中東情勢に加え弱い米国株の動向にも留意、大口の配当再投資が唯一の買い手

2026/3/23

提供:DZHフィナンシャルリサーチ 日本株情報部 東野幸利

今週の株式見通し(2026/3/23~3/27)

 今週(2026/3/23-3/27)の日経平均株価の予想レンジは48,000円-54,000円。東京株式市場は中東情勢関連のニュースに翻弄される状況が続く公算が大きく、不安定な動きが予想される。

 年度末の直前週でもあり、指数は為替、原油相場や米国株の動向に加え、需給要因にも左右されそうだ。外部環境では特に下げ止まらない米国株の強弱に影響を受けやすい。原油相場が落ち着く場合でも米国株の軟調が続けば、日本株にもバリュエーション調整の売りが続くことが予想される。円安基調にあるドル円の円高方向への反動にもネガティブに反応することが想定される。

 一方、権利付き最終日の3/27の後場から権利落ち日3/30前場にかけては大口投資家による配当再投資に伴うTOPIX先物への買いが入る見通し。外部環境の多少の安定が条件ではあるが、週前半に売りが一巡すれば大幅反発のきっかけになることも考えられる。

 ちなみに、昨年の同時期は軟調だった。日経平均株価は週半ばまでは一進一退。米国株に持ち直しの兆しがみられたことから、3/26には1カ月ぶりに終値で38,000円を上回った。しかし、トランプ大統領が輸入自動車に対して一律で25%の追加関税を課すと発表したことから、3/27は大幅安。自動車株や半導体株が強く売られたことで、リスク回避ムードが強まった。3/28は米国株安と配当落ちの影響で600円を超える下落。37,000円を割り込む場面もあった。週間では約556円の下落。配当落ちの影響は300円程度あったが、それを踏まえても弱かった。

 日経平均株価(図表1)は不安定な動きが続いている。3/19は売り優勢のスタートから下値模索の展開となり、一時は2,000円を超える下げ幅となる場面があった。結局、前日の陽線による大幅高を帳消しにする陰線を形成し大幅安で終了。前日の陽線と合わせると上に往ってこいとなり、週間ベースでも引け味の悪さが目立った。

 現時点では、75日移動平均線(53,265円 3/19)付近までの下落にとどまっており、直近のもみ合いの範ちゅうである。75日移動平均線からの大幅反発で、下げを否定する動きがみられるかが焦点となる。

 一方、3/9につけた直近安値(52,728円 終値ベース)を下回ると、2/27の史上最高値(58,850円 終値ベース)からの調整が続いていることになり、5万円割れなどにも警戒が強まる。

 上値メドは、心理的節目の54,000円、10日移動平均線(54,195円 同)、50日移動平均線(54,782円 同)、心理的節目の55,000円、基準線(55,370円 同)、25日移動平均線(55,948円 同)などがある。下値メドは、心理的節目の53,000円、100日移動平均線(52,488円 同)、心理的節目の52,000円、3/9安値(51,407円)、心理的節目の51,000円などがある。

図表1:日経平均株価の日足チャート(2025/9/1-2026/3/19)

出所:QUICKよりDZHフィナンシャルリサーチが作成

 主要な国内経済指標の発表やイベントは、2月消費者物価指数(CPI)、2月百貨店売上高、40年国債入札(3/24)、日銀金融政策決定会合の議事要旨(1/22〜23開催分)(3/25)、2月企業向けサービス価格指数(3/26)、配当・優待権利付き最終売買日(3/27)などがある。

 企業決算の発表では、コーセル、大光(3/23)、TAKARA&C、セキチュー(3/25)、ハニーズHLD、FフォースG、NaITO(3/26)、キユソー流通、ミタチ、ニイタカ、パレモ・HD(3/27)が予定している。

 海外の経済指標の発表やイベントは、米3月製造業購買担当者景気指数(PMI)、米3月リッチモンド連銀製造業指数、米2年国債入札(3/24)、半導体などの見本市「セミコン・チャイナ」(上海、〜3/27)、独3月Ifo景況感指数、米2月輸出物価指数、米2月輸入物価指数、米10-12月期四半期経常収支、米5年国債入札(3/25)、米7年国債入札(3/26)などがある。

海外の企業決算の発表では、ペイチェックス(3/25)が予定している。

今週の注目銘柄!(3/23~3/27)

