金はイスラエル・米国のイラン攻撃が支援
更新:2026/3/2
提供:ミンカブ・ジ・インフォノイド
金はイランの新指導部の対応を確認
2月23日の週のニューヨーク金市場は、トランプ米政権の関税政策に対する不透明感やイラン情勢に対する懸念を受けて買い優勢となった。中心限月となる4月限は1月30日以来の高値5,299.0ドルを付けた。米国とイランの3回目の核開発協議が実施され、継続することで合意したが、米大統領は不満を示した。米大統領は一般教書演説でイランに言及し、世界最大のテロ支援国が核兵器を所有することは許さないと述べた。
イスラエルと米国は28日、イランを空爆し、イランの最高指導者ハメネイ師が死亡した。トランプ米大統領は1日、イランでの戦闘作戦は継続しており、全ての目標が達成されるまで続くと述べた。イランの政治家アリ・ラリジャニ氏は、臨時指導部を設置すると表明した。イランの憲法では最高指導者が死亡、退任した場合はイスラム法学者で作る専門家会議が後継者を指名する。ただこれまで各国の制裁でイラン経済が悪化するなか、全国規模の反政府デモに発展しており、イラン国民が新指導部を受け入れるかどうかも焦点である。米大統領は、イランの新指導部が対話を望んでいると述べており、今後のイランの行方を確認したい。
トランプ米政権は1974年通商法第122条に基づいた10%の新関税を発動し、24日から徴収を開始した。一方、米上院民主党は違法とされた関税の全額を180日以内に返還することを義務付ける法案を提出した。ただ米政権は、米最高裁が無効と判断した関税の還付を巡る訴訟について、手続きを先送りする方針を示した。司法省は、還付問題を扱う米国際貿易裁判所での訴訟再開について、最長4カ月の猶予を求めている。同省は「今後の複雑さを考慮すれば、拙速な対応ではなく、慎重な手順を踏むのが妥当だ」と主張した。米政府が徴収した相互関税は1,750億ドルを超えるとみられている。
2月の米消費者信頼感指数は91.2と前月から2.2ポイント上昇した。労働市場に対する認識の改善を背景に市場予想の87.0も上回った。米新規失業保険申請件数は前週比4,000件増の21万2,000件となった。安定した労働市場を背景に2月の失業率は横ばいになったとみられる。1月の米生産者物価指数(PPI)は前月比0.5%上昇し、市場予想の0.3%上昇を上回った。輸入関税によるコストが転嫁され、今後数カ月でインフレが加速する可能性を示唆した。米シカゴ地区連銀のグールズビー総裁は、米連邦準備理事会(FRB)は年内に複数回の利下げを実施するとの見通しを示した。ただ利下げを急ぎ過ぎれば景気が過熱し、インフレが加速する恐れがあるとして、慎重に対応しなければならないと改めて強調した。一方、国際通貨基金(IMF)のゲオルギエワ専務理事は、米経済について「新規企業の驚異的な成長」により、新規雇用が創出されるとの見通しを示した。
2月27日のニューヨークの金ETF(上場投信)の現物保有高は前週末比22.58トン増の1,101.33トンとなった。トランプ関税の不透明感やイラン情勢に対する懸念を受けて投資資金が流入した。一方、米商品先物取引委員会(CFTC)の建玉明細報告によると、2月24日時点のニューヨーク金の大口投機家の買い越しは15万9,177枚となり、前週の15万9,915枚から縮小した。
1月2日のニューヨークの金ETF(上場投信)の現物保有高は前週末比6.00トン減の1,065.13トンとなった。調整局面を迎えるなか、投資資金が流出した。一方、米商品先物取引委員会(CFTC)の建玉明細報告によると、12月23日時点のニューヨーク金の大口投機家の買い越しは24万0,700枚となり、前週の23万3,978枚から拡大した。
NYプラチナは金堅調につれ高
ニューヨーク・プラチナ4月限はトランプ関税の不透明感やイラン情勢に対する懸念、金堅調を受けて買い優勢となり、1月30日以来の高値2,419.9ドルを付けた。人工知能(AI)脅威論と株価の動向も当面の焦点である。米アンソロピックがAI「クロード」の無制限使用を迫った米国防総省の要求を拒否したが、オープンAIが米国防総省への導入で合意した。
プラチナETF(上場投信)の現物保有高は、26日のロンドンで11.54トン(前週末11.48トン)、27日のニューヨークで44.47トン(同44.19トン)、26日の南アで5.37トン(同5.37トン)となった。一方、米商品先物取引委員会(CFTC)の建玉明細報告によると、2月24日時点のニューヨーク・プラチナの大口投機家の買い越しは1万3,240枚となり、前週の1万2,347枚から拡大した。
ニューヨーク金は戻り高値を試す
ニューヨーク金は、トランプ米政権の関税政策に対する不透明感やイラン情勢に対する懸念を受けて買い優勢となった。中心限月となる4月限は1月30日以来の高値5,299.0ドルを付けた。米国とイランの3回目の核開発協議が実施され、継続することで合意したが、米大統領は不満を示した。イスラエルと米国は28日、イランを空爆し、イランの最高指導者ホメイニ師が死亡した。イランの政治家アリ・ラリジャニ氏は、臨時指導部を設置すると表明しており、イランの行方を確認したい。
3月2日からの週の注目ポイント
| 2日 | 中国RatingDog製造業購買担当者景況指数(2月) | |
|---|---|---|
| ユーロ圏製造業購買担当者景況指数(2月確報) | ||
| 米卸売在庫(1月速報) | ||
| 米ISM製造業景況指数(2月) | ||
| 3日 | 失業率(1月) | |
| ユーロ圏消費者物価指数(2月速報) | ||
| 4日 | 中国製造業購買担当者景況指数(2月) | |
| 中国非製造業購買担当者景況指数(2月) | ||
| 中国RatingDogサービス業購買担当者景況指数(2月) | ||
| ユーロ圏サービス業購買担当者景況指数(2月確報) | ||
| ユーロ圏雇用統計(1月) | ||
| ユーロ圏生産者物価指数(1月) | ||
| 米ADP雇用報告(2月) | ||
| 米ISM非製造業景況指数(2月) | ||
| 米地区連銀経済報告(ベージュブック) | ||
| 5日 | ユーロ圏小売売上高(1月) | |
| 米新規失業保険申請件数 | ||
| 6日 | 独製造業受注(1月) | |
| ユーロ圏域内総生産(10-12月期確報) | ||
| 米雇用統計(2月) |
※重要度を3段階で表示
金 (現物1oz.あたり) 日足 6ヵ月
<参照>SBI証券>マーケットデータより
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