2026-05-18 02:58:14

金は関税交渉の行方が焦点

更新:2025/7/14

提供:ミンカブ・ジ・インフォノイド

金は米CPIでインフレ動向を確認

 7月7日の週のニューヨーク金市場は、ドル高が圧迫要因になったが、米国債の利回り低下や米大統領が銅の関税引き上げを発表したことを受けて押し目を買われた。中心限月となる8月限は6月30日以来の安値3,290.2ドルを付けたのち、押し目を買われた。トランプ米大統領は関税率を通知する書簡の送付を開始した。また交渉期限を8月1日まで延長する大統領令に署名した。さらに銅や銅製品に対する50%の関税を8月1日に発動するとした。インフレが加速するとみられており、今後の関税交渉の行方と経済指標が当面の焦点である。米大統領がブラジルからの輸入品に対し、50%の関税を課すと表明したことを受け、ブラジルのルラ大統領は相互主義で行動するとし、「ブラジルも米国に対して50%の関税を課す」と述べた。各国は強い姿勢で交渉に臨むとみられており、期限までにまとまるかどうかを確認したい。
 米10年債の390億ドルの入札で最高落札利回りは4.362%となり、入札前取引の水準を約0.5ベーシスポイント(bp)下回った。応札倍率は2.61倍と、4月以来の高水準となった。堅調な需要を受けて米国債の利回りが低下した。また6月17〜18日の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨によると、大半の参加者はトランプ米大統領の関税措置による物価への衝撃が一時的もしくは小幅になると見込み、年内の利下げが適切になるという見解を示した。一方、国際通貨基金(IMF)は米大統領が新たに発表した関税措置について状況を注視しており、世界経済見通しの不確実性は依然として高いとの見方を示した。今週は6月の米消費者物価指数(CPI)の発表があり、インフレ動向と今後の見通しを確認したい。
 中国人民銀行は6月末の金準備は2,299トンと発表した。8カ月連続で増加した。前月末は2,296トンだった。準備資産をドルから多様化する動きが続くとみられている。一方、トランプ米大統領とイスラエルのネタニヤフ首相の会談で、イラン攻撃の輝かしい成功が語られた。ただイランは濃縮ウランを秘匿し、核施設再建能力を保持しており、今回の勝利は一時的な側面が強い。今後について、米大統領は外交優先に傾き、ネタニヤフ首相は力の行使をより重視するとしている。ガザ情勢でも両者の意見は異なっており、中東情勢の先行き不透明感が残る。イランのアラクチ外相は、国際原子力機関(IAEA)への協力姿勢を示す一方、爆撃を受けた核施設への立ち入りは安全保障上の問題があると強調した。
 7月11日のニューヨークの金ETF(上場投信)の現物保有高は前週末0.02トン減の947.64トンとなった。戻り場面で投資資金が流出した。一方、米商品先物取引委員会(CFTC)の建玉明細報告によると、7月8日時点のニューヨーク金の大口投機家の買い越しは20万2,968枚となり、前週の20万1,980枚から拡大した。今回は新規買いが3,054枚、新規売りが2,066枚出て、988枚買い越し幅を拡大した。

NYプラチナは一代高値更新が続く

 ニューヨーク・プラチナ10月限は金の押し目を買われたことや銅の関税引き上げによるインフレ懸念を受けて堅調となり、一代高値1,477.7ドルを付けた。上海プラチナの出来高が増加し、中国勢の買い意欲が強いことも支援要因である。中国の自動車販売は5カ月連続で前年同月を上回っている。ただロンドンのプラチナETF(上場投信)の現物保有高が減少しており、利食い売り主導の調整局面も警戒される。
 プラチナETF(上場投信)の現物保有高は、10日のロンドンで13.20トン(前週末13.55トン)、11日のニューヨークで38.25トン(同37.84トン)、10日の南アで9.18トン(同9.18トン)となった。一方、米商品先物取引委員会(CFTC)の建玉明細報告によると、7月8日時点のニューヨーク・プラチナの大口投機家の買い越しは2万0,774枚となり、前週の2万2,642枚から縮小した。

ニューヨーク金はレンジ内で押し目を買われる

 ニューヨーク金は米国債の利回り低下や米大統領が銅の関税引き上げを発表したことを受けて押し目を買われた。各国への関税率通知を開始したことも支援要因である。ただ交渉期限が8月1日まで延長され、当面は関税交渉の行方が焦点である。テクニカル面では3,151.0〜3,539.3ドルのレンジを形成している。

7月14日からの週の注目ポイント

14日

フランス休場

機械受注(5月)

中国貿易収支(6月)

15日

中国住宅価格指数(6月)

中国国内総生産(4-6月期)

中国小売売上高(6月)

中国鉱工業生産(6月)

ユーロ圏鉱工業生産(5月)

独ZEW景況感指数(7月)

米消費者物価指数(6月)

米ニューヨーク連銀製造業景況指数(7月)

16日

英消費者物価指数(6月)

ユーロ圏貿易収支(5月)

米生産者物価指数(6月)

米鉱工業生産・設備稼働率(6月)

米地区連銀経済報告(ベージュブック)

17日

貿易収支(6月速報)

英雇用統計(6月)

ユーロ圏消費者物価指数(6月確報)

米小売売上高(6月)

米新規失業保険申請件数

米輸出入物価指数(6月)

米フィラデルフィア連銀製造業景況指数(7月)

米企業在庫(5月)

対米証券投資(5月)

18日

消費者物価指数(6月)

独生産者物価指数(6月)

ユーロ圏国際収支(5月)

米住宅着工・許可件数(6月)

米ミシガン大消費者信頼感指数(7月速報)

※重要度を3段階で表示

金 (現物1oz.あたり) 日足 6ヵ月

<参照>SBI証券>マーケットデータより

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