  • 銘柄
    コード
    銘柄名
    目標株価
    (円)
    ロスカット株価
    (円)
    注目ポイント
  • 2929
    ファーマフーズ
    900
    550
    機能性食品や育毛剤などを手掛ける。3/13の場中に上期(8-1月)決算を発表し、広告宣伝費の負担が重く上期では営業赤字となった。一方、商品の売れ行きが好調のため2Q(11-1月)でみると黒字で着地。通期の利益見通しも引き上げた。株価の下落が続いていたこともあり、配当利回りにも妙味がある。上記の決算発表を受けて急騰し、1/23以来、20日移動平均線上を回復した。売り残も少なくなかったため、踏み上げによって押し上げられた可能性がある。現在は75日移動平均線を意識した水準に切り上げている。決算を受けて急騰しても、今年のパフォーマンスは相対的に低く、ここからの上昇余地は大きいと判断する。ターゲットは900円、ロスカットは550円
  • 5715
    古河機械金属
    6,500
    3,380
    土木鉱山用などの機械事業を展開している。固形物の混じった液体を輸送するスラリーポンプや破砕機などで高い国内シェアを持ち、レアアース関連としても注目されている。今期は3Q決算発表時に通期の見通しを引き上げており、増配も見込む。長らくオールドエコノミー銘柄だったが、時代の流れとともに成長株へ復帰する可能性が出てきた。2/9発表の3Q決算発表を受けて急騰し、7,140円まで買われて昨年来高値を更新した。その後調整していたところ、地合いの悪化を受けて水準を切り下げた。ただ、3月第2週目以降は相場が乱高下する中でも底堅い動きを続けている。下値不安が後退してきたところ、日米両政府で重要鉱物の供給不足を巡る相互協力の枠組み立ち上げで合意したとのニュースも流れてきた。安全保障分野の関連銘柄として再び動意付く展開を予想する。ターゲットは6,500円、ロスカットは3,380円
  • 6653
    正興電機製作所
    3,450
    1,880
    電力向け受変電設備などを手掛ける。電力やインフラ更新需要を受けて業績は好調。ただ、今期は2ケタの営業増益予想(2/12発表)でありつつも、市場からは保守的と判断されて急落した。その後は早い段階で持ち直したものの、中東情勢悪化を受けて再び急落するなど年明けの値動きは荒い。このように株価は乱高下しつつも、今年は1/30の2,159円、2/16の2,173円、3/9の2,165円といずれも近い水準で下げ止まった。AI・電力インフラといった大きなテーマがあり、下値ではしっかりと押し目買いが入っている。ここ1カ月程度は上下に振れているが、横ばいにあるボリンジャーバンド(20日)の-2σ付近から持ち直しつつある。レンジ相場であっても+2σを上値メドとすれば2,700円台であるため、短期でも値幅を取れるタイミングと考える。ターゲットは3,450円、ロスカットは1,880円
  • 6862
    ミナトホールディングス
    3,500
    1,549
    産業用メモリーなどを手掛ける。このところのメモリー価格高騰から好業績が見込まれていたが、2/10大引け後の3Q決算発表は投資家の期待を大きく上回る内容だった。通期の営業利益予想も大幅な上方修正となったことで、発表後は買いが殺到。決算発表直前の終値1,522円に対し、4営業日後には一時3,025円と約2倍に上昇した。来期はメモリー価格の高騰が通年で寄与するとみられるため、大幅な増益が見込まれる。現状10倍付近の予想PERは一段と低下する公算が大きい。直近の高騰後は日柄調整に入っているものの、中東情勢悪化と原油高による不安定な相場の中でも底堅い動きを継続。三角保ち合いを形成して煮詰まり感も出てきたため、上放れの時期は近いと判断する。ターゲットは3,500円、ロスカットは1,549円
  • 9602
    東宝
    2,000
    1,475
    邦画配給、興行収入で断トツ。株価は先月まで下落基調にあったが、3月に入って切り返している。2月末に1:5の株式分割を実施しており、最低購入代金が切り下がったことが新たな買いを呼び込んでいるもよう。歌舞伎をテーマに話題を集めた映画「国宝」は米アカデミー賞では受賞を逃した。ただ、これに対するネガティブな反応は限定的で、短期の株価下落リスクも低下した。3/17の引け後に同業の東映が増配を発表しているが、これを取り上げた日本経済新聞では、「国宝」や「鬼滅の刃」が映画館運営に貢献したことを報じている。「国宝」は今でも上映する映画館があるほどのロングランヒットとなっており、業績期待から一段と戻りを強める展開を予想する。ターゲットは2,000円、ロスカットは1,475円

出所:DZHフィナンシャルリサーチが作成

  • 注目銘柄採用基準・・・3/19現在、プライム・スタンダード市場に上場、時価総額が100億円以上、PERが30.0倍未満、PBRが
  •               2.7倍未満、配当利回りが0.8%以上の中から、成長性や話題性、業績面、テクニカル面など総合的に
  •               考慮した上でピックアップした。
  • 「目標株価(円)」・・・一目均衡表分析の値幅観測やフィボナッチ、株価の過去の節目などを基準に総合判断。
  • 「ロスカット株価(円)」・・・一目均衡表や移動平均線、株価の過去の節目などを用い総合判断。
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