指数は次第に落ち着きを取り戻しレンジを意識か、AI関連以外では小売企業の決算に注目
2026/4/6
提供:DZHフィナンシャルリサーチ 日本株情報部 東野幸利
今週の株式見通し(2026/4/6-4/10)
今週(2026/4/6-4/10)の日経平均株価の予想レンジは52,000円-54,000円。東京株式市場は方向感に乏しい展開か。依然として外部環境が不透明な中、上値は積極的に買えず、下値も積極的に売れずの状況が予想される。日々の値動きが激しかった3月から先週までの動きは次第に落ち着きを取り戻し、4月中旬にかけては53,000円どころを中心にもみ合い基調が想定される。
今週は大きなイベントがない中、米国商務省が4/9に発表する米2月個人消費支出(PCE)が注目材料となる。特に、FRB(連邦準備制度理事会)が重要視するといわれる食品・エネルギーを除いたコアPCEデフレーターに注目だ。1月は前月同月比+3.1%と前月から伸び率が大きくなった。原油相場の上昇に加え、3月の非農業部門雇用者数の予想以上の増加を受けて米債券市場で金利上昇圧力がかかり始めている中、1月に続いてインフレ圧力が残っていることを示す結果になる場合、株価の戻りを抑える要因となる。
一方、国内では小売企業を中心に決算発表が多く予定されている。4/9には指数寄与度の高いファーストリテイリング(9983)が上期決算を発表予定であり、決算内容を消化する4/10の4月限のオプションSQ値に影響を与えうる。そのほか、サイゼリヤ(7581)やイオン(8267)、半導体関連のローツェ(6323)、安川電機(6506)などが発表を予定しており、AI関連や防衛関連への物色以外では個別決算にも注目が集まりやすい。
需給面では、年金資金など大口投資家によるリバランスの買いが下値を支える可能性があるほか、オプションSQに絡んだ売買が主導する場面もありそうだ。
株式市場は4月相場に入った。日経平均株価は2月まで急ピッチで上昇し、悪材料が生じた場合の反転下落はある程度は想定できた。3月は下に振れやすい月である点は過去の歴史からも想定していた事象であり、その悪材料が中東情勢であったという捉え方ができそうだ。3月は史上最高値から大きく調整したが、月足では12ヵ月移動平均線(46,690円 4/3)上を維持している。4月は12ヵ月移動平均線上で値固めが進めば、夏場に向けた一段高への期待は回復するだろう。
短期的には中東情勢や原油価格の動向に神経質な地合いが続くことが予想されるが、金融市場の反応は徐々に薄れていく公算が大きい。ただ、米国では原油高によるインフレ高進への懸念が高まる中、プライベートクレジット市場にも神経質になり、次の焦点になりつつある。仮に、金融危機の兆候との受け止めが広がる場合、米国市場にダメ押し的な下落が予想され、日本株にも金融関連中心に悪影響となる。
ちなみに、昨年の4月SQ週の日経平均株価は軟調だった。週明け4/7は前週末のダウ平均が2,000ドルを超える下落となったことを嫌気して全面安。4/8はナスダック高に好反応を示して全面高となった。4/9は米国株安を受けてグロース株が下げを主導して全面安。4/10はトランプ大統領が「相互関税」の一時停止を表明したことで2,894円高と大きく跳ねたが、4/11は米国株安や円高を嫌気して全面安となった。5営業日すべてで4ケタの値幅が出た上、全面安と全面高を交互に繰り返した1週間だった。
日経平均株価(図表)は不安定な動きが続いている。週初の急落後はすぐに持ち直す動きとなっているが、日々の大きな振幅が不透明感につながっている。一方、4/3は大幅反発とはならなかったが、取引時間中の値幅は500円程度と極小で方向感に乏しい展開となった。
短期的には下落基調が続く25日移動平均線(54,057円 4/3)に上値を抑えられる可能性が高いが、週前半は5日移動平均線(52,455円 同)の上昇が株価の押し上げ要因、あるいは下支え要因になるかが注目される。値固めを通じて、25日移動平均線や3/25高値(53,749円 終値ベース)を超えることができれば、史上最高値からの下落波動は一巡する。
上値メドは、25日移動平均線や50日移動平均線(54,716円 同)、3/18高値(55,239円)、心理的節目の56,000円、心理的節目の57,000円などがある。下値メドは、3/31高値(52,169円)、心理的節目の52,000円、心理的節目の51,000円、3/31安値(50,558円)、心理的節目の50,000円などがある。
図表1:日経平均株価の日足チャート(2025/9/1-2026/4/3)
出所:QUICKよりDZHフィナンシャルリサーチが作成
主要な国内経済指標の発表やイベントは、2月家計調査、2月景気動向指数、30年国債入札(4/7)、2月毎月勤労統計調査、2月国際収支・貿易収支、3月景気ウォッチャー調査(4/8)、3月都心オフィス空室率、3月消費動向調査、3月工作機械受注、5年国債入札(4/9)、3月国内企業物価指数、オプションSQ(4/10)などがある。
企業決算の発表では、ネクステージ、クリエイトSDH、トーセイ、壱番屋、アンドエスティ、不二越(4/6)、パルGHD、サンエー、サカタのタネ、ダイセキ、U.S.M.H、フジ(4/7)、ABCマート、サイゼリヤ、イオンFS、コメダ、ベル24HD、わらべや(4/8)、ファーストリテイ、7&I−HD、イオン、ツルハHD、スギHD、キユーピー、ローツェ、ライフコーポ、吉野家HD、古野電、イオン北海、MV東海、コジマ、オンワードHD、ワキタ(4/9)、良品計画、安川電、ビックカメラ、竹内製作、OSG、ベルク、Sansan、ニッケ、JINSHD、タマホーム、ハイデ日高(4/10)が予定している。
