金はトランプ関税の違法判決が支援
更新:2026/2/24
提供:ミンカブ・ジ・インフォノイド
金は米国のイラン攻撃の行方も焦点
2月16日の週のニューヨーク金市場は、ドル高に上値を抑えられたが、イラン情勢に対する懸念を受けて押し目を買われた。また米最高裁がトランプ米大統領の相互関税を違法と判断し、米大統領が1974年通商法122条に基づき新たな関税を課すと発表したことも支援要因になった。中心限月の4月限は週明けに1月30日以来の高値5,255.9ドルを付けた。
米最高裁は20日、トランプ米大統領が1977年国際緊急経済権限法(IEEPA)に基づき発動した相互関税を違法とする判断を下した。米大統領は1974年通商法第122条に基づき、24日から10%の新関税を発動する大統領令に署名した。21日には関税率を15%に引き上げると発表した。通商法122条は国際収支を巡る問題に対処するための関税を最長150日間課す権限を米大統領に与えるもので、延長する場合は米議会の承認が必要となる。またベセント米財務長官は、通商法301条(不公正貿易慣行の調査)や通商拡大法232条(国家安全保障を理由とする調査)に基づき関税を引き上げることができれば、2026年の関税収入は実質的に変化しないだろうと述べた。米大統領は「駆け引き」をしようとする国は、「これまでよりもはるかに高い関税」に直面すると警告した。
米国とイランは17日、スイスのジュネーブで核問題を巡る間接協議を実施した。協議終了後、イランのアラグチ外相は米国と主要な「指針となる原則」について理解に達したと述べた。トランプ米大統領は、イランが核開発計画を巡って合意しなければ「本当に悪いことが起きる」と警告した。また米国がイランに対する行動に踏み切る可能性については、今後10〜15日を期限とする考えを示唆した。イランと米国は26日にスイスのジュネーブでイランの核開発を巡る第3回協議を開催する見通しとなった。
1月の米消費者物価指数(CPI)は前年比2.4%上昇し、前月の2.7%から伸びが縮小した。市場予想は2.5%上昇。ガソリン価格や家賃の伸びが減速した。ただインフレは高止まりしており、米連邦準備理事会(FRB)は当面は金利を据え置くとみられている。また米新規失業保険申請件数は前週比2万3,000件減の20万6,000件となった。予想以上に減少し、労働市場の安定化を反映した。市場予想は22万5,000件だった。米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録で、利上げが必要になる可能性があると、幾人かの政策当局者が示唆した。12月の米個人消費支出(PCE)価格指数は、変動の大きい食品とエネルギーを除いたコアPCE価格指数が前月比0.4%上昇した。11月の0.2%上昇から伸びが加速し、市場予想の0.3%上昇も上回った。
2月20日のニューヨークの金ETF(上場投信)の現物保有高は前週末比1.71トン増の1,078.75トンとなった。予想以下の米消費者物価指数(CPI)を受けて押し目を買われた。一方、米商品先物取引委員会(CFTC)の建玉明細報告によると、2月17日時点のニューヨーク金の大口投機家の買い越しは15万9,915枚となり、前週の16万0,012枚から縮小した。
1月2日のニューヨークの金ETF(上場投信)の現物保有高は前週末比6.00トン減の1,065.13トンとなった。調整局面を迎えるなか、投資資金が流出した。一方、米商品先物取引委員会(CFTC)の建玉明細報告によると、12月23日時点のニューヨーク金の大口投機家の買い越しは24万0,700枚となり、前週の23万3,978枚から拡大した。
NYプラチナは株安が上値を抑える
ニューヨーク・プラチナ4月限はドル高が圧迫要因になったが、イラン情勢に対する懸念や金堅調を受けて押し目を買われた。週明けは5日以来の高値2,221.9ドルを付けたが、株安を受けて上げ一服となった。トランプ米大統領の新関税で先行き不透明感が出ており、株安に振れた。また人工知能(AI)脅威論も株安要因となった。今週は連休明けの中国勢の動向を確認したい。
プラチナETF(上場投信)の現物保有高は、19日のロンドンで11.51トン(前週末11.62トン)、20日のニューヨークで44.19トン(同43.91トン)、19日の南アで5.43トン(同5.64トン)となった。一方、米商品先物取引委員会(CFTC)の建玉明細報告によると、2月17日時点のニューヨーク・プラチナの大口投機家の買い越しは1万2,347枚となり、前週の1万2,084枚から拡大した。
ニューヨーク金は戻り高値を突破
ニューヨーク金はドル高に上値を抑えられたが、イラン情勢に対する懸念を受けて押し目を買われた。また米最高裁がトランプ米大統領の相互関税を違法と判断し、米大統領が1974年通商法122条に基づき新たな関税を課すと発表したことも支援要因になった。米大統領は「駆け引き」をしようとする国は、「これまでよりもはるかに高い関税」に直面すると警告した。一方、米国とイランの3回目の核開発協議は26日に予定された。テクニカル面では戻り高値を突破し、再び上値を試しつつある。
2月23日からの週の注目ポイント
| 23日 | 天皇誕生日、中国休場 |
|
|---|---|---|
| 24日 | 米S&Pケース・シラー住宅価格指数(12月) |
|
| 25日 | 独国内総生産(10-12月期確報) |
|
ユーロ圏消費者物価指数(1月確報) |
||
米新築住宅販売(1月) |
||
米消費者信頼感指数(2月) |
||
| 26日 | 米国内総生産(10-12月期改定) |
|
米個人所得・支出(1月) |
||
米耐久財受注(1月速報) |
||
米新規失業保険申請件数 |
||
| 27日 | 鉱工業生産指数(1月速報) |
|
小売業販売額(1月速報) |
||
独雇用統計(2月) |
||
独消費者物価指数(2月速報) |
||
米卸売在庫(1月速報) |
||
シカゴ購買部協会景気指数(2月) |
※重要度を3段階で表示
金 (現物1oz.あたり) 日足 6ヵ月
<参照>SBI証券>マーケットデータより
当コラムに関してご留意頂きたい事項
- 当コラムは投資判断の参考となる情報提供を目的としたもので、投資勧誘を目的としたものではありません。投資の最終決定はお客さまご自身の判断でなさるようお願いいたします。
- 当資料に示す意見等は、特に断りのない限り当資料作成日現在の (株) ミンカブ・ジ・インフォノイドの見解です。当資料に示されたコメント等は、当資料作成日現在の見解であり、事前の連絡なしに変更されることがあります。
- 本資料は当社が信頼できると判断したデータにより作成しましたが、その正確性、完全性等について保証・約束するものではありません。
ご注意事項
- 買付時の手数料は、売買代金の1.65% (税込)、売却時の手数料は無料です。
- 本取引は金・銀・プラチナの価格変動により、投資元本を割り込むことがあります。
-
本取引は、政治・経済情勢の変化および各国政府の貴金属地金取引への規制等による影響を受けるリスクがあります。
また、かかるリスクが顕在化した場合、当社の提供するサービスの全部、または一部が変更、停止されるリスクがあります。 - 本取引は為替相場の変動により損失を被ることがあります。
- 本取引は、システム機器、通信機器等の故障等、不測の事態による取引の制限が生じるリスクがあります。
- 本取引は売値 (Bid:お客さまが売ることの出来る値段) と買値 (Ask:お客さまの買うことのできる値段) の差 (スプレッド) があります。
- スプレッドは固定されるものではなく、需給バランスや、政治・経済情勢の変化にともない、当社の任意で変更いたします。