金は米利下げ観測後退も安値拾いの買いが下支え
更新:2025/11/25
提供:ミンカブ・ジ・インフォノイド
金はウクライナ和平案の行方も焦点
11月17日の週のニューヨーク金市場は、米連邦準備理事会(FRB)の利下げ観測後退が圧迫要因になったが、安値拾いの買いが下支えとなった。中心限月となる2月限は7日以来の安値4,032.8ドルを付けたのち、下げ一服となった。米金融当局者のインフレ高止まりに対する発言が目立ち、米FRBの利下げ観測が後退した。また9月の米雇用統計で、非農業部門雇用者数は前月から11万9,000人増加し、市場予想の5万人増を大幅に上回った。10月分は公表されず、11月分は12月16日に発表される。12月9~10日の米連邦公開市場委員会(FOMC)に間に合わず、データ不足で利下げが見送られるとの見方が出た。ただ米労働市場の減速に対する懸念が残り、安値拾いの買いが入ったことが下支え要因である。10月の米消費者物価指数(CPI)は公表されず、11月分は12月18日に発表される。
米ADPが発表した民間雇用者数は、11月1日終了週までの4週間に週当たり平均で2,500人減少した。10月下旬に労働市場の勢いが失速したことを示唆しているが、雇用減少のペースは11月にかけて鈍化したもよう。ニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁は、米連邦準備理事会(FRB)の金融政策は足元で緩やかに引き締め的との見方を示し、FRBはインフレ目標をリスクにさらすことなく近い将来に利下げを実施できると述べた。またウォラー米FRB理事は労働市場が弱いため、12月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で0.25%ポイントの追加利下げを決定することが正当化されるとの考えを改めて示した。CMEのフェドウォッチで、12月の利下げ確率は84.9%(前週42.4%)に上昇した。今後発表される米経済指標を引き続き確認したい。
国連安全保障理事会は17日、パレスチナ自治区ガザに国際安定化部隊を派遣することを認める決議案を採択した。トランプ米大統領がガザの紛争終結計画をまとめた。ただハマスは武装解除しない方針を改めて表明した。また決議はパレスチナ人が国家を樹立する可能性に言及しており、イスラエルの対応も焦点である。一方、ウクライナのゼレンスキー大統領は、米陸軍のダニエル・ドリスコル長官とロシアとの和平実現に向けた方策を協議したと明らかにし、戦争終結に向けた計画の要点について共に作業を進めていくとした。ただ和平案はこれまでウクライナとその同盟国が強く拒否してきた提案に基づいている。米国とウクライナは24日、スイスのジュネーブでウクライナ和平案を巡る協議を行い、「更新、改良された和平の枠組み」を策定したと共同声明で発表した。欧州はウクライナの領土などに関する主要なポイントを大きく修正した代替案を提示したが、ロシアに拒否された。ウクライナのゼレンスキー大統領は週内に訪米し、トランプ米大統領と和平案について協議する可能性があり、27日の感謝祭までにまとまるかどうかを確認したい。
11月21日のニューヨークの金ETF(上場投信)の現物保有高は前週末比3.43トン減の1,040.57トンとなった。米連邦準備理事会(FRB)の利下げ観測後退を受けて1,039.43トンまで減少したのち、安値拾いの買いが入った。一方、米商品先物取引委員会(CFTC)の建玉明細報告によると、10月7日時点のニューヨーク金の大口投機家の買い越しは23万1,956枚となり、前週の25万2,908枚から縮小した。
11月7日のニューヨークの金ETF(上場投信)の現物保有高は前週末比2.86トン増の1,042.06トンとなった。4,000ドル割れで下げ一服となるなか、安値拾いの買いが入った。一方、米商品先物取引委員会(CFTC)の建玉明細報告は米政府機関閉鎖を受けて発表が延期されている。9月23日時点のニューヨーク金の大口投機家の買い越しは26万6,749枚(前週26万6,410枚)となっている。
NYプラチナはドル高もレンジ下限を維持
ニューヨーク・プラチナ1月限は米連邦準備理事会(FRB)の利下げ観測後退やドル高を受けて売り優勢となり、10月22日以来の安値1,489.2ドルを付けた。ただニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁の利下げ発言を受けて下げ一服となった。またワールド・プラチナ・インベストメント・カウンシル(WPIC)の四半期報告で、2025年は22トンの供給不足と前回見通しの26トンから下方修正されたが、3年連続の不足予想に変わりがなかったことも下支え要因である。
プラチナETF(上場投信)の現物保有高は、20日のロンドンで11.43トン(前週末11.45トン)、21日のニューヨークで37.61トン(同37.61トン)、20日の南アで6.47トン(同7.15トン)となった。一方、米商品先物取引委員会(CFTC)の建玉明細報告によると、10月7日時点のニューヨーク・プラチナの大口投機家の買い越しは1万8,341枚となり、前週の2万1,765枚から縮小した。
ニューヨーク金は安値拾いの買いが下支え
ニューヨーク金は米連邦準備理事会(FRB)の利下げ観測後退が圧迫要因になったが、安値拾いの買いが下支えとなり、もみ合いとなった。中心限月となる2月限は7日以来の安値4,032.8ドルを付けたのち、下げ一服となった。米金融当局者の利下げに慎重な発言を受けて12月の米連邦公開市場委員会(FOMC)の利下げ観測が後退した。米労働市場の減速に対する懸念が残るが、9月の米雇用統計で非農業部門雇用者数が予想以上に増加したことや、11月分が12月16日発表と12月の米FOMCに間に合わないことも利下げ見送りの見方を強めた。ただニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁が利下げの余地があると述べており、今後発表される経済指標を確認したい。
11月24日からの週の注目ポイント
| 24日 | 国民の祝日 | |
|---|---|---|
| 25日 | 独国内総生産(7-9月期確報) |
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米小売売上高(9月) |
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米生産者物価指数(9月) |
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米S&Pケース・シラー住宅価格指数(9月) |
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米消費者信頼感指数(11月) |
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米中古住宅販売仮契約指数(10月) |
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| 26日 | NZ準備銀行政策金利公表 |
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米卸売在庫(10月速報) |
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米耐久財受注(10月速報) |
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米新規失業保険申請件数 |
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シカゴ購買部協会景気指数(11月) |
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米個人所得・支出(10月) |
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米新築住宅販売(10月) |
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米地区連銀経済報告(ベージュブック) |
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| 27日 | 米国休場 |
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中国工業利益(10月) |
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| 28日 | 失業率(10月) |
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鉱工業生産指数(10月速報) |
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小売業販売額(10月速報) |
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独雇用統計(11月) |
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独消費者物価指数(11月速報) |
※重要度を3段階で表示
※米政府機関閉鎖の影響で米経済指標の発表が延期になる可能性があります。
金 (現物1oz.あたり) 日足 6ヵ月
<参照>SBI証券>マーケットデータより
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