金は米FRBの利下げ再開で上値を試すか
更新:2025/9/16
提供:ミンカブ・ジ・インフォノイド
金は地政学的リスクの高まりも支援要因
9月8日の週のニューヨーク金市場は、米雇用者数の年次報告で下方修正されたことを受けて上値を試し、史上最高値を更新した。その後は米消費者物価指数(CPI)の発表を控えて上げ一服となったが、週明けにニューヨーク連銀製造業業況指数の低下を受けて押し目を買われると、一段高となった。中心限月となる12月限は一代高値3,724.9ドルを付けた。またJPX金先限は上場来高値1万7,646円を付けた。
米労働省労働統計局(BLS)が発表した統計で、今年3月までの1年間の米国の雇用創出が従来の推計より91万1,000人下方修正された。下方修正幅は同統計史上で過去最大。1カ月当たりでは7万6,000人近い下方修正となる。確報値の発表は来年2月。年次改定の発表前の段階では、雇用者数は3月までの1年間に約180万人増だった。一方、8月の米生産者物価指数(PPI)は前月比0.1%下落し、予想外のマイナスとなった。前年比では2.6%上昇と伸びは前月の3.1%から鈍化し、事前予想の3.3%上昇を下回った。米消費者物価指数(CPI)は前年比2.9%上昇と前月の2.7%から伸びが加速し、1月以来の大幅な伸びとなった。ただ9月のニューヨーク連銀製造業業況指数はマイナス8.7となった。前月のプラス11.9から悪化し、6月以来初のマイナスとなった。市場予想はプラス5.0。CMEのフェドウォッチで17日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で利下げの確率は25ベーシスポイント(bp)が96.0%(前週89.4%)、50bpが4.0%(同10.6%)となった。10・12月の米FOMCの利下げを織り込んでおり、今後の見通しを確認したい。
北大西洋条約機構(NATO)加盟国のポーランドが、自国の領空内でロシアのものとみられるドローン(無人機)を撃墜した。英仏独やカナダなどのNATO加盟国から非難の声が相次いだ。またルーマニアの国防省はロシアのドローンが領空に侵入したため、戦闘機を緊急発進させたと発表した。トランプ米大統領はロシアに追加制裁を科す方針を示したが、欧州も米国と同等の措置を講じる必要があると述べた。一方、イスラエルは、カタールの首都ドーハでイスラム組織ハマス指導部を狙った空爆を実施した。パレスチナ地区ガザの停戦交渉チームを率いるハマス幹部らが標的だった。米大統領はイスラエルのネタニヤフ首相に対し、カタール国内でハマスを攻撃するという決定は賢明ではなかったと伝えた。
9月12日のニューヨークの金ETF(上場投信)の現物保有高は前週末7.17トン減の974.80トンとなった。米連邦準備理事会(FRB)の利下げ見通しを受けて史上最高値を更新したが、買われ過ぎ感から利食い売りが出た。一方、米商品先物取引委員会(CFTC)の建玉明細報告によると、9月9日時点のニューヨーク金の大口投機家の買い越しは26万1,740枚となり、前週の24万9,530枚から拡大した。今回は新規買いが9,079枚、買い戻しが3,131枚入り、1万2,210枚買い越し幅を拡大した。
NYプラチナは米利下げ見通しが下支え
ニューヨーク・プラチナ10月限は、米連邦準備理事会(FRB)の利下げ見通しや金堅調を受けて底堅く推移し、4日以来の高値1,425.9ドルを付けた。米労働市場の減速を受けて米連邦準備理事会(FRB)の年3回の利下げが見込まれていることが支援要因になった。一方、米国と中国は、中国の動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」の米事業売却を巡って枠組みで合意した。トランプ米大統領と中国の習近平国家主席が電話会談で最終確認される見通しという。今後の関税交渉につながるのかどうかを確認したい。
プラチナETF(上場投信)の現物保有高は、11日のロンドンで10.34トン(前週末10.49トン)、12日のニューヨークで37.22トン(同36.37トン)、11日の南アで8.14トン(同8.14トン)となった。一方、米商品先物取引委員会(CFTC)の建玉明細報告によると、9月9日時点のニューヨーク・プラチナの大口投機家の買い越しは1万4,356となり、前週の枚1万6,998枚から縮小した。
ニューヨーク金は史上最高値の更新が続く
ニューヨーク金は米雇用者数の年次報告で下方修正されたのち、上値を試した。買い一巡後は上げ一服となったが、ニューヨーク連銀製造業業況指数の低下を受けて米連邦準備理事会(FRB)の利下げ見通しに変わりはなく、押し目を買われた。中心限月となる12月限は一代高値3,724.9ドルを付けた。米消費者物価指数(CPI)の伸びが加速したが、労働市場の減速を受けて17日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で25ベーシスポイント(bp)利下げが見込まれている。10・12月も利下げ見通しであり、引き続き上値を試すことになりそうだ。
9月15日からの週の注目ポイント
| 15日 | 敬老の日 | |
|---|---|---|
| 16日 | 英雇用統計(8月) |
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ユーロ圏鉱工業生産(7月) |
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独ZEW景況感指数(9月) |
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米小売売上高(8月) |
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米輸出入物価指数(8月) |
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米鉱工業生産・設備稼働率(8月) |
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米企業在庫(7月) |
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米連邦公開市場委員会(FOMC)1日目 |
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| 17日 | 貿易収支(8月速報) |
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英消費者物価指数(8月) |
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ユーロ圏消費者物価指数(8月確報) |
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米住宅着工・許可件数(8月) |
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米FOMC声明文発表 |
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カナダ銀行政策金利発表 |
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| 18日 | 機械受注(7月) |
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日銀金融政策決定会合1日目 |
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ユーロ圏国際収支(7月) |
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英中銀(BOE)政策金利発表 |
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南ア準備銀行政策金利発表 |
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米新規失業保険申請件数 |
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米フィラデルフィア連銀製造業景況指数(9月) |
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対米証券投資(7月) |
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| 19日 | 消費者物価指数(8月) |
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日銀総裁記者会見 |
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独生産者物価指数(8月) |
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英小売売上高(8月) |
※重要度を3段階で表示
金 (現物1oz.あたり) 日足 6ヵ月
<参照>SBI証券>マーケットデータより
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