2025-06-22 16:48:09

金はウクライナの停戦交渉を確認

2025/2/17
提供:ミンカブ・ジ・インフォノイド

金は米相互関税でVATの扱いも焦点

 2月10日の週のニューヨーク金市場は、ガザ停戦破棄に対する懸念を受けて一段高となったのち、利食い売りなどが出て上げ一服となった。中心限月の4月限は一代高値2,968.5ドルを付けた。イスラム組織ハマスはイスラエルが停戦合意に違反しているとして、15日の人質の解放を延期した。トランプ米大統領は、ハマスが15日正午までに人質を全員解放しなければ、停戦合意は破棄され地獄を見ることになると警告した。またイスラエルのネタニヤフ首相は、ハマスが15日正午までに人質を解放しなければ、ガザ停戦は終了し、イスラエル軍はハマスが敗北するまで攻撃を再開すると述べた。ハマスは15日に人質3人を解放し、停戦破棄は回避された。ただ依然として人質73人が拘束されている。
 トランプ米大統領は鉄鋼とアルミニウムに対する関税を25%へ大幅に引き上げ、主要供給国であるカナダ、メキシコ、ブラジルなどへの適用除外措置と無関税枠を撤回した。各国から反発する声が上がっており、貿易戦争に対する懸念が強い。また米大統領は13日、米国の輸入品に関税を課している全ての国に「相互関税」を課すと発表した。付加価値税(VAT)を採用している国については、それを関税と見なすとし、4月2日に自動車関税を導入すると発表した。欧州連合(EU)はVATを加盟国の共通税制と定めており、日本では消費税が関税とみなされる可能性がある。一方、1月の米消費者物価指数(CPI)は前年比3.0%上昇した。前月比では0.5%上昇し、2023年8月以来の大幅な伸びを記録した。事前予想は前年比2.9%上昇、前月比0.3%上昇。米生産者物価指数(PPI)は前年比3.5%上昇した。前月の3.3%上昇から伸びが加速し、事前予想の3.2%上昇も上回った。米連邦準備理事会(FRB)の利下げ観測が後退したが、インフレ懸念が強い。米小売売上高は前月比0.9%減少した。事前予想は0.1%減。厳しい寒波や西部カリフォルニア州で発生した大規模な山火事などが響き、2023年3月以来の大きな減少となった。ただ前月は0.7%増に上方改定された。
 トランプ米大統領は、ロシアのプーチン大統領と電話会談し、ウクライナでの戦争終結に向けた交渉を直ちに開始することで合意したと明らかにした。ドイツで15日にミュンヘン安全保障会議が開催され、米政権のウクライナ担当特使ケロッグ氏は、欧州諸国がウクライナ和平交渉のテーブルにつくことはないと発言した。欧州諸国は和平交渉から締め出されることは受け入れられないと反発した。米国とロシアの政府当局者は数日中にサウジアラビアでウクライナ戦争の終結に向けた協議を開始する見通しとなった。ウクライナのゼレンスキー大統領は、米政府から提示された鉱物資源協定案について、ウクライナの求める安全保障条項が盛り込まれておらず、現時点で国益にならないとの認識を示した。
 2月14日のニューヨークの金ETF(上場投信)の現物保有高は前週末比5.44トン減の863.06トンとなった。史上最高値更新後に利食い売りが出た。一方、米商品先物取引委員会(CFTC)の建玉明細報告によると、2月11日時点のニューヨーク金の大口投機家の買い越しは28万4,504枚となり、前週の30万2,508枚から縮小した。今回は手じまい売りが1万2,734枚、新規売りが5,270枚出て、1万8,004枚買い越し幅を縮小した。

プラチナは金堅調やドル安が支援も上げ一服

 ニューヨーク・プラチナ4月限は金堅調やドル安を受けて買い優勢となり、昨年10月30日以来の高値1,063.8ドルを付けたのち、予想以下の米小売売上高や金の上げ一服を受けて反落した。トランプ米大統領が相互関税の大統領令に署名した。付加価値税(VAT)を採用している国については、それを関税と見なすとしており、適用範囲と各市場の反応を確認したい。
 プラチナETF(上場投信)の現物保有高は、13日のロンドンで20.51トン(前週末21.11トン)、14日のニューヨークで33.38トン(同33.52トン)、13日の南アで10.65トン(同11.16トン)となった。一方、米商品先物取引委員会(CFTC)の建玉明細報告によると、2月11日時点のニューヨーク・プラチナの大口投機家の買い越しは2万5,730枚となり、前週の1万8,975枚から拡大した。

ニューヨーク金は一代高値更新後に上げ一服

 ニューヨーク金はガザ停戦破棄に対する懸念を受けて一段高となったのち、利食い売りが出て上げ一服となった。中心限月の4月限は一代高値2,968.5ドルを付けた。イスラム組織ハマスが人質解放を延期すると、ガザ停戦破棄に対する懸念が高まった。イスラエルが停戦終了を警告すると、人質は解放された。一方、トランプ米大統領が関税引き上げの大統領令に署名し、貿易戦争に対する懸念が残っている。またウクライナの停戦交渉が開始され、当面の焦点である。

2月17日からの週の注目ポイント

17日 米国休場
国内総生産(10-12月期1次速報) ☆☆☆
ユーロ圏貿易収支(12月) ☆☆
18日 豪準備銀行政策金利公表 ☆☆☆
英雇用統計(1月) ☆☆
独ZEW景況感指数(2月) ☆☆
米ニューヨーク連銀製造業景況指数(2月) ☆☆
対米証券投資(12月) ☆☆
19日 機械受注(12月) ☆☆
貿易収支(1月速報) ☆☆
中国住宅価格指数(1月) ☆☆
NZ準備銀行政策金利公表 ☆☆☆
英消費者物価指数(1月) ☆☆☆
米住宅着工・許可件数(1月) ☆☆☆
米FOMC議事録公表(1月28-29日) ☆☆
20日 独生産者物価指数(1月) ☆☆
米新規失業保険申請件数 ☆☆
米フィラデルフィア連銀製造業景況指数(2月) ☆☆
21日 消費者物価指数(1月) ☆☆☆
英小売売上高(1月) ☆☆
ユーロ圏製造業購買担当者景況指数(2月速報) ☆☆
ユーロ圏サービス業購買担当者景況指数(2月速報) ☆☆
米ミシガン大消費者信頼感指数(2月確報値) ☆☆
米中古住宅販売統計(1月) ☆☆

※重要度を3段階で表示

金(現物1oz.あたり)日足 6ヵ月

<参照>SBI証券>マーケットデータより

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