2025-06-22 16:58:27

2025年上半期農産品価格大胆予想

2025/1/14
提供:株式会社マーケット・リスク・アドバイザリー(MRA)

2024年の農産品セクターは、穀物が低迷、果樹系の価格が上昇する特徴的な年となった。年初にあたり今年上半期の主要農産品価格を予想した。

前穀物年度は、2024年に懸念された異常気象の発生がなく、主要三品(小麦、トウモロコシ、大豆)は軒並み豊作となった。今年は緩やかながらラニーニャ現象の影響が各穀物の生産に影響を及ぼす可能性が残るほか、ロシア・ウクライナなどの地政学的リスクなども意識されており、特に小麦は上振れのリスクが小さくない年になると予想される。

現在生育途上の南米では穀物毎に状況がまちまちで、ブラジル南部の一部とアルゼンチンを除き全般に良好な状況となっており、トウモロコシについては今年米国での作付面積増加が想定される中で、平年並みの天候推移を前提に需給は緩和が見込まれている。しかし逆に大豆は南米の豊作と北米での作付面積減の綱引きとなり、急激な需給緩和は想定しにくい環境である。

また、昨年市場で話題になったのが、コーヒーやココアなどの果樹系の農産品。これらは各々の材料が異なるが、昨年はエルニーニョ現象の発生が生産低下に追い打ちをかけた。いずれも嗜好品であり欧州や、足元の需要増加が顕著な中国の消費動向にも影響を受けるが両地区の景気は恐らく緩やかな回復に止まるとみられ、高価格と相まって需要面の価格押し上げ圧力は低下が予想される。粗糖は昨年度ブラジルの干ばつ、タイの熱波などが重なり供給面での障害が下支え要因となったが、今年は供給増が想定され、価格も下押し圧力が強まろう。

価格の基準は次の通り。

  • 小麦 CBOT軟質冬小麦先物9月限(セント/ブッシェル=¢/bu)
  • トウモロコシ CBOTトウモロコシ先物9月限(¢/bu)
  • 大豆 CBOT大豆先物9月限(¢/bu)
  • 粗糖 ICE US粗糖先物10月限(セント/ポンド=¢/lb)
  • コーヒー ICE USアラビカコーヒー先物9月限(¢/lb)
  • ココア ICE USココア先物9月限(米ドル/メートル・トン=USD/Mt)

現在値 = 2025年1月7日引値
2025年7月1日予想値 = 2025年7月1日引値

【小麦】
(現在値)577.00¢/bu (7月1日) 750.00¢/bu
 ロシア産の供給減、欧州昨年度減産により輸出需要の米国産へのシフト。米国産冬小麦の作柄悪化あれば一段高へ。
【トウモロコシ】
(現在値)443.75¢/bu (7月1日) 395.00¢/bu
 アルゼンチンの減産により一時的な価格上昇あるも、春先以降は米国の新穀作付面積増、順調な生育により来期25/26年度期末在庫20億ブッシェル超へ。
【大豆】
(現在値)1,007¢/bu (7月1日) 990¢/bu
 ブラジルの豊作を受けて一旦下押しされるも、米国新穀作付面積減が下支え、生育順調でも下値は限定的か。

出所:出所:CBOT

【粗糖】
(現在値)17.74¢/lb (7月1日) 16.50¢/lb
 ブラジル、タイでの生産回復、世界需給は緩和傾向。
【コーヒー】
(現在値)306.10¢/lb (7月1日) 250.00¢/lb
 ブラジルの樹勢回復、生産量も増加傾向となれば一旦下押し。
【ココア】
(現在値)9,615USD/Mt (7月1日) 8,500USD/Mt
 西アフリカ主要生産国での生産障害は継続するも、高値に起因する需要減退から価格は8,000-10,000ドルの範囲で居所探しか。

出所:ICE

(1月8日記)

檜垣 元一郎

株式会社マーケット・リスク・アドバイザリー(MRA) 檜垣 元一郎
1982年国際基督教大学教養学部卒。住友商事株式会社入社。1985年より穀物・油糧種子現物・先物取引に従事。2001年からはコモディティビジネス部で幅広い商品の価格リスク制御の提案業務を担当。
その後、香港投資子会社、ベルギーの現地法人の社長を歴任した後、2024年マーケット・リスク・アドバイザリーフェローに就任。
専門分野は農産物全般市場分析、排出権市場分析、商品デリバティブ取引全般。

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