2025-06-19 22:21:14

金は米関税や地政学的リスクで逃避買い

2025/2/25
提供:ミンカブ・ジ・インフォノイド

金は米国とウクライナの鉱物協定を確認

 2月17日の週のニューヨーク金市場は、米国の関税に対する懸念や地政学的リスクを受けて買い優勢となった。中心限月の4月限は一代高値2,974.0ドルを付けた。トランプ米大統領は、自動車や半導体、医薬品に税率25%前後の輸入関税を賦課する公算が大きく、4月2日にも発表する可能性があると述べた。一方、カナダとメキシコに対する米国の関税引き上げの発動が3月4日に迫る中、措置を回避するため、移民や合成麻薬フェンタニル流入を巡る一連の協議が活発化する見通しである。両国がトランプ米大統領を説得できるかどうかを確認したい。
 トランプ米大統領は主要7カ国(G7)首脳のテレビ会議で、ロシアとウクライナの紛争終結を目指す考えで一致したとした。ウクライナは首都キーウで「ウクライナ支援サミット」を開催し、欧州諸国から団結の表明が相次いだ。欧州委員会のフォンデアライエン委員長は、ウクライナのEU加盟について、現在のペースで改革が継続されれば2030年よりも前に実現する可能性があると述べた。ただ米国とウクライナの鉱物資源に関する協定がまとまらず、不透明感が残っている。ウクライナのゼレンスキー大統領は米国の提案に安全保障が盛り込まれなかったことから署名を拒否した。週内か来週にも会談する可能性があるとしており、協議の行方を確認したい。
 1月の米小売売上高は前月比0.9%減少した。厳しい寒波や西部カリフォルニア州で発生した大規模な山火事などが響き、2023年3月以来の大きな減少となった。第1四半期初めに米国の経済成長が急激に減速した可能性がある。2月のニューヨーク州製造業業況指数はプラス5.7と、前月のマイナス12.6から大きく上昇し、予想はマイナス1.0も上回った。フィラデルフィア地区連銀製造業業況指数は18.1となった。前月から26.2ポイント低下し、低下幅は約5年ぶりの大きさとなった。原材料価格が約2年半ぶりの高水準を付け、投入価格が急騰したことが響いた。米連邦公開市場委員会(FOMC)の利下げに慎重な見方が強い。
 ゴールドマン・サックスは2025年末の金価格について、従来予想の2,890ドルから3,100ドルに引き上げた。中央銀行の需要が構造的に高まることで、年末までに金価格は9%上昇し、金利低下に伴いETF(上場投信)の保有が徐々に増加することもあり、金価格は上昇するとした。また関税を巡る懸念など政策の不確実性が高止まりした場合、投機的なポジションの長期化により、金が年末までに3,300ドルまで上昇する可能性があると予想した。
 2月21日のニューヨークの金ETF(上場投信)の現物保有高は前週末比41.32トン減の904.38トンとなった。史上最高値更新後に利食い売りが出た。一方、米商品先物取引委員会(CFTC)の建玉明細報告によると、2月18日時点のニューヨーク金の大口投機家の買い越しは26万8,674枚となり、前週の28万4,504枚から縮小した。今回は手じまい売りが9,723枚、新規売りが6,107枚出て、1万5,830枚買い越し幅を縮小した。

プラチナは米大統領の関税発言が圧迫

 ニューヨーク・プラチナ4月限はトランプ米大統領の関税発言を受けて売り優勢となり、1月29日以来の安値968.1ドルを付けた。米大統領は、自動車や半導体、医薬品に税率25%前後の輸入関税を賦課する公算が大きく、4月2日にも発表する可能性があると述べた。各国との交渉の行方を確認したい。
 プラチナETF(上場投信)の現物保有高は、20日のロンドンで20.13トン(前週末20.58トン)、21日のニューヨークで33.38トン(同33.38トン)、20日の南アで10.68トン(同10.65トン)となった。一方、米商品先物取引委員会(CFTC)の建玉明細報告によると、2月18日時点のニューヨーク・プラチナの大口投機家の買い越しは2万3,537枚となり、前週の2万5,730枚から縮小した。

ニューヨーク金は一代高値更新が続く

 ニューヨーク金は米国の関税に対する懸念や地政学的リスクを受けて買い優勢となった。中心限月の4月限は一代高値2,974.0ドルを付けた。トランプ米大統領は自動車関税などを4月2日に発表するとした。一方、欧米のウクライナの停戦協議が開始されたが、米国とウクライナの鉱物資源に関する協定がまとまらず、先行き不透明感が残っている。金ETF(上場投信)が安全資産として買われており、価格を押し上げる要因になっている。

2月24日からの週の注目ポイント

24日 国民の祝日
25日 独国内総生産(10-12月期確報) ☆☆
米S&Pケース・シラー住宅価格指数(12月) ☆☆
米消費者信頼感指数(2月) ☆☆
26日 米新築住宅販売(1月) ☆☆☆
27日 米国内総生産(10-12月期改定値) ☆☆☆
米耐久財受注(1月速報値) ☆☆
米新規失業保険申請件数 ☆☆
米中古住宅販売仮契約指数(1月) ☆☆
28日 鉱工業生産指数(1月速報) ☆☆
小売業販売額(1月速報) ☆☆
独雇用統計(2月) ☆☆
独消費者物価指数(2月速報) ☆☆
米個人所得・支出(1月) ☆☆☆
シカゴ購買部協会景気指数(2月) ☆☆

※重要度を3段階で表示

金(現物1oz.あたり)日足 6ヵ月

<参照>SBI証券>マーケットデータより

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