金は中東の緊張緩和も米財政不安が下支え
更新:2025/6/30
提供:ミンカブ・ジ・インフォノイド
金は米関税一時停止の期限延長の行方も確認
6月23日の週のニューヨーク金市場は、イスラエルとイランの停戦合意を受けて急落したのち、米国の財政不安などが下支えになったが、戻りは売られた。中心限月となる8月限は5月20日以来の安値3,266.5ドルを付けた。イランのアラグチ外相は米軍のイラン核施設攻撃に対する報復への選択肢を検討しており、これを実行した後に外交による対応を考慮すると指摘した。地下に重要な核施設があるイランのフォルドゥには地中貫通弾(バンカーバスター)が使われたが、イランの高官筋はフォルドウにある高濃縮ウランの大半は攻撃前に別の場所に移されていたと述べた。トランプ米大統領は23日、イランがカタールの米軍基地にミサイルを発射する前に米国に事前通告を行ったと述べ、これにより人命が失われることがなかったと表明した。また米大統領は、イスラエルとイランが暫定的な停戦に合意したと発表した。イラン外相は26日、米国と核開発協議を行う予定は現時点ではないと述べた。核計画の新たな現実を巡る状況がイランの今後の外交姿勢を決定するとの考えを示した。イランのペゼシュキアン大統領は28日、イスラエルによる攻撃で死亡した軍幹部らの国葬が営まれたのを受け、「イランは屈服しない。抑圧は容認しない」と述べた。一方、イスラエルではイスラム組織ハマスとの交渉が難航するなか、大規模な抗議デモが行われた。米大統領は29日、停戦に向けて「ディール(取引)を交わせ。人質を取り戻せ」と投稿した。
米上院は28日夜、トランプ米大統領が掲げる包括的な税制・歳出法案の審議開始に向けた採決を実施した。51対49の賛成多数で手続き上の最初のハードルをクリアした。米実業家イーロン・マスク氏は「過去の産業に補助を与える一方で、将来の産業に深刻な打撃を与える」と批判しており、可決されれば米国の財政不安が再び高まるとみられる。一方、米大統領は、上乗せ関税の一時停止措置に関して設けた7月9日の期限について、延長する必要はないとの考えを示した。米大統領は日本との自動車貿易を巡り不満を表明しており、関税の行方も焦点である。
パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長は24日の下院金融サービス委員会で行った証言で、トランプ米大統領が求めている利下げを検討する前に、関税の引き上げで物価が押し上げられるか見極めるため、一段の時間が必要との見解を示した。ただ適切な時期が来れば、利下げが継続すると想定と述べており、利下げ期待から米国債の利回りが低下した。米大統領がパウエル米FRB議長の後任を9月か10月までに選出・発表することを検討していると伝えられた。第1四半期の米国内総生産(GDP)確報値は年率換算で前期比0.5%減と、改定値の0.2%減から下方修正された。個人消費の大幅な下方修正を反映したもので、米政権が掲げる大規模関税措置に起因する歪みが浮き彫りになった。5月の米個人消費支出(PCE)価格指数は前年比2.3%上昇し、前月の2.2%から小幅加速した。個人消費支出は前月比0.1%減で市場予想の0.1%増に反してマイナスに転じた。今週は6月の米雇用統計の発表がある。
6月27日のニューヨークの金ETF(上場投信)の現物保有高は前週末4.58トン増の954.82トンとなった。米国のイラン攻撃を受けて投資資金が流入したのち、イスラエルとイランの停戦合意を受けて利食い売りが出たが、安値拾いの買いが入った。一方、米商品先物取引委員会(CFTC)の建玉明細報告によると、6月24日時点のニューヨーク金の大口投機家の買い越しは19万5,004枚となり、前週の20万0,648枚から縮小した。今回は手じまい売りが4,509枚、新規売りが1,135枚出て、5,644枚買い越し幅を縮小した。
NYプラチナはドル安や株高も利食い売りで急落
ニューヨーク・プラチナ10月限は中東の緊張緩和を受けて原油が急落したが、ドル安や株高を受けて踏み上げの動きが続き、一代高値1,440.5ドルを付けた。ただ金急落を受けて利食い売りが出ると、上げ一服となった。トランプ米大統領が中国との貿易協定に署名したと発表した。ただ各国との関税協議は続いており、関税の行方を確認したい。
プラチナETF(上場投信)の現物保有高は、26日のロンドンで16.29トン(前週末15.36トン)、27日のニューヨークで37.28トン(同37.28トン)、26日の南アで9.78トン(同10.05トン)となった。一方、米商品先物取引委員会(CFTC)の建玉明細報告によると、6月24日時点のニューヨーク・プラチナの大口投機家の買い越しは2万5,212枚となり、前週の2万3,227枚から拡大した。
ニューヨーク金は中東の緊張緩和で調整局面
ニューヨーク金はイスラエルとイランの停戦合意を受けて急落した。その後は、米国の財政不安やドル安が下支えになったが、戻りは売られ、5月20日以来の安値3,266.5ドルを付けた。イランで軍幹部らの国葬が行われる一方、イスラエルではイスラム組織ハマスとの交渉が難航するなか、大規模な抗議デモが行われた。米上院では税制・歳出法案が可決される可能性があり、財政不安が下支えになるとみられる。テクニカル面ではレンジ下限となる5月安値3,151.0ドルが支持線である。
6月30日からの週の注目ポイント
| 30日 | 鉱工業生産指数(5月速報) |
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中国製造業購買担当者景況指数(6月) |
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中国非製造業購買担当者景況指数(6月) |
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英国内総生産(1-3月期確報値) |
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独雇用統計(6月) |
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独消費者物価指数(6月速報) |
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シカゴ購買部協会景気指数(6月) |
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| 1日 | 香港、カナダ休場 |
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日銀短観(6月調査) |
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中国財新製造業購買担当者景況指数(6月) |
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ユーロ圏製造業購買担当者景況指数(6月確報) |
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ユーロ圏消費者物価指数(6月速報) |
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米ISM製造業景況指数(6月) |
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| 2日 | ユーロ圏雇用統計(5月) |
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ADP全米雇用報告(6月) |
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| 3日 | 中国財新サービス業購買担当者景況指数(6月) |
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米貿易収支(5月) |
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米雇用統計(6月) |
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米新規失業保険申請件数 |
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米製造業新規受注(5月) |
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米ISM非製造業景況指数(6月) |
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| 4日 | 米国休場 |
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全世帯家計調査・消費支出(5月) |
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独製造業受注(5月) |
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ユーロ圏生産者物価指数(5月) |
※重要度を3段階で表示
金 (現物1oz.あたり) 日足 6ヵ月
<参照>SBI証券>マーケットデータより
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