海外の経済指標の発表やイベントは、米2月耐久財受注、米2月消費者信用残高、米3年国債入札(4/7)、FOMC議事録(3/17〜18開催分)、米10年国債入札(4/8)、米2月個人所得、米2月個人消費支出(PCE)、米2月個人消費支出(PCEデフレーター)、米10-12月期GDP確定値、米30年国債入札(4/9)、中国3月消費者物価指数(CPI)、中国3月生産者物価指数(PPI)、米3月消費者物価指数(CPI)、米4月ミシガン大学消費者態度指数(4/10)などがある。
海外の企業決算の発表では、デルタ航空、コンステレーション・ブランズ(4/8)などが予定している。
今週の注目銘柄!(4/6-4/10)
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銘柄
コード銘柄目標株価
(円)ロスカット株価
(円)注目ポイント -
1878大東建託4,5003,350建物賃貸事業の企画提案、建設。賃貸仲介も首位である。2月後半以降、証券会社による目標株価引き上げやカバレッジ開始などポジティブなリポートが多く出てきており、全体の地合いが悪い中でも株価は高値圏で推移している。3/11に3,783円まで上昇した後、いったん失速したが、25日移動平均線を割り込んだところでは押し目買いが入った。3/24から4/3までの9営業日で8勝1敗と足元の基調が強く、この間、8営業日連続で陽線を形成している。3月の上昇で2024年7月高値(3,676円)を超えてきた点にも注目である。ここからは2017年12月につけた上場来高値(4,710円)まで抵抗が少なく、上向きの流れが続くと予想する。ターゲットは4,500円、ロスカットは3,350円
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2702日本マクドナルドホールディングス10,0007,600外食の国内大手。株式市場が地政学リスクの高まりを受けて不安定となる中、同社に関してはネガティブな影響がほとんどなく、3月は上値追いの流れが続いた。足元では原油価格の上昇などに伴い物価高への警戒が高まっており、リーズナブルな価格で商品を提供している同社は、外食業界において勝ち組になると見込まれる。株価は今年に入って上向きの基調を強めており、3/31には8,440円まで上昇して上場来高値を更新した。内需銘柄という点も今の地合いでは評価されやすく、この先は1万円の大台を試しにいく展開を予想する。ターゲットは10,000円、ロスカットは7,600円
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2753あみやき亭1,9001,340東海地盤の焼き肉チェーン。4/3の寄り付きと同時に本決算を発表した。前期はコスト上昇を主因に営業減益だったものの、2027年3月期の通期連結営業利益は25.0億円(前期比13.1%増)を見込む。同日の株価はガイダンスが好感され、一時1,490円(前日比4.6%高)まで上昇し年初来高値を更新した。最終的に小幅高で終えたが、情勢不安による不透明感が強い中で増益ガイダンスを発表したことには安心感がある。年初来高値を更新したことでセンチメント改善の可能性が高まった。優待銘柄の側面が強くボラティリティは比較的小さいが、日々のマーケットが乱高下する中、ディフェンシブ性を評価した買いが入ると予想する。ターゲットは1,900円、ロスカットは1,340円
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4169ENECHANGE480239電力・ガス切り替えプラットフォームの運営、電力・ガス会社向けクラウド型DX支援サービスを展開している。株価は低迷が続いており、2021年につけた上場来高値(4,590円)から9割超下落した水準にある。3/4に227円まで下げて昨年来安値を更新したが、同月終盤から買いが増え始めた。3/27には2026年3月期の調整後EBITDA予想を従来の3.5億円〜4.5億円(レンジ形式)から6.7億円に上方修正を発表するなど業績も改善がみられる。資源価格高騰を受けて今後の光熱費上昇が懸念されるが、電力・ガス契約見直しの機運が高まれば、同社サービスの需要増加も期待できる。株価もここ数日で75日移動平均線を上抜けてきており、トレンド転換の可能性は高いと考える。ターゲットは480円、ロスカットは239円
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8715アニコム ホールディングス1,8501,250ペット保険の草分けで業界首位。アニコム損保を核に動物病院支援も手掛けている。2026年3月期3Q累計(4-12月)の連結純利益は14.3億円(前年同期比44.6%減)で着地。増収となったものの、保険引受費用や営業費および一般管理費の増加が響いた。一方、業態的に中東の地政学リスクが業績に及ぼす悪影響が小さく、株価もその点が好感されて強い基調が続いている。4/3には1,448円まで上昇して上場来高値を更新した。2020年5月につけた高値が1,335円で、この近辺では戻り売りに押される懸念もあったが、3月相場では難なく同水準をクリアした。上向きの10日移動平均線が上昇をサポートする格好となっており、順張りスタンスで注目したい。地政学リスクに耐え得る銘柄として、選好されやすい状況が続くと予想する。ターゲットは1,850円、ロスカットは1,250円
出所:DZHフィナンシャルリサーチが作成
- 注目銘柄採用基準・・・4/3現在、プライム・スタンダード・グロース市場に上場、時価総額が100億円以上、PBRが5.0倍未満、信用倍率が7.0倍未満(3/27現在)、株価が13週・26週移動平均線を上回っている中から、成長性や話題性、業績面など総合的に考慮した上でピックアップした。
- 「目標株価(円)」・・・一目均衡表分析の値幅観測やフィボナッチ、株価の過去の節目などを基準に総合判断。
- 「ロスカット株価(円)」・・・一目均衡表や移動平均線、株価の過去の節目などを用い総合判断。
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