金は米国とEUの関税合意が圧迫要因
更新:2025/7/28
提供:ミンカブ・ジ・インフォノイド
金は米金利据え置き見通しも下げ要因
7月21日の週のニューヨーク金市場は、米政権の連邦準備理事会(FRB)に対する圧力が高まったが、日米の関税合意などで貿易に対する楽観的な見方が出たことを受けて上げ一服となった。中心限月となる12月限は6月16日以来の高値3,509.0ドルを付けたのち、上げ一服となった。トランプ米大統領は24日、FRB本部を訪問し、ホワイトハウスが費用をかけ過ぎとして批判を強めているFRB本部の改修現場を視察した。改めて利下げを求める一方で、パウエルFRB議長を解任するつもりはないと明言した。今週の米連邦公開市場委員会(FOMC)では金利据え置きが見込まれている。ただウォラーFRB理事は経済へのリスクが高まっているほか、関税による物価押し上げ圧力は持続的ではない可能性が高いとみられるなか、FOMCで利下げを主張すると述べており、当局者内の意見も確認したい。一方、欧州中央銀行(ECB)理事会で、8会合ぶりに利下げを見送った。欧州連合(EU)と米政権の関税交渉が続き、不確実性が根強いなか、様子見姿勢を取った。ラガルドECB総裁は記者会見で、「経済成長に対するリスクは依然として下向きに傾いている。主なリスクとして、世界的な貿易摩擦の一段の高まりと、それに伴う不確実性が挙げられる」と述べた。
トランプ米大統領は日本との貿易交渉で合意した。米国が自動車への関税を引き下げる一方、日本側は米国向けに5,500億ドル規模の投資や融資の枠組みを設けることなどが盛り込まれた。また米大統領は27日、欧州連合(EU)との関税交渉で合意したと明らかにした。自動車を含めEUからの大半の輸入品に対する関税率は15%となるとした。合意にはEUによる6,000億ドルの対米投資、米国のエネルギーや防衛装備品の大規模な購入も含まれる。各国との交渉が期限となる8月1日までにまとまるかどうかを確認したい。またベセント米財務長官は、米中が28~29日にストックホルムで協議を行うと明らかにした。8月12日を期限とする米中間の一部関税停止を延長する可能性について協議する。
米新規失業保険申請件数は4,000件減の21万7,000件となった。6週間連続で減少した。3カ月ぶりの低水準となり、労働市場の安定が示された。7月の米総合購買担当者景気指数(PMI)速報値は54.6と前月の52.9から上昇し、昨年12月以来の高水準となった。ただ企業は財(モノ)やサービスの値上げに動いており、関税の影響でインフレが下半期に加速するとのエコノミストの見方を裏付ける内容となった。一方、6月の米耐久財受注は前月比9.3%減と前月の16.5%増から反転した。市場予想は10.3%減。今週は8月1日に7月の米雇用統計の発表がある。
7月25日のニューヨークの金ETF(上場投信)の現物保有高は前週末13.46トン増の957.09トンとなった。米政権の連邦準備理事会(FRB)に対する圧力を受けて投資資金が流入した。一方、米商品先物取引委員会(CFTC)の建玉明細報告によると、7月22日時点のニューヨーク金の大口投機家の買い越しは25万3,038枚となり、前週の21万3,115枚から拡大した。今回は新規買いが4万1,722枚、新規売りが1,799枚出て、3万9,923枚買い越し幅を拡大した。
NYプラチナは金の上げ一服で調整局面
ニューヨーク・プラチナ10月限は一代高値1,511.4ドルを付けたのち、金の上げ一服を背景に利食い売り主導の調整局面を迎えた。米国と各国の関税合意に対する期待感から金に利食い売りが出た。ただ貿易に対する楽観的な見方から株高に振れたことはプラチナの支援要因である。各国との交渉が期限となる8月1日までにまとまるかどうかも確認したい。
プラチナETF(上場投信)の現物保有高は、24日のロンドンで10.73トン(前週末11.37トン)、25日のニューヨークで36.69トン(同37.12トン)、24日の南アで8.77トン(同9.03トン)となった。一方、米商品先物取引委員会(CFTC)の建玉明細報告によると、7月22日時点のニューヨーク・プラチナの大口投機家の買い越しは2万0,675枚となり、前週の1万9,302枚から拡大した。
ニューヨーク金は3,500ドル台で上げ一服
ニューヨーク金は米政権の連邦準備理事会(FRB)に対する圧力が高まったが、日米の関税合意などで貿易に対する楽観的な見方が出たことを受けて上げ一服となった。中心限月となる12月限は6月16日以来の高値3,509ドルを付けたのち、上げ一服となった。米国と欧州連合(EU)も27日に関税合意しており、手じまい売りが続くと、6月安値3,307.4ドルを目指す可能性が出てくる。今週の米連邦公開市場委員会(FOMC)では金利据え置きが見込まれている。
7月28日からの週の注目ポイント
| 28日 | 香港貿易収支(6月) |
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| 29日 | 英マネーサプライ(6月) |
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米卸売在庫(6月速報) |
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米S&Pケース・シラー住宅価格指数(5月) |
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米消費者信頼感指数(7月) |
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米連邦公開市場委員会(FOMC)1日目 |
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| 30日 | 日銀金融政策決定会合1日目 |
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ユーロ圏国内総生産(4-6月期速報) |
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ADP全米雇用報告(7月) |
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米国内総生産(4-6月期速報) |
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米中古住宅販売仮契約指数(6月) |
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米FOMC声明文公表 |
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カナダ銀行政策金利公表 |
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| 31日 | 鉱工業生産指数(6月速報) |
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小売業販売額(6月速報) |
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日銀総裁記者会見 |
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中国製造業購買担当者景況指数(7月) |
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中国非製造業購買担当者景況指数(7月) |
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ユーロ圏雇用統計(6月) |
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独消費者物価指数(7月速報) |
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南ア準備銀行政策金利公表 |
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米個人所得・支出(6月) |
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米新規失業保険申請件数 |
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米雇用コスト指数(4-6月期) |
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シカゴ購買部協会景気指数(7月) |
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| 1日 | スイス休場 |
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失業率(6月) |
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中国財新製造業購買担当者景況指数(7月) |
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ユーロ圏製造業購買担当者景況指数(7月確報) |
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ユーロ圏消費者物価指数(7月速報) |
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米雇用統計(7月) |
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米ISM製造業景況指数(7月) |
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米ミシガン大消費者信頼感指数(7月確報) |
※重要度を3段階で表示
金 (現物1oz.あたり) 日足 6ヵ月
<参照>SBI証券>マーケットデータより
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