2026-03-11 16:41:14

2025年下半期農産品価格大胆予想

更新:2025/7/11

提供:株式会社マーケット・リスク・アドバイザリー (MRA)

2025年上半期の農産品セクターは、全般に緩い需給環境を反映して弱含む商品が多かった。まずは年初配信の上半期価格予想と結果を総括した上で、2025年下半期の価格動向を予想する。(総括部分の価格は粗糖が10月限である以外は当該先物市場9月限ベース)


【小麦】
(年初執筆時価格)577.00   (年初時点7/1予想)750.00  (7/1引け値)549.00
 米国産小麦の輸出競争力回復を背景に上昇予想とするも、輸出環境は継続的に厳しく、足元冬小麦の豊作観測もあり、価格は下落。

【トウモロコシ】
(年初)443.75  (7/1予想)395.00  (7/1引け値)406.00
 米国の新穀作付面積増見通し及び来期25/26年度需給緩和観測を背景に弱含む予想であり、ほぼ想定通りの展開となった。

【大豆】
(年初)1,007   (7/1予想)990  (7/1引け値)1018.50
 米国新穀作付面積減が下支えとなるも、生育順調で比較的頭の重い展開は想定通りであったが、6/13に米環境保護局発表の来年度バイオディーゼル混合義務大幅増の案が強材料となり、想定をやや上回る価格展開となった。

【粗糖】
(年初)17.74   (7/1予想)16.50  (7/1引け値)15.70
 グローバルベースでの生産増、需給緩和は想定通り。需要減退により下げ幅はやや大きめ。

【コーヒー】
(年初)306.10  (7/1予想)250.00  (7/1引け値)291.95
 ブラジルのアラビカ種生産量回復見通し、ベトナムでのロブスタ種生産回復から4月以降は下落傾向が顕著になっている点は想定通りであるが、冬場の上昇圧力が予想外に強く、想定レベルまでの下落とはならず。

【ココア】
(年初)9,615   (7/1予想)8,500  (7/1引け値)8,317
 西アフリカ主要生産国での生産回復期待、高値による需要減退等の要因から価格推移は想定通りであった。


上半期を総括すると、ペルー沖で発生していたラニーニャ現象は収束に向かい、冬場から現在に至るまで生産に障害が出る規模での異常気象は具現せず、南米の穀物、油糧種子や昨年異常気象の影響を受けたコーヒー、ココア(カカオ豆)、粗糖(サトウキビ)など全般に増産傾向が強まっている。この背景から農産品全体的に価格は弱含んだ上半期であった。

下半期予想にあたっての取り巻く諸環境の現状は、@トランプ政権による関税政策による商流の不透明感が台頭A米国中西部の天候推移は順調であり、大豆、トウモロコシ、春小麦などの生育は極めて良好B米環境保護局提案の2025/26年度バイオディーゼル混合義務量が急増見通しCコーヒー、ココア(カカオ豆)、サトウキビ主要産地での良好な天候推移、などが挙げられるが、上記B以外は弱材料と捉えられる。一方、不透明要素は@秋口から始まる南米での大豆、トウモロコシの(天候含め)作付け動向A2025/26年度バイオディーゼル混合義務の最終結論Bロシアのウクライナ侵攻に起因する黒海情勢C米国冬小麦の作付け動向、等が挙げられるが、いずれの要素も結果によっては上値リスクを含む点は要注意である。以上を踏まえ、かつ天候要因は正確な予測が不可能であることから平年並みの天候パターンを前提とした下期の価格推移予想を下記する。

なお、具現確率は低いものの、リスクとして捉えておくべき点として、小麦は対大豆・トウモロコシとの比較で上振れるケースのほか、現在落ち着いているウクライナ情勢の悪化で輸送に障害が出る場合がアップサイドとして意識される。
トウモロコシは大豆のバイオ燃料向けの混合義務強化があれば、投機的な観点からも上振れの可能性がある。逆に大豆・トウモロコシは今回のバイオ燃料規制の緩和があれば、下値を探ろう。
粗糖は新たな地政学リスクの具現などで原油価格が想定外の急騰を見せ、エタノール需要増が意識されれば、アップサイド(解消すれば下落に)のリスクは残る。
コーヒー・ココアは過度な供給懸念の後退が価格を下押しするが、嗜好品的な観点から景気の想定外の早い底入れなどが上昇リスクになると考える。

価格の基準は次の通り。
小麦 CBOT軟質冬小麦先物3月限(¢/bu)
トウモロコシ CBOTトウモロコシ先物3月限(¢/bu)
大豆 CBOT大豆先物3月限(¢/bu)
粗糖 ICE US粗糖先物3月限(¢/lb)
コーヒー ICE USアラビカコーヒー先物3月限(¢/lb)
ココア ICE USココア先物3月限($/t)

現在値 = 2025年7月7日引値
2025年12月31日予想値 = 2025年12月31日引値


【小麦】
(現在値)588.50   (12/31)650.00
 ロシア、米国含め現時点で大幅減産となる国、地域は見当たらず、供給面は依然緩い。一方で、需要の大幅増も見込めず、基本的には安値圏でのレンジ取引が主体と見る。他方、下記大豆、トウモロコシでの上値リスク具現時には比較感から買い戻しによる反発はあり得る。

【トウモロコシ】
(現在値)437.25  (12/31)485.00
 生育中の新穀が豊作の前提では来年度需給は大幅緩和する見込み。一方で、タイト化する大豆需給を背景に来年の新穀は耕作地域の多くが大豆に転換する可能性が高く、大豆高が具現すればトウモロコシも反発基調となろう。

【大豆】
(現在値)1,049.25   (12/31)1,250.00
 米国でのバイオディーゼル関連政策は最終結論待ちであるが、大豆油の大幅需要増は避けて通れないと考える。今クロップ収穫後は来期以降を睨み下期後半から上昇基調となる可能性が高いとみる。来期作付面積を大幅に増加させるにはトウモロコシとの比価が上がる必要もあり、必然的に上げ幅はトウモロコシ比で大幅となろう。南米で作付け段階での乾燥など天候異常が具現すると、上げ幅はさらに拡大するリスクも同時に内在する。

(出所:CBOT)

【粗糖】
(現在値)17.01  (12/31)17.50
 ブラジル、タイでの生産回復があり世界需給は緩く、当面現状レベルを挟んで安値圏での上下繰り返しを予想。価格の本格的回復は原油市場の戻りを待つ形となり、来年以降か。

【コーヒー】
(現在値)268.35  (12/31)220.00
 アラビカ種、ロブスタ種共に供給量回復、昨年前半の取引レベルに戻ると予想。

【ココア】
(現在値)7,451  (12/31)6,800
 西アフリカ主要生産国での減産傾向は継続するも、需要減退からもう一段下のレベルを目指す可能性高く、7,000ドル前後での適正価格模索が続こう。

(出所:ICE)

(7月8日記)

檜垣 元一郎

株式会社マーケット・リスク・アドバイザリー (MRA) 檜垣 元一郎

1982年国際基督教大学教養学部卒。住友商事株式会社入社。1985年より穀物・油糧種子現物・先物取引に従事。2001年からはコモディティビジネス部で幅広い商品の価格リスク制御の提案業務を担当。

その後、香港投資子会社、ベルギーの現地法人の社長を歴任した後、2024年マーケット・リスク・アドバイザリーフェローに就任。
専門分野は農産物全般市場分析、排出権市場分析、商品デリバティブ取引全般。

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