金は米政府機関閉鎖の行方が焦点
更新:2025/11/10
提供:ミンカブ・ジ・インフォノイド
金は米ロの核実験も確認
11月3日の週のニューヨーク金市場は、米連邦準備理事会(FRB)の利下げ観測後退が圧迫要因になったが、安値拾いの買いが下支えとなり、もみ合いとなった。中心限月となる12月限は3,935.7〜4,043.1ドルで推移した。米シカゴ地区連銀のグールズビー総裁は、米国のインフレ率はFRBが目標とする2%をなお大きく上回っていると指摘し、追加利下げを急がない考えを示した。一方、米金融大手モルガン・スタンレーとゴールドマン・サックスの最高経営責任者(CEO)は、人工知能(AI)ブームを背景にハイテク企業がけん引する現行の株高トレンドについて、調整局面に向かう可能性があると警告した。ハイテク株が売られると、金に安値拾いの買いが入ったが、リスク回避の動きによる手じまい売りも見られた。
米政府機関閉鎖の長期化は下支え要因になった。4日の南部バージニア州と東部ニュージャージー州の知事選とニューヨーク市長選で民主党が全勝し、医療保険制度改革法(オバマケア)の補助金の1年間延長を求めている。ただ共和党は政府閉鎖が解除されたのちに協議するとし、新たな法案に盛り込むことはしないとした。米主要空港で航空管制官の不足により、数千便が遅延したことに加え、食料購入補助「フードスタンプ」(SNAP)が減額され、米政府機関閉鎖の影響が深刻化している。
10月の全米雇用報告によると、民間雇用者数は大幅に回復し、4万2,000人増となった。市場予想は2万8,000人増。前月は3万2,000人減から2万9,000人減に上方修正された。ただ再就職あっせん会社チャレンジャー・グレイ・アンド・クリスマスによると、10月に発表された人員削減数は前月比183%増の15万3,074人となり、10月として22年ぶりの高水準を記録した。コスト削減と人工知能(AI)導入を進める企業の動きを背景に急増した。一方、11月の米ミシガン大消費者信頼感指数速報値は50.3と前月確報値の53.6から低下し、2022年6月以来の低水準となった。米政府機関閉鎖が過去最長を更新するなか、経済的影響を巡る懸念が意識された。市場予想は53.2。1年先の期待インフレは4.7%と前月の4.6%から上昇した。CMEのフェドウォッチで、12月利下げの確率は66.5%(前週63.0%)となった。
ロシアのプーチン大統領は、核兵器実験の可能性に関する提案を起草するよう政府高官に指示した。トランプ米大統領が国防総省に対し、核兵器実験を直ちに開始するよう指示したことが背景にある。米国は4日、カリフォルニア州のバンデンバーグ宇宙軍基地で、核弾頭を搭載できる大陸間弾道ミサイル(ICBM)「ミニットマン3」の発射実験を実施した。ただ米エネルギー長官は核弾頭そのものの爆発実験にまでは踏み込まない見通しを示しており、米ロの核実験の行方を確認したい。
11月7日のニューヨークの金ETF(上場投信)の現物保有高は前週末比2.86トン増の1,042.06トンとなった。4,000ドル割れで下げ一服となるなか、安値拾いの買いが入った。一方、米商品先物取引委員会(CFTC)の建玉明細報告は米政府機関閉鎖を受けて発表が延期されている。9月23日時点のニューヨーク金の大口投機家の買い越しは26万6,749枚(前週26万6,410枚)となっている。
NYプラチナは米利下げ観測後退や株安が圧迫
ニューヨーク・プラチナ1月限は、米連邦準備理事会(FRB)の利下げ観測後退や米株式市場の調整局面の見方などを受けて軟調となり、10月28日以来の安値1,513.2ドルを付けた。上海プラチナの出来高が2桁にとどまり、中国勢が高値での買いを見送っていることも上値を抑える要因である。一方、米最高裁でトランプ大統領の関税措置の合憲性について口頭弁論が実施され、判事らは合憲性に疑問を呈した。米大統領は「プランBを策定しておくことも必要だと思う」と述べており、米最高裁の判決の行方も焦点である。年末にも判決が出る見通しである。
プラチナETF(上場投信)の現物保有高は、6日のロンドンで12.23トン(前週末12.29トン)、7日のニューヨークで37.61トン(同38.48トン)、6日の南アで7.18トン(同7.18トン)となった。一方、米商品先物取引委員会(CFTC)の建玉明細報告は米政府機関閉鎖を受けて発表が延期されている。9月23日時点のニューヨーク・プラチナの大口投機家の買い越しは2万2,042枚(前週1万5,203枚)となっている。
ニューヨーク金は4,000ドル前後でもみ合い
ニューヨーク金は米連邦準備理事会(FRB)の利下げ観測後退と米政府機関閉鎖の長期化を受け、4,000ドル前後でもみ合いとなった。中心限月となる12月限は3,935.7〜4,043.1ドルで推移した。4日の米国の主要選挙で民主党が3戦全勝するなか、民主党は医療保険制度改革法(オバマケア)の補助金の1年間延長を求めているが、共和党は政府閉鎖が解除されたのちに協議するとした。また米ロの核実験に対する懸念も下支え要因になっている。テクニカル面ではレンジをどちらに放れるかが焦点である。
11月10日からの週の注目ポイント
| 10日 | 景気動向指数(9月速報) | |
|---|---|---|
| 11日 | フランス休場 | |
| 国際収支・経常収支(9月) | ||
| 英雇用統計(10月) | ||
| 独ZEW景況感指数(11月) | ||
| 12日 | 独消費者物価指数(10月確報) | |
| 13日 | 企業物価指数(10月) | |
| 英国内総生産(7-9月期速報) | ||
| 英貿易収支(9月) | ||
| 英鉱工業生産指数(9月) | ||
| ユーロ圏鉱工業生産(9月) | ||
| 米新規失業保険申請件数 | ||
| 米消費者物価指数(10月) | ||
| 米財政収支(10月) | ||
| 14日 | 中国住宅価格指数(10月) | |
| 中国小売売上高(10月) | ||
| 中国鉱工業生産(10月) | ||
| ユーロ圏域内総生産(7-9月期改定) | ||
| ユーロ圏貿易収支(9月) | ||
| 米小売売上高(10月) | ||
| 米生産者物価指数(10月) | ||
| 米企業在庫(9月) |
※重要度を3段階で表示
※米政府機関閉鎖の影響で米経済指標の発表が延期になる可能性があります。
金 (現物1oz.あたり) 日足 6ヵ月
<参照>SBI証券>マーケットデータより
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