金は地政学的リスクが支援
更新:2026/1/13
提供:ミンカブ・ジ・インフォノイド
金はFRBの独立性に対する懸念で一代高値を更新
1月5日の週のニューヨーク金市場は、米国がベネズエラのマドゥロ大統領を拘束し、地政学的リスクの高まりを受けて買い優勢となった。予想以下の米雇用統計も支援要因になった。また週明けはトランプ米大統領がイランの反政府デモに対する介入を示唆したことや米連邦準備理事会(FRB)の独立性に対する懸念も支援要因となり、一代高値を更新した。
トランプ米大統領は、ベネズエラのマドゥロ大統領を拘束し、米国がベネズエラの原油販売を管理するとした。ベネズエラではロドリゲス副大統領が大統領に就任し、米国に対する協調姿勢を示した。ベネズエラ政府は、人権団体が政治犯だと指摘している収容者の釈放を開始しており、今後の行方を確認したい。一方、イランでは反政府デモで死者数が500人を超えたと人権団体が発表した。米大統領が介入を示唆したが、イランは米国から攻撃されれば報復措置を取ると警告した。
パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長は、FRB本部改修について昨年夏に行った議会証言を巡り、司法省から刑事訴追の可能性を示す大陪審への召喚状が届いたと明らかにした。同議長はFRBに対する利下げ圧力を強めるための口実だと指摘した。市場では米FRBの独立性に対する懸念が高まった。トランプ米大統領は1月20日からクレジットカードの金利に10%の上限を設けるよう求めている。次期FRB議長に対しても大幅な利下げを要求している。ただインフレが高止まりするなか、利下げを実施すればインフレが加速する可能性がある。
11月の米雇用動態調査(JOLTS)によると、求人件数は714万6,000件と前月から30万3,000件減少し、14カ月ぶりの低水準となった。市場予想は760万件。採用件数も減少し、関税措置など政策を巡る不透明感のほか、人工知能(AI)の導入などを背景に労働需要が減退している兆候を示唆した。12月の米雇用統計によると、非農業部門雇用者数は5万人増と、市場予想の6万人増を下回った。建設、小売、製造業での雇用減が目立った。ただ失業率は4.4%に低下、時間当たり賃金は前年比3.8%上昇と11月の3.6%から伸びが加速した。27〜28日の米連邦公開市場委員会(FOMC)では金利据え置きが見込まれている。
1月9日のニューヨークの金ETF(上場投信)の現物保有高は前週末比0.57トン減の1,064.56トンとなった。ブルームバーグ・コモディティ指数の年次リバランスで金のウェイトが引き下げられることなどを受けて投資資金が流出した。一方、米商品先物取引委員会(CFTC)の建玉明細報告によると、1月6日時点のニューヨーク金の大口投機家の買い越しは22万7,632枚となり、前週の23万1,173枚から縮小した。
1月2日のニューヨークの金ETF(上場投信)の現物保有高は前週末比6.00トン減の1,065.13トンとなった。調整局面を迎えるなか、投資資金が流出した。一方、米商品先物取引委員会(CFTC)の建玉明細報告によると、12月23日時点のニューヨーク金の大口投機家の買い越しは24万0,700枚となり、前週の23万3,978枚から拡大した。
NYプラチナは高値もみ合い
ニューヨーク・プラチナ4月限は地政学的リスクや金堅調が支援要因になったが、戻り高値を突破できず、利食い売りが出たことに上値を抑えられた。米連邦最高裁は9日にトランプ米政権の追加関税発動の合法性を巡る訴訟について判断を示さなかった。次は14日に判断を示される可能性があるが、関税を巡る不透明感はプラチナの上値を抑える要因である。一方、米連邦準備理事会(FRB)の独立性に対する懸念を受けてドル安が進むかどうかも確認したい。
プラチナETF(上場投信)の現物保有高は、8日のロンドンで11.07トン(前週末10.85トン)、9日のニューヨークで42.94トン(同43.95トン)、8日の南アで6.32トン(同6.47トン)となった。一方、米商品先物取引委員会(CFTC)の建玉明細報告によると、1月6日時点のニューヨーク・プラチナの大口投機家の買い越しは1万8,110枚となり、前週の1万8,042枚から拡大した。
ニューヨーク金は地政学的リスクなどが支援
ニューヨーク金は米国がベネズエラのマドゥロ大統領を拘束し、地政学的リスクの高まりを受けて買い優勢となった。トランプ米大統領がイランの反政府デモに対する介入を示唆したことも支援要因になった。また米連邦準備理事会(FRB)の独立性に対する懸念も支援要因となり、週明けに一代高値を更新した。高値更新でテクニカル面で強気である。
1月5日からの週の注目ポイント
| 12日 | 成人の日 | |
|---|---|---|
| 13日 | 国際収支・経常収支(11月) | |
| 米消費者物価指数(12月) | ||
| 米新築住宅販売(10月) | ||
| 14日 | 中国貿易収支(12月) | |
| 米経常収支(7-9月期) | ||
| 米小売売上高(11月) | ||
| 米生産者物価指数(11月) | ||
| 米企業在庫(10月) | ||
| 米中古住宅販売統計(12月) | ||
| 米地区連銀経済報告(ベージュブック) | ||
| 15日 | 企業物価指数(12月) | |
| 英貿易収支(11月) | ||
| 英鉱工業生産指数(11月) | ||
| ユーロ圏貿易収支(11月) | ||
| ユーロ圏鉱工業生産(11月) | ||
| 米貿易収支(11月) | ||
| 米新規失業保険申請件数 | ||
| 米輸出入物価指数(11月) | ||
| 米ニューヨーク連銀製造業景況指数(1月) | ||
| 米フィラデルフィア連銀製造業景況指数(1月) | ||
| 16日 | 独消費者物価指数(12月確報) | |
| 米鉱工業生産・設備稼働率(12月) |
※重要度を3段階で表示
金 (現物1oz.あたり) 日足 6ヵ月
<参照>SBI証券>マーケットデータより
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