から反転し、予想外のマイナスとなった。失業率は4.4%と前月の4.3%から悪化した。米サンフランシスコ連銀のデイリー総裁は、低調な米雇用統計は労働市場を巡る懸念を浮き彫りにしたが、インフレの高止まりやイラン紛争に伴う原油高騰がもたらすリスクを考慮すると、米連邦準備理事会(FRB)の利下げを正当化するわけではないと述べた。
3月6日のニューヨークの金ETF(上場投信)の現物保有高は前週末比25.44トン減の1,075.89トンとなった。安全資産のドル買いを受けて投資資金が流出した。一方、米商品先物取引委員会(CFTC)の建玉明細報告によると、3月3日時点のニューヨーク金の大口投機家の買い越しは16万0,145枚となり、前週の15万9,177枚から拡大した。
2月27日のニューヨークの金ETF(上場投信)の現物保有高は前週末比22.58トン増の1,101.33トンとなった。トランプ関税の不透明感やイラン情勢に対する懸念を受けて投資資金が流入した。一方、米商品先物取引委員会(CFTC)の建玉明細報告によると、2月24日時点のニューヨーク金の大口投機家の買い越しは15万9,177枚となり、前週の15万9,915枚から縮小した。
1月2日のニューヨークの金ETF(上場投信)の現物保有高は前週末比6.00トン減の1,065.13トンとなった。調整局面を迎えるなか、投資資金が流出した。一方、米商品先物取引委員会(CFTC)の建玉明細報告によると、12月23日時点のニューヨーク金の大口投機家の買い越しは24万0,700枚となり、前週の23万3,978枚から拡大した。
NYプラチナは供給不足見通しが下支え
ニューヨーク・プラチナ4月限は1月30日以来の高値2,450.2ドルを付けたのち、安全資産のドル買いや金反落を受けて上げ一服となった。ワールド・プラチナ・インベストメント・カウンシル(WPIC)の四半期報告によると、第4四半期の投資需要は予想以上に強く、2025年のプラチナの供給不足は34トンに増加した。2026年は7トンの供給不足見通しとなり、4年連続で不足するとみられている。一方、中国の全国人民代表大会(全人代)で2026年の経済成長率目標を4.5〜5.0%に設定したという。中国のプラチナ需要が続くかどうかも焦点である。
プラチナETF(上場投信)の現物保有高は、5日のロンドンで11.25トン(前週末11.51トン)、6日のニューヨークで43.89トン(同44.47トン)、5日の南アで5.28トン(同5.28トン)となった。一方、米商品先物取引委員会(CFTC)の建玉明細報告によると、3月3日時点のニューヨーク・プラチナの大口投機家の買い越しは1万3,832枚となり、前週の1万3,240枚から拡大した。
ニューヨーク金はドル高と原油高でもみ合い
ニューヨーク金は、イラン戦争開始が支援要因になったが、安全資産のドル買いを受けて上げ一服となった。ただイラン戦争長期化の見方で原油高に振れたことが下支えになった。中心限月となる4月限は1月30日以来の高値5,434.1ドルを付けたのち、上げ一服となった。イラン戦争が続くなか、トランプ米大統領はイランの無条件降伏以外は受け入れないと述べた。イランのペゼシュキアン大統領は決して降伏しないと述べており、イラン情勢の行方を確認したい。
3月9日からの週の注目ポイント
| 9日 | 国際収支・経常収支(1月) |
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|---|---|---|
中国消費者物価指数(2月) |
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中国生産者物価指数(2月) |
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独鉱工業生産指数(1月) |
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| 10日 | 全世帯家計調査・消費支出(1月) |
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国内総生産(10-12月期2次速報) |
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中国貿易収支(2月) |
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独貿易収支(1月) |
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米中古住宅販売統計(2月) |
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| 11日 | 企業物価指数(2月) |
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独消費者物価指数(2月確報) |
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米消費者物価指数(2月) |
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米財政収支(2月) |
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| 12日 | 米新規失業保険申請件数 |
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米生産者物価指数(2月) |
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| 13日 | 英貿易収支(1月) |
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英鉱工業生産指数(1月) |
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ユーロ圏鉱工業生産(1月) |
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米国内総生産(10-12月期改定) |
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米個人所得・支出(1月) |
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米ミシガン大消費者信頼感指数(3月速報) |
※重要度を3段階で表示
金 (現物1oz.あたり) 日足 6ヵ月
<参照>SBI証券>マーケットデータより
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