2025-07-20 02:40:22

金は中東情勢の行方などを確認

更新:2025/6/16

提供:ミンカブ・ジ・インフォノイド

金は米FOMCで金融政策の見通しも焦点

 6月9日の週のニューヨーク金市場は、トランプ米大統領の関税発言や予想以下のインフレ指標、イスラエルのイラン攻撃を受けて安全資産として買われた。中心限月となる8月限は5月8日以来の高値3,468.0ドルを付けた。米中の通商協議で合意に達したが、米大統領が各国との貿易交渉で関税を通知するとした。米大統領は、米国の高関税の発動前に各国との貿易交渉を完了させる期限を現行の7月8日から延長しても構わないが、その必要はないと考えていると述べた。米国は今後1~2週間以内に、数十カ国に合意条件をまとめた書簡を送り、各国はそれを受け入れるか拒否するかを決めると述べた。
 5月の米消費者物価指数(CPI)は前年比2.4%上昇し、伸びは4月の2.3%上昇からやや加速したが、事前予想の2.5%を下回った。ガソリン価格の低下で家賃の上昇が相殺された。米生産者物価指数(PPI)は同2.6%上昇し、伸びは4月の2.5%上昇から加速した。ただ前月比で0.1%上昇し、事前予想の0.2%上昇を下回った。航空運賃などサービスコストが低下した。予想以下のインフレ指標を受け、CMEのフェドウォッチでは、米連邦準備理事会(FRB)が9月以降、2回の利下げを実施するとの見方が強まった。6月の米ミシガン大消費者信頼感指数速報値は60.5と5月確報値の52.2から上昇し、事前予想の53.5も上回った。6カ月ぶりに改善した。ただイスラエルのイラン攻撃を受けて原油が急伸しており、改善は一時的なものになるとの見方が出ている。1年先の期待インフレ率は5.1%と前月の6.6%から低下、長期的な期待インフレ率は4.1%と前月の4.2%から低下した。
 イスラエル軍は13日、イラン各地の核関連施設を含む数十カ所の軍事施設を空爆したと表明した。カッツ国防相はイランに先制攻撃を実施し、反撃を想定して特別非常事態宣言を発令すると発表した。イランはミサイルで報復攻撃を行い、軍事衝突が激化した。15日にオマーンで開催される予定だった米国とイランの核協議は、イランのアラグチ外相がイスラエルの攻撃を受けている間は協議できないと述べ、中止された。トランプ米大統領はSNSへの投稿で、「我々がイランから何らかの形で攻撃を受けた場合、米軍の全戦力と威力がかつてないレベルで降りかかることになるだろう」と警告した。「しかし、我々はイランとイスラエル間の合意を容易に成立させ、この血なまぐさい紛争を終わらせることができる」とも述べた。中東情勢の行方を確認したい。
 6月13日のニューヨークの金ETF(上場投信)の現物保有高は前週末6.28トン増の940.49トンとなった。弱い米経済指標やドル安を受けて投資資金が流入した。一方、米商品先物取引委員会(CFTC)の建玉明細報告によると、6月10日時点のニューヨーク金の大口投機家の買い越しは18万7,481枚となり、前週の18万7,905枚から縮小した。今回は手じまい売りが987枚、買い戻しが563枚入って、424枚買い越し幅を縮小した。

NYプラチナは一代高値更新後に上げ一服

 ニューヨーク・プラチナ7月限はドル安や金堅調などを受けて買い優勢となり、一代高値1,300.5ドルを付けたのち、株安を受けて上げ一服となった。米中の通商協議で合意し、高値での中国勢の買いが続いた。ただイスラエルのイラン攻撃で中東の緊張が高まり、株安に振れると、利食い売りが出た。原油が急伸しており、今後の経済への影響を確認したい。
 プラチナETF(上場投信)の現物保有高は、12日のロンドンで18.54トン(前週末19.44トン)、13日のニューヨークで37.00トン(同37.00トン)、12日の南アで10.70トン(同11.00トン)となった。一方、米商品先物取引委員会(CFTC)の建玉明細報告によると、6月10日時点のニューヨーク・プラチナの大口投機家の買い越しは2万6,979枚となり、前週の2万0,049枚から拡大した。

ニューヨーク金は中東の緊張で逃避買い

 ニューヨーク金は予想以下のインフレ指標やドル安、イスラエルのイラン攻撃を受けて安全資産として買われた。中心限月の8月限は5月8日以来の高値3,468.0ドルを付けた。米中の通商協議で合意に達したが、トランプ米大統領が各国との貿易交渉で関税を通知するとした。また米消費者物価指数(CPI)や米生産者物価指数(PPI)が予想以下となり、米連邦準備理事会(FRB)の年2回の利下げ見通しが強い。ただ今週の米連邦公開市場委員会(FOMC)では金利据え置きが見込まれている。当面はイスラエルとイランの戦闘で中東情勢の行方を確認したい。

16日

南ア休場

日銀金融政策決定会合1日目

中国住宅価格指数(5月)

中国小売売上高(5月)

中国鉱工業生産(5月)

米ニューヨーク連銀製造業景況指数(6月)

17日

日銀総裁記者会見

独ZEW景況感指数(6月)

米小売売上高(5月)

米輸出入物価指数(5月)

米鉱工業生産・設備稼働率(5月)

米企業在庫(4月)

米連邦公開市場委員会(FOMC)1日目

18日

機械受注(4月)

貿易収支(5月速報)

英消費者物価指数(5月)

ユーロ圏国際収支(4月)

ユーロ圏消費者物価指数(5月確報)

米住宅着工・許可件数(5月)

米新規失業保険申請件数

対米証券投資(4月)

米連邦公開市場委員会(FOMC)声明発表

19日

米国休場

英中銀(BOE)政策金利公表

スイス国立銀行政策金利公表

20日

消費者物価指数(5月)

日銀金融政策決定会合議事要旨公表(4月30-5月1日分)

独生産者物価指数(5月)

英小売売上高(5月)

米フィラデルフィア連銀製造業景況指数(6月)

※重要度を3段階で表示

金 (現物1oz.あたり) 日足 6ヵ月

<参照>SBI証券>マーケットデータより

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