2025-06-19 21:42:09

金はリスク回避で調整局面

2025/3/3
提供:ミンカブ・ジ・インフォノイド

金はウクライナ支援の行方を確認

 2月24日の週のニューヨーク金市場は、ウクライナの停戦協議の不透明感を受けて安全資産として買われたが、米大統領の関税発言でリスク回避の動きが出ると、調整局面を迎えた。中心限月の4月限は一代高値2,974.0ドルを付けたのち、上げ一服となった。トランプ米大統領は、カナダとメキシコに対する関税に関して3月4日に発動すると述べた。また中国に対しても、同日に追加で10%の関税を課すとした。合成麻薬「フェンタニル」を含む違法薬物の流入が続いていると指摘した。4日には米大統領の施政方針演説もある。また欧州連合(EU)からの輸入品に対する25%の関税賦課を近く発表するとした。関税発動で貿易戦争に対する懸念が高まっており、各市場でリスク回避の動きが出た。
 ウクライナのゼレンスキー大統領とトランプ米大統領らとの会談は、激しい口論となり、予定していた鉱物資源を巡る合意文書の署名も行われなかった。ゼレンスキー大統領はその後、スターマー英首相と会談し、温かく迎えられた。欧州首脳は2日、英国主催の緊急会合でウクライナの安全保障に向けた防衛費増強を協議した。英国は有志連合を提唱し、戦闘停止の計画を策定するとした。米国とロシアの協議の行方も焦点であり、ウクライナ停戦の見通しを確認したい。
 2月の米消費者信頼感指数は98.3と前月から7ポイント低下した。低下幅は3年半ぶりの大きさ。市場予想の102.5も下回り、2024年6月以来の低水準となった。第4四半期の米国内総生産(GDP)改定値は年率換算で前期比2.3%増となった。前四半期の3.1%増から減速した。1月の米個人消費支出(PCE)価格指数は前年比2.5%上昇と、前月の2.6%から伸びが減速した。物価の瞬間風速を示す前月比では0.3%上昇で、市場予想と一致した。前月は0.3%上昇で修正はなかった。米個人消費支出は前月比0.2%減と市場予想の0.1%増から予想外に減少し、米連邦準備理事会(FRB)の利下げ再開は6月になるとの市場の見方が強い。米カンザスシティー地区連銀のシュミッド総裁は、最近のインフレ期待の上昇を踏まえ、米FRBはインフレ抑制において「警戒を緩めるべきでない」という認識を示した。今週は2月の米雇用統計の発表がある。
 2月28日のニューヨークの金ETF(上場投信)の現物保有高は前週末比変わらずの904.38トンとなった。押し目買いが入り、907.82トンまで増加したが、リスク回避の動きを受けて投資資金が流出した。一方、米商品先物取引委員会(CFTC)の建玉明細報告によると、2月25日時点のニューヨーク金の大口投機家の買い越しは26万1,625枚となり、前週の26万8,674枚から縮小した。今回は手じまい売りが1万7,095枚、新規売りが1万0,046枚出て、7,049枚買い越し幅を縮小した。

プラチナは米大統領の関税発言やドル高が圧迫

 ニューヨーク・プラチナ4月限はトランプ米大統領の関税発言やドル高を受けて売り優勢となり、1月3日以来の安値936.7ドルを付けた。米大統領はカナダとメキシコに対する関税に関して3月4日に発動すると述べ、中国に対しても追加で10%の関税を課すとした。欧州連合(EU)に対する関税も発表する見通しであり、貿易戦争に対する懸念が強い。一方、6日に開かれる欧州中央銀行(ECB)理事会では、25ベーシスポイント(bp)の追加利下げが予想されている。ウクライナ支援で防衛費増強を協議しており、欧州経済の見通しも確認したい。
 プラチナETF(上場投信)の現物保有高は、27日のロンドンで19.83トン(前週末19.88トン)、28日のニューヨークで33.80トン(同33.38トン)、27日の南アで10.68トン(同10.68トン)となった。一方、米商品先物取引委員会(CFTC)の建玉明細報告によると、2月25日時点のニューヨーク・プラチナの大口投機家の買い越しは1万6,176枚となり、前週の2万3,537枚から縮小した。

ニューヨーク金は一代高値更新後に調整局面

 ニューヨーク金は安全資産として買われる場面も見られたが、米大統領の関税発言によるリスク回避の動きを受けて利食い売り主導で調整局面を迎えた。中心限月の4月限はウクライナの停戦協議の先行き不透明感などを受けて一代高値2,974.0ドルを付けたのち、調整局面を迎えた。米国のカナダやメキシコ、中国に対する関税が4日に発動する。4日には米大統領の施政方針演説も行われる。一方、米大統領とウクライナのゼレンスキー大統領の会談は破断し、鉱物資源協定の署名は行われなかった。欧州首脳が緊急会合でウクライナ支援を協議しており、行方を確認したい。

3月3日からの週の注目ポイント

3日 中国財新製造業購買担当者景況指数(2月) ☆☆
ユーロ圏製造業購買担当者景況指数(2月確報) ☆☆
ユーロ圏消費者物価指数(2月速報) ☆☆☆
米ISM製造業景況指数(2月) ☆☆☆
4日 失業率(1月) ☆☆
ユーロ圏雇用統計(1月) ☆☆
5日 中国財新サービス業購買担当者景況指数(2月) ☆☆
ユーロ圏サービス業購買担当者景況指数(2月確報) ☆☆
ユーロ圏購買担当者総合景況指数(2月確報) ☆☆
ユーロ圏生産者物価指数(1月) ☆☆
ADP全米雇用報告(2月) ☆☆
米製造業新規受注(1月) ☆☆
米ISM非製造業景況指数(2月) ☆☆☆
米地区連銀経済報告(ベージュブック) ☆☆
6日 ユーロ圏小売売上高(1月) ☆☆
欧州中央銀行(ECB)理事会 ☆☆☆
米貿易収支(1月) ☆☆
米新規失業保険申請件数 ☆☆
7日 中国貿易収支(2月) ☆☆
独製造業受注(1月) ☆☆
ユーロ圏域内総生産(10-12月期確報) ☆☆☆
米雇用統計(2月) ☆☆☆

※重要度を3段階で表示

金(現物1oz.あたり)日足 6ヵ月

<参照>SBI証券>マーケットデータより

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