2026-05-11 18:39:58

金は米大型減税・歳出法成立で関税通知に焦点が移る

更新:2025/7/7

提供:ミンカブ・ジ・インフォノイド

金はイランの核開発協議の行方なども確認

 6月30日の週のニューヨーク金市場は、米国の財政不安やADP全米雇用報告で雇用者数が予想外に減少したことを受けて買い優勢となったが、予想以上の米雇用統計を受けて上げ一服となった。中心限月となる8月限は6月24日以来の高値3,376.9ドルを付けた。米上院は1日、大型減税・歳出法案の採決を実施し、賛成51反対50で可決した。米下院は3日、同法案を賛成218反対214の僅差で可決した。トランプ米大統領が4日に署名し、成立した。米議会予算局(CBO)は同法案について、10年間で約3兆3,000億ドルの財政赤字拡大につながるという推計を発表しており、ドル安が続くと、金の支援要因になるとみられる。同法案を批判していた米実業家のイーロン・マスク氏は5日、新政党「アメリカ党」の設立を発表した。賛成票を投じた議員を中間選挙で落選させるとしており、米大統領との対立の行方も確認したい。一方、米大統領は上乗せ関税の一時停止期限が9日に迫るなか、関税率を通知する書簡を7日に各国に送付するとした。おそらく12通としたが、ベッセント米財務長官は関税率の適用は8月1日からなので交渉の余地を示唆した。
 6月のADP全米雇用報告によると、民間雇用者数は3万3,000人減となり、予想外の減少となった。減少は2023年3月以来。経済の先行き不透明感が雇用の足かせとなった。事前予想は9万5,000人増だった。一方、6月の米雇用統計によると、非農業部門雇用者数は14万7,000人増と、事前予想の11万人増を上回った。失業率は4.1%と前月の4.2%から低下した。事前予想は4.3%。CMEのフェドウォッチで、7月の米連邦公開市場委員会(FOMC)の金利据え置きの確率は94.8%(前日76.2%)に上昇した。
 イランのペゼシュキアン大統領は、国際原子力機関(IAEA)との協力を停止する法律を施行した。米国は「容認できない」と非難した。イランはIAEAが西側諸国に味方し、イスラエルによる空爆を正当化しているとして、協力の停止を警告していた。議会を先月通過していた同法は、IAEAがイラン核施設を今後査察する際には、イランの国家安全保障最高評議会の承認が必要だと定めている。イランのアラグチ外相は、同国が核拡散防止条約(NPT)およびその保障措置協定を引き続き順守する姿勢を示した。トランプ米大統領は7日にホワイトハウスでイスラエルのネタニヤフ首相と会談する予定である。イラン、パレスチナ自治区ガザ、シリアなど地域の課題について協議するとしており、今後の行方を確認したい。
 7月3日のニューヨークの金ETF(上場投信)の現物保有高は前週末7.16トン減の947.66トンとなった。中東の緊張緩和を受けて投資資金が流出した。一方、米商品先物取引委員会(CFTC)の建玉明細報告は独立記念日の影響で7月7日に発表される。6月24日時点のニューヨーク金の大口投機家の買い越しは19万5,004枚。

NYプラチナは一代高値更新も上げ一服

 ニューヨーク・プラチナ10月限はドル安や金堅調を受けて一代高値1,447.9ドルを付けたのち、予想以上の米雇用統計を受けて上げ一服となった。ワールド・プラチナ・インベストメント・カウンシル(WPIC)の報告書で、2029年まで供給不足が続くとの見通しが示された。また第1四半期の中国で高騰した金宝飾品の購入が見送られ、プラチナ宝飾品の生産が増加した。構造的な供給不足が指摘されており、高値圏でのもみ合いから、上値を試す動きが続きそうだ。
 プラチナETF(上場投信)の現物保有高は、3日のロンドンで13.63トン(前週末16.25トン)、ニューヨークで37.84トン(同37.28トン)、南アで9.18トン(同9.57トン)となった。一方、米商品先物取引委員会(CFTC)の建玉明細報告は独立記念日の影響で7月7日に発表される。6月24日時点のニューヨーク・プラチナの大口投機家の買い越しは2万5,212枚。

ニューヨーク金はレンジ相場を継続

ニューヨーク金は米国の財政不安やADP前米雇用報告で雇用者数が予想外に減少したことを受けて買い優勢となったが、予想以上の米雇用統計を受けて上げ一服となった。米国で4日に大型減税・歳出法が成立した。上乗せ関税の一時停止期限が9日に迫るなか、米大統領は関税率を通知する書簡を7日に送付するとした。おそらく12通としたが、ベッセント米財務長官は関税率の適用は8月1日からなので交渉の余地を示唆した。テクニカル面では3,151.0〜3,539.3ドルのレンジを形成している。

7月7日からの週の注目ポイント

7日 独鉱工業生産指数(5月)

ユーロ圏小売売上高(5月)

8日 国際収支・経常収支(5月)

豪準備銀行政策金利公表

独貿易収支(5月)

米消費者信用残高(5月)

9日 マネーストック(6月)

中国消費者物価指数(6月)

中国生産者物価指数(6月)

NZ準備銀行政策金利公表

米卸売在庫(5月確報値)

米FOMC議事録(6月17-18日分)

10日 企業物価指数(6月)

米新規失業保険申請件数

11日 独消費者物価指数(6月確報値)

英貿易収支(5月)

英鉱工業生産指数(5月)

米財政収支(6月)

※重要度を3段階で表示

金 (現物1oz.あたり) 日足 6ヵ月

<参照>SBI証券>マーケットデータより

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