2026-05-22 01:16:42

金は調整局面も地政学的リスクが下支え

更新:2026/1/5

提供:ミンカブ・ジ・インフォノイド

金は米雇用統計や次期FRB議長も焦点

 12月29日の週のニューヨーク金市場は、トランプ米大統領がウクライナのゼレンスキー大統領と和平案を協議し、大きな進展があったとしたことを受けて利食い売り主導の調整局面を迎えた。ただ中国が台湾周辺で軍事演習を実施したことや、トランプ米大統領とロシアのプーチン大統領の電話会談でウクライナ和平の見通しが不透明となったことが下支えになった。またCMEグループが貴金属先物の証拠金を1週間で2度引き上げたこともポジション調整を促す要因となった。一方、米軍がベネズエラのマドゥロ大統領を拘束した。国際社会が懸念を示しており、金の逃避買いが再開するのかどうかを確認したい。
 トランプ米大統領はウクライナのゼレンスキー大統領との和平案の協議で「大きな進展があった」と述べた。ただロシアのプーチン大統領と米大統領の電話会談で、プーチン大統領はウクライナ軍がロシア大統領公邸へのドローン攻撃を試みたとし、和平交渉におけるロシアの立場を見直す考えを示唆した。プーチン大統領はゲラシモフ軍参謀総長にウクライナ北東部の緩衝地帯を拡大するよう命じた。ロシアは撃墜したとするドローン(無人機)の映像を公開したが、ウクライナや西側諸国はねつ造との見方を示した。ゼレンスキー大統領は、戦争を長引かせるだけのぜい弱な和平合意に署名するつもりはないとした。また大統領府長官であったイェルマーク氏の後任に国防省情報総局(HUR)を率いるキリロ・ブダノフ氏を任命すると発表した。同氏は領土交渉では強硬派とされる。ウクライナ和平の行方を引き続き確認したい。
 中国人民解放軍は、台湾周辺で実弾射撃訓練を含む軍事演習を実施すると発表した。中国は台湾向け武器売却を受け、米国の防衛企業20社と個人10人を制裁対象に指定した。中国は「一つの中国原則」と「1992年コンセンサス」を前提条件に、台湾の「さまざまな政党」などとの間で中台関係や統一を巡る協議に応じる用意があるとした。
 トランプ米大統領は3日、米国がベネズエラを攻撃し、マドゥロ大統領を拘束したと述べた。米政権は麻薬密輸と政権の正統性を巡って同大統領に圧力をかけ続けてきた。米大統領は米国がベネズエラを運営し、巨大な石油埋蔵量を利用すると述べており、今後のベネズエラの行方を確認したい。国際社会は今回のマドゥロ大統領拘束懸念を示しており、各国の対応も確認したい。
 米新規失業保険申請件数は前週比1万6,000件減の19万9,000件となり、1カ月ぶりの低水準となった。市場予想は22万件。ただ雇用の伸びが鈍い状態が続いているため、12月の失業率は高止まりした可能性がある。今週は12月の米雇用統計の発表がある。CMEのフェドウォッチでは利下げ観測が後退し、6月利下げの確率が47.3%(前週40.6%)となった。トランプ米大統領が5月に退任するパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の後任を1月中に発表するとしており、FRBの独立性に対する見方も焦点である。
 1月2日のニューヨークの金ETF(上場投信)の現物保有高は前週末比6.00トン減の1,065.13トンとなった。調整局面を迎えるなか、投資資金が流出した。一方、米商品先物取引委員会(CFTC)の建玉明細報告によると、12月23日時点のニューヨーク金の大口投機家の買い越しは24万0,700枚となり、前週の23万3,978枚から拡大した。

NYプラチナは金主導で調整局面

 ニューヨーク・プラチナ4月限は一代高値2,584.5ドルを付けたのち、金主導で調整局面を迎えた。ウクライナ和平案の協議が進展したことやCMEグループが貴金属先物の証拠金を引き上げたことを受けてポジション調整の動きが進んだ。ただ地政学的リスクやドル離れが見込まれていること、プラチナの供給不足見通しが下支え要因である。中国の投資需要増加も支援要因であり、安値拾いの買い意欲が強まるかどうかも焦点である。
 プラチナETF(上場投信)の現物保有高は、31日のロンドンで10.82トン(前週末11.00トン)、2日のニューヨークで43.95トン(同43.10トン)、31日の南アで6.47トン(同6.47トン)となった。一方、米商品先物取引委員会(CFTC)の建玉明細報告によると、12月23日時点のニューヨーク・プラチナの大口投機家の買い越しは1万9,343枚となり、前週の2万3,293枚から縮小した。

ニューヨーク金は調整局面を迎える

 ニューヨーク金はトランプ米大統領がウクライナのゼレンスキー大統領と和平案を協議し、大きな進展があったとしたことを受けて利食い売り主導の調整局面を迎えた。ただ中国が台湾周辺で軍事演習を実施したことや、トランプ米大統領とロシアのプーチン大統領の電話会談で和平の見通しが不透明となったことが下支えになった。またCMEグループが貴金属先物の証拠金を1週間で2度引き上げたことはポジション調整を促す要因となった。一方、米軍がベネズエラのマドゥロ大統領を拘束した。国際社会が懸念を示しており、金の逃避買いが再開するのかどうかを確認したい。今週は米雇用統計の発表もある。

1月5日からの週の注目ポイント

5日 中国RatingDogサービス業購買担当者景況指数

米ISM製造業景況指数(12月)

6日 ユーロ圏サービス業購買担当者景況指数(12月確報)

ユーロ圏購買担当者総合景況指数(12月確報)

独消費者物価指数(12月速報)

7日 独小売売上高(11月)

独雇用統計(12月)

ユーロ圏消費者物価指数(12月速報)

ADP全米雇用報告(12月)

米耐久財受注(10月確報)

米製造業新規受注(10月)

米ISM非製造業景況指数(12月)

8日 独製造業受注(11月)

ユーロ圏雇用統計(11月)

ユーロ圏生産者物価指数(11月)

米貿易収支(11月)

米新規失業保険申請件数

米消費者信用残高(11月)

9日 全世帯家計調査・消費支出(11月)

独貿易収支(11月)

独鉱工業生産指数(11月)

ユーロ圏小売売上高(11月)

米住宅着工・許可件数(10月)

米雇用統計(12月)

米ミシガン大消費者信頼感指数(1月速報)

※重要度を3段階で表示

金 (現物1oz.あたり) 日足 6ヵ月

<参照>SBI証券>マーケットデータより

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