実践!ETF投資 第1回 投資の初心者からプロまでETFを活用した資産運用
「聞いたことがあるけれど、実際にETF(上場投資信託)を買ったことはない」という人は、まだまだ多いのではないでしょうか。コストが低く、株式同様柔軟に売買でき、品揃えが豊富なETFは、投資先進国の米国では人気の金融商品ですが、日本では一部の投資家以外にはあまり知られていません。そこで、個人投資家にとっても有力な投資の選択肢となりうるETFの特徴や選び方について、専門家にお話を伺います。
小田ETFというと、日銀が買っているもの、もしくは<1570>NEXT FUNDS 日経平均レバレッジ・インデックスETFや<1357>NEXT FUNDS日経平均ダブルインバース・インデックスETFの売買が多く、プロの投資家や上級投資家が使う金融商品というイメージが強いのですが、そもそもETFはどのような商品なのでしょう。
田寺ETFは、Exchange Traded Fundsの略で、日本語では、上場している投資信託という意味です。投資信託は株式や債券を組み合わせてパッケージにした金融商品ですが、ETFは指数に連動するように運用される投資信託が上場しているものです。
小田指数というのは、日経平均株価やTOPIX(東証株価指数)等ですね。
田寺はい。指数は株式や債券の市場全体の動向を数値化したもので、日本株式以外でも、米国株式のNYダウやナスダック指数等が有名です。これらの指数に連動するよう運用されるので、例えば、<1546>NYダウETFを1銘柄保有するだけで、ボーイングやアップル、3M等アメリカを代表する30社の大型株に投資していることになるわけです。
小田1銘柄で分散投資ができるということですね。
田寺はい。商品によりますが、例えば、<1546>NYダウETFは約3万円、<1545>ナスダックETFは約1万円でご購入頂けますので、比較的手軽に国際分散投資が可能となります。
小田1〜3万円で始められるのであれば、個人の投資家にとっても使いやすいですね。
田寺ETFは上級投資家が使うイメージが強いというお話がありましたが、もちろん、投資上級者の方であれば、レバレッジ型・インバース型の短期売買や、インド等の単一国に投資したり、信用取引を活用する等様々な取引が可能です。 一方、これから投資をはじめようと思っている方や投資経験が浅い方であれば、まずは<1306>TOPIXETFや<1321>日経225 ETFを1本持っていただき、株式の値動きに慣れて頂くのもよいでしょうし、配当に興味がある方は、高配当に着目した<1489>日経高配当株50ETFや<1577>日本株高配当70ETF等をご検討されるのもよいでしょう。投資の初心者から投資のプロまで、様々な方にお使い頂けるのがETFの魅力のひとつです。
小田銘柄選択の手間が省ける分、ETFには保有期間中に信託報酬と呼ばれるコストがかかりますね。
田寺はい。信託報酬はETFを運用するための管理コストで、基準価額に対して一定の率がETFの資産から自動的に差し引かれます。ETFの信託報酬は、例えば<1306>TOPIXETFは年率0.11%(税抜き)と、一般的な投資信託と比較するとかなり低く抑えられています。また、現在(2018/11/1〜2019/1/31)、SBI証券では野村アセットマネジメントが運用する国内ETFの一部の取引手数料を全額キャッシュバックするキャンペーンを実施中ですが、通常売買する際には、口座をお持ちの証券会社によって決められている取引手数料を支払うことになります。
小田個人投資家の方から、ETFは商品性はいいけれど、流動性が低いので売りたい時に売れないのが心配、といった声も聞かれます。
田寺そうしたお声を受け、東京証券取引所(東証)は今年7月に「マーケットメイク制度」を導入しました。これはETF市場に、より流動性を供給するための制度で、マーケットメイカーと呼ばれるプレーヤーが売り気配と買い気配を提示することで、マーケットメイクをより能動的に行なうものです(マーケットメイカーはマーケットメイクの代償として一定の報奨金を東証や運用会社から受け取ります)。制度導入から約4カ月が経ちましたが、対象銘柄の大部分で注文提示状況(スプレッド)が改善するなど、制度は間違いなく浸透してきています。東証はマーケットメイク制度導入後の変化を「東証マネ部」で公表しているので、ぜひチェックしてみてください。
「高配当指数」を対象指標とするETFの一日平均売買代金(立会内)の変化
(出所)東証マネ部
小田個人投資家にとってもETFの使い勝手がよくなっているんですね。
田寺現在*東証には、224本の国内ETFが上場していて、国内株式はもちろん、外国株式、国内外債券、REIT、コモデティ等品ぞろえも充実しており、もっと個人投資家の皆様に活用頂いてよい商品だと思います。ただ、これは私たちの反省点ですが、現状個人投資家の皆様に向けたETFの使い方や商品性に関する情報を十分ご提供できていないと考えています。この点については今後改善していきたいと考えています。
*2018/11/15現在
小田当社のホームページでは各銘柄の株価情報等はご確認頂けますが、指数そのものの説明や組入銘柄等は何で確認したらよいですか。
田寺東証のホームページであれば、東証に上場しているすべての銘柄の詳細情報がご確認頂けますし、野村アセットが運用する商品については、<NEXT FUNDS専用サイト>で、組入全銘柄や月次レポート、目論見書(投資信託の説明書)等をご確認頂けます。
ETFは一度活用頂くと、使い勝手のよさを実感して頂ける金融商品です。今回のキャンペーンを活用して、ぜひご興味のあるETFを保有してみて頂ければ幸いです。
小田「習うより慣れろ」ですね。大変よくわかりました。ありがとうございました。
次回は、ファイナンシャル・プランナーの横田健一さんにETF投資をする上でのポイントや注意点を伺います。
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