2025-07-20 02:34:07

金は米国とEUの関税協議などを確認

更新:2025/6/2

提供:ミンカブ・ジ・インフォノイド

金はトランプ関税に対する司法の判断も焦点

 5月26日の週のニューヨーク金市場は、トランプ米大統領が欧州連合(EU)に対する関税発動を延期したことなどを受けて売り優勢となったが、ドル高一服を受けて下げ一服となった。中心限月となる8月限は5月20日以来の安値3,269.1ドルを付けた。
 トランプ米大統領は、欧州委員会のフォンデアライエン委員長との電話会談を受け、欧州連合(EU)に対する50%の関税発動期限を7月9日まで延長すると述べた。EUの交渉担当者は米政権の10%関税は撤回困難と認識し、全面的な貿易戦争の回避にはより大きな譲歩が必要との見方を示した。米大統領は30日、ペンシルベニア州ピッツバーグ郊外の製鉄所で、輸入される鉄鋼とアルミニウムに課す追加関税を2倍の50%に引き上げる計画を表明した。6月4日から実施されるという。欧州委員会は31日、米大統領が打ち出した鉄鋼とアルミニウムへの関税倍増計画に対して、報復する用意があると強調した。また米大統領は、中国が相互に関税率を引き下げる米国との合意のほか、重要鉱物の取引に関する合意にも違反したと主張し、中国に対し厳しい措置を取る可能性を示唆した。中国の習近平国家主席と会談する見通しも明らかにしており、協議の行方を確認したい。
 米国際貿易裁判所は、米大統領の世界的な関税措置を巡り、違法だとして阻止する判断を下した。米政権は直ちに控訴し、ホワイトハウスのデサイ報道官は「貿易赤字は国家非常事態であり、米国のコミュニティーを破壊し、労働者を置き去りにし、防衛産業基盤を弱体化させている。この事実は裁判所も異議を唱えなかった」とし「選挙で選ばれていない裁判官が国家非常事態への適切な対応を決めるべきではない」と表明した。米連邦高裁は、米大統領が世界各国・地域に対して課した関税の大半を違法とした判断について、一時的な執行の差し止めを命じた。最高裁による審理がほぼ確実視されており、トランプ関税に対する司法の判断も当面の焦点である。
 4月の米国の航空機を除く非国防資本財(コア資本財)受注は前月比1.3%減少した。関税政策を背景に経済を巡る不透明感が増すなか、大幅に減少し、第2四半期序盤の企業設備投資の軟化を示唆した。事前予想は0.1%減。耐久財受注は同6.3%減少した。5月の米消費者信頼感指数は98.0と前月から12.3ポイント上昇した。米中貿易戦争の休戦を背景に5カ月連続で悪化したのち、改善に転じたものの、関税措置に起因する物価上昇と経済成長を巡る懸念は引き続きくすぶっている。事前予想は87.0。米新規失業保険申請件数は前週比1万4,000件増の24万件と3年半ぶりの高水準となった。労働市場の緩和が続くなか、予想以上に増加し、5月の失業率も上昇基調にあるとみられる。事前予想は23万件。4月の米個人消費支出(PCE)価格指数は前年比2.1%上昇した。伸びは前月の2.3%から鈍化した。米国の関税措置を巡る状況が常に変化し、経済的な不確実性が高まるなか、家計が消費よりも貯蓄に資金を振り向けていることが背景にあるとみられる。今週は5月の米雇用統計の発表がある。
 4月の香港経由の中国の金輸入量は58.61トンとなり、3月の21.07トンから178%増加した。金輸入の急増は中国人民銀行が4月に一部の商業銀行に対して追加輸入枠を発行したことが一因であり、米中の貿易戦争に対する懸念を受けた機関投資家や個人投資家の強い需要が背景にある。
 5月30日のニューヨークの金ETF(上場投信)の現物保有高は前週末7.74トン増の930.20トンとなった。ドル高一服を受けて安値拾いの買いが入った。一方、米商品先物取引委員会(CFTC)の建玉明細報告によると、5月27日時点のニューヨーク金の大口投機家の買い越しは17万4,184枚となり、前週の16万3,981枚から拡大した。今回は手じまい売りが3,975枚、買い戻しが1万4,178枚入って、1万0,203枚買い越し幅を拡大した。

プラチナは調整局面を迎える

 ニューヨーク・プラチナ7月限は米国と欧州連合(EU)の関税協議に関心が移るなか、調整局面を迎え、5月21日以来の安値1,050.5ドルを付けた。欧州自動車工業協会(ACEA)によると、4月のEUの新車(乗用車)登録台数は前年同月比1.3%増の92万5,359台となった。1~4月は前年同期比1.2%減の364万0,211台となった。今週は欧州中央銀行(ECB)理事会があり、ユーロ圏の景気見通しも確認したい。
 プラチナETF(上場投信)の現物保有高は、29日のロンドンで19.15トン(前週末19.26トン)、30日のニューヨークで33.61トン(同33.61トン)、29 日の南アで11.00トン(同11.00トン)となった。一方、米商品先物取引委員会(CFTC)の建玉明細報告によると、5月27日時点のニューヨーク・プラチナの大口投機家の買い越しは2万5,343となり、前週の枚1万7,396枚から拡大した。

ニューヨーク金はレンジ形成

 ニューヨーク金は米大統領が欧州連合(EU)に対する関税発動を延期したことを受けて売り優勢となったが、ドル高一服を受けて押し目を買われた。中心限月の8月限は5月20日以来の安値3,269.1ドルを付けた。4月22日に一代高値3,539.3ドルを付けたのち、5月15日に3,151.0ドルで下げ一服となり、レンジ相場を形成した。トランプ米政権の関税政策で米連邦準備理事会(FRB)の利下げが見送られたことが圧迫要因だが、米国の財政不安から安値拾いの買いが入った。

6月2日からの週の注目ポイント

2日

ニュージーランド、中国休場

ユーロ圏製造業購買担当者景況指数(5月確報)

米建設支出(4月)

米ISM製造業景況指数(5月)

3日

中国財新製造業購買担当者景況指数(5月)

ユーロ圏消費者物価指数(5月速報)

ユーロ圏雇用統計(4月)

米耐久財受注(4月確報値)

米製造業新規受注(4月)

4日

ユーロ圏サービス業購買担当者景況指数(5月確報)

ユーロ圏購買担当者総合景況指数(5月確報)

ADP全米雇用報告(5月)

米ISM非製造業景況指数(5月)

米地区連銀経済報告(ベージュブック)

カナダ銀行政策金利発表

5日

中国財新サービス業購買担当者景況指数(5月)

独製造業受注(4月)

ユーロ圏生産者物価指数(4月)

欧州中央銀行(ECB)理事会

米貿易収支(4月)

米新規失業保険申請件数

6日

全世帯家計調査・消費支出(4月)

独貿易収支(4月)

独鉱工業生産指数(4月)

ユーロ圏域内総生産(1-3月期確報)

ユーロ圏小売売上高(4月)

米雇用統計(5月)

※重要度を3段階で表示

金 (現物1oz.あたり) 日足 6ヵ月

<参照>SBI証券>マーケットデータより

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