2026-05-20 01:39:55

金はAI脅威論の影響を確認

更新:2026/2/16

提供:ミンカブ・ジ・インフォノイド

金はイランの核開発協議も焦点

 2月9日の週のニューヨーク金市場は、ドル安やイラン情勢に対する懸念を受けて買い優勢となった。その後は人工知能(AI)脅威論の影響で株安に振れると上げ一服となったが、予想以下の米消費者物価指数(CPI)を受けて押し目を買われた。中心限月の4月限は1月30日以来の高値5,144.5ドルを付けた。AIがソフトウエア企業を始め、保険、資産運用、運輸など様々な産業を破壊するとの懸念が出ており、米株式市場の動向も確認したい。
 米国防総省は11日、追加的な空母打撃群を中東に展開する準備を行うよう指示した。トランプ米大統領は、イランに対して「1カ月」という期限を提示し、「合意しない場合、衝撃的な状況が起きるだろう」と述べた。米政権のウィットコフ中東担当特使とジャレッド・クシュナー氏は17日、ジュネーブでイランと交渉する。米大統領は13日、核協議が困難と断じた上で、イランで政権交代が起きる可能性について「起こり得る最善のことのように思える」と述べた。イランは攻撃されれば中東の米軍基地を攻撃するとしており、今後の行方を確認したい。
 米株式市場で、人工知能(AI)による混乱への懸念からテクノロジー株の売りが強まった。AIスタートアップのアンソロピックは法務やデータサービス、金融リサーチに至るまで、幅広い業界の業務を自動化することを狙った新たなツールを発表した。この発表を受け、技術革新が多くの企業の存続を脅かすとのAI脅威論が広がった。市場では「AIを取り込み、持続的に成長する企業も出てくるだろうが、事業モデルや将来性が恒久的に損なわれる企業もある」と指摘され、見極めが非常に難しいという。テクノロジー株のほかに物流関連株にも広がっており、各企業のAIツール発表に対してリスク回避の動きが出るかどうかが警戒される。
 12月の米小売売上高は前月比横ばいだった。市場予想の0.4%増を下回った。消費者が自動車やその他の高額商品への支出を控えたためとみられる。昨年末に個人消費と米経済全体の伸びが鈍化していた可能性が示唆された。一方、1月の米雇用統計によると、非農業部門雇用者数は前月から13万人増加した。市場予想の7万人増を大きく上回り、13カ月ぶりの大幅増となった。失業率は4.3%と前月の4.4%から改善した。ただ労働市場の状況が実質的に転換したと見なすべきではないとの見方も出ている。1月の米消費者物価指数(CPI)は前年比2.4%上昇し、前月の2.7%から伸びが縮小した。市場予想は2.5%。前月比は0.2%上昇と、前月の0.3%から鈍化した。ガソリン価格や家賃の伸びが減速した。ただインフレは高止まりしており、米連邦準備理事会(FRB)は当面は金利を据え置くとみられている。一方、米上院銀行委員会のメンバーであるティリス上院議員は、次期FRB議長に指名されたウォーシュ元理事について、パウエルFRB議長調査の問題が決着するまで承認を支持することはないとの考えを改めて示した。
 2月13日のニューヨークの金ETF(上場投信)の現物保有高は前週末比0.81トン増の1,077.04トンとなった。予想以下の米消費者物価指数(CPI)を受けて押し目を買われた。一方、米商品先物取引委員会(CFTC)の建玉明細報告によると、2月10日時点のニューヨーク金の大口投機家の買い越しは16万0,012枚となり、前週の16万5,604枚から縮小した。
 1月2日のニューヨークの金ETF(上場投信)の現物保有高は前週末比6.00トン減の1,065.13トンとなった。調整局面を迎えるなか、投資資金が流出した。一方、米商品先物取引委員会(CFTC)の建玉明細報告によると、12月23日時点のニューヨーク金の大口投機家の買い越しは24万0,700枚となり、前週の23万3,978枚から拡大した。

NYプラチナはもみ合い

 ニューヨーク・プラチナ4月限はドル安や金堅調が支援要因になり、5日以来の高値2,202.0ドルを付けたが、人工知能(AI)脅威論の影響で株安に振れると上げ一服となった。香港紙サウスチャイナ・モーニング・ポスト(SCMP)によると、米国と中国は4月初めに見込まれる米中首脳の北京での会談で貿易休戦を最長1年間延長する可能性があるという。今週の中国市場は春節で休場となるが、米中の貿易休戦が続くと、プラチナの安値は買い拾われることになりそうだ。3月の全国人民代表大会(全人代)で景気刺激策が打ち出されるかどうかも当面の焦点である。
 プラチナETF(上場投信)の現物保有高は、12日のロンドンで11.62トン(前週末11.21トン)、13日のニューヨークで43.91トン(同44.33トン)、12日の南アで5.64トン(同5.64トン)となった。一方、米商品先物取引委員会(CFTC)の建玉明細報告によると、2月10日時点のニューヨーク・プラチナの大口投機家の買い越しは1万2,084枚となり、前週の1万3,106枚から縮小した。

ニューヨーク金は堅調もAI脅威論の影響も焦点

 ニューヨーク金はドル安やイラン情勢に対する懸念を受けて買い優勢となった。その後は人工知能(AI)脅威論の影響で株安に振れると上げ一服となったが、予想以下の米消費者物価指数(CPI)を受けて押し目を買われた。中心限月の4月限は1月30日以来の高値5,144.5ドルを付けた。米国とイランの核開発協議が継続される見通しとなるなか、米国は別の空母打撃群を中東に派遣するとし、イランへの圧力を強めた。一方、AI脅威論を受けてリスク回避の動きが出ており、換金売りが出る可能性がある。テクニカル面では、戻り歩調だが、利食い売り主導の調整局面も警戒される。

2月16日からの週の注目ポイント

16日 中国、米国休場

国内総生産(10-12月期1次速報)

ユーロ圏鉱工業生産(12月)

17日 中国、香港休場

英雇用統計(1月)

独消費者物価指数(1月確報)

独ZEW景況感指数(2月)

米ニューヨーク連銀製造業景況指数(2月)

米企業在庫(12月)

18日 中国、香港休場

貿易収支(1月速報)

NZ準備銀行政策金利公表

英消費者物価指数(1月)

米住宅着工・許可件数(1月)

米輸出入物価指数(1月)

米鉱工業生産・設備稼働率(1月)

米FOMC議事録公表(1月27-28日)

対米証券投資(12月)

19日 中国、香港休場

機械受注(12月)

ユーロ圏国際収支(12月)

米新規失業保険申請件数

米フィラデルフィア連銀製造業景況指数(2月)

米中古住宅販売仮契約指数(1月)

20日 中国休場

消費者物価指数(1月)

独生産者物価指数(1月)

英小売売上高(1月)

ユーロ圏製造業購買担当者景況指数(2月速報)

ユーロ圏サービス業購買担当者景況指数(2月速報)

ユーロ圏購買担当者総合景況指数(2月速報)

米ミシガン大消費者信頼感指数(2月確報)

※重要度を3段階で表示

金 (現物1oz.あたり) 日足 6ヵ月

<参照>SBI証券>マーケットデータより

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