2026-05-11 02:47:47

金は予想以下の米雇用統計が支援

更新:2025/8/4

提供:ミンカブ・ジ・インフォノイド

金はロシア制裁期限や米FRB理事辞任に伴う動きを確認

 7月28日の週のニューヨーク金市場は、米国と欧州連合(EU)の関税合意や米連邦準備理事会(FRB)の早期利下げ観測後退が圧迫要因になったが、予想以下の米雇用統計を受けて急伸した。中心限月となる12月限は6月30日以来の高値3,319.2ドルを付けたのち、下げ一服となった。トランプ米大統領は7月31日、新たな関税率を課す大統領令に署名したことを発表した。日本やEU、韓国に対する関税率は15%で合意に達している。インドやブラジル、カナダなどには一方的な関税が設定された。インドは米国製品の輸入拡大を含む複数の選択肢を検討しており、即時の報復措置は見送る方針とした。一方、メキシコとの貿易協定を90日間延長した。中国に関しては、ストックホルムで行った通商協議で関税の停止期間を3カ月延長することで合意しており、期限となる12日までに米大統領が判断することになる。
 米連邦公開市場委員会(FOMC)で、フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を4.25~4.50%に据え置くことを決定した。ウォラー理事とボウマン副議長の2人が反対票を投じた。ただパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が、9月の米FOMCで利下げを実施するかどうかを判断するのは時期尚早だと述べると、早期利下げ観測が後退した。第2四半期の米国内総生産(GDP)速報値は年率換算で前期比3.0%増となった。前四半期の0.5%減からプラスに転じ、事前予想の2.4%増を上回った。6月の米個人消費支出(PCE)価格指数は前年比2.6%上昇し、前月の2.4%から加速した。一方、7月の米雇用統計によると、非農業部門雇用者数は7万3,000人増加した。市場予想の11万人増を下回った。また過去2カ月分の雇用者数も計25万8,000人下方修正され、9月利下げの見方が戻った。クーグラー米FRB理事が8日付で辞任するとの発表も当面の焦点である。同理事の任期は2026年1月であり、利下げ要求に前向きな人物が指名されるとみられている。トランプ米大統領は同理事に倣ってパウエル米FRB議長も辞任すべきだと圧力を強めた。
 トランプ米大統領がウクライナとの停戦合意に応じなければロシアに関税などの制裁措置を発動する姿勢を示していることに対し、ロシア大統領府のペスコフ報道官は、ロシアは既に制裁などへの免疫を得ているとして、効果に疑問を呈した。米大統領は8日までにロシア・ウクライナ戦争を終結させる合意を望んでいると明確に示した。米大統領は1日、ロシアのメドベージェフ安全保障会議副議長(前大統領)のきわめて挑発的な発言に対し、原子力潜水艦2隻を適切な海域に配備するよう命じたと明らかにした。制裁発動が地政学的リスクの高まりにつながるかどうかを確認したい。
 8月1日のニューヨークの金ETF(上場投信)の現物保有高は前週末4.01トン減の953.08トンとなった。米連邦準備理事会(FRB)の早期利下げ観測後退を受けて投資資金が流出した。一方、米商品先物取引委員会(CFTC)の建玉明細報告によると、7月29日時点のニューヨーク金の大口投機家の買い越しは22万3,596枚となり、前週の25万3,038枚から縮小した。今回は手じまい売りが3万0,708枚、買い戻しが1,266枚入り、2万9,442枚買い越し幅を縮小した。

NYプラチナは早期利下げ観測後退で急落も下げ一服

 ニューヨーク・プラチナ10月限はドル高や金軟調を受けて売り優勢となると、米連邦準備理事会(FRB)の早期利下げ観測後退を受けて急落し、6月23日以来の安値1,271.1ドルを付けた。ただ予想以下の米雇用統計を受けて下げ一服となった。当面は米国の各国に対する関税引き上げの影響とインフレ見通しを確認したい。一方、上海プラチナの出来高が急増し、中国勢の安値拾いの買いが入ったことは下支え要因である。
 プラチナETF(上場投信)の現物保有高は、31日のロンドンで10.97トン(前週末10.37トン)、1日のニューヨークで37.26トン(同36.69トン)、31日の南アで8.71トン(同8.77トン)となった。一方、米商品先物取引委員会(CFTC)の建玉明細報告によると、7月29日時点のニューヨーク・プラチナの大口投機家の買い越しは2万0,568枚となり、前週の2万0,675枚から縮小した。

ニューヨーク金はレンジ内で下げ一服

 ニューヨーク金は米国と欧州連合(EU)の関税合意や米連邦準備理事会(FRB)脳早期利下げ観測後退が圧迫要因になったが、予想以下の米雇用統計を受けて急伸した。中心限月となる12月限は6月30日以来の高値3,319.2ドルを付けたのち、下げ一服となった。予想以下の米雇用統計を受けて9月利下げの見方が戻った。レンジ相場を継続し、テクニカル面で中立である。今週は英中銀の利下げが見込まれていることや、米国のロシア制裁期限、クーグラー米FRB理事辞任に伴う動きを確認したい。

8月4日からの週の注目ポイント

4日

オーストラリア休場

米耐久財受注(6月確報)

米製造業新規受注(6月)

5日

日銀金融政策決定会合議事要旨公表

中国財新サービス業購買担当者景況指数(7月)

ユーロ圏サービス業購買担当者景況指数(7月確報)

ユーロ圏生産者物価指数(6月)

米貿易収支(6月)

米ISM非製造業景況指数(7月)

6日

独製造業受注(6月)

ユーロ圏小売売上高(6月)

7日

中国貿易収支(7月)

独貿易収支(6月)

独鉱工業生産指数(6月)

英中銀政策金利発表

米新規失業保険申請件数

米卸売在庫(6月確報)

8日

国際収支・経常収支(6月)

※重要度を3段階で表示

金 (現物1oz.あたり) 日足 6ヵ月

<参照>SBI証券>マーケットデータより